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おとぎばなしに君の名を
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頭が痛い。
眉間に皺を寄せ、重たい瞼を押し上げる。目を開けた途端、翡翠色を帯びた金色の木漏れ日に瞳を刺された。もう一度瞼をきつく閉ざす。
(……そう、だ……)
確か、と思い出す。眠れずにベッドから見上げたカーテンの隙間に、蛍じみて発光するたくさんの絵本をお供に連れた魔女を見た。
魔女はにこりと笑い、ぱちんと手を叩き合わせ――そうして、
(そうだ!)
佐藤 瀬莉
は勢いよく身を起こす。途端、ズキンと頭が激しく痛んだ。起こした身体を丸めて頭を抱え、頭痛がおさまるのを待つ。
(お話をハッピーに、だっけ?)
両手でこめかみを押さえながら顔を上げる。ここはどこだろう。
身体を包む見慣れぬドレスに、身体の上に毛布代わりのように被せられた何百本もの野の花。ドレスの足を埋める色とりどりの花はまだ瑞々しい。手を下ろせば、透明な硝子の縁に指先が触れた。
自分が横たわっていたのは、花に埋められた硝子の棺であることに気づくと同時、思い至る。ここは、
(『白雪姫』、なのかな?)
絵本で読んだ物語を頭になぞる。白雪姫は王妃に命を狙われていた。
(それで)
森に捨てられたり小人に拾われたり、物売りの老婆に変装した王妃に何度か殺されかけたりした挙句、最後には毒林檎を口にした。死人のように息を失い冷たくなった白雪姫は、森の中、硝子の棺で眠り続け――
瀬莉はドレスに纏わりつく花を払いのけ、棺から身軽に飛び出す。ドレスの裾をふわりと揺らして森に降り立ち、周囲を見回す。真昼の森に聞こえるのは樹々のざわめきと小鳥や虫の声ばかり。ひとの気配は感じられない。
(王妃と、王子様とか七人の小人とか、)
物語の登場人物を数え上げながら、瀬莉は元気に歩き始める。頭ももう痛くない。毒林檎を食べたはずの身体の具合も悪くない。となれば、誰かが来るのを森の奥でじっと待ってはいられない。
懐中時計いじりを趣味とする精密作業好きな眼差しで見つけたのは、草木生い茂る森の中に続く細い道。何人かが毎日のように通ったために出来た道を辿ってしばらく行けば、
「あっ」
「ああっ?!」
森の中で手に手に花を持ってしょんぼり歩く七人の小人と遭遇した。
「生き返った?」
「生き返った!」
葬送の花を空へ放って喜ぶ小人たちに取り囲まれ、瀬莉は瞬く。老翁の顔した小人たちは子供の瀬莉と同じほどの背丈で、確かにそこは文字通りの『こびと』ではあるのだけれど。
「わ……」
炭鉱夫である彼らは一様に鎧の如き筋肉を矮躯に纏わせていた。マッチョな老爺たちに瀬莉はほんのちょっぴり怖じるも、そこは少女の屈託のなさで問う。
「ねえ、王子様ってどこにいるの?」
物語のハッピーエンドの定番と言えばやっぱり、王子様と出逢って末永くしあわせに暮らしてめでたしめでたし、
(……だよね?)
こびとたちは皺々の顔を見合わせる。
「……戦っとる」
「……え?」
聞けば、森の外の平原で王妃と王子が激しく相争っているとのこと。
「姫の死を確かめたい王妃と、姫の生存を信じたい王子が森の前で鉢合わせてな」
「気付けば戦争じゃ」
「いつか森にも戦火が及ぶ」
難しい顔をするこびとたちを見回し、瀬莉はむむむと眉を寄せた。なんだか瀬莉の知る『白雪姫』からは話がずれ始めている気がするが、ここは気にしたら負けというもの。
「王妃様をやっつけよう」
どうしようどうしようと苦々しく呻くばかりのこびとたちに瀬莉は檄を飛ばす。
「悪は滅ぼしてこそだもん! 行こう!」
凛と言い放ちながら、瀬莉はふと思う。王子様のキスで目覚めて幸せに暮らしてめでたしめでたし、の物語では到底なくなってしまった。これでは白雪姫戦記だ。戦記というと物語的にたぶんとても長くなる傾向にある。
(これって絵本の頁数におさまるのかな?)
奮起し武装したこびとたちを率いた白雪姫は、王子と出会うことを阻もうとする王妃の手先を倒したり、その戦いで七人のこびとの数人が負傷したり、戦いの末に王妃の手先であった猟師を仲間に引き込んだり、様々な艱難辛苦や紆余曲折の末、とうとう王子と合流する。
「白雪姫!」
両手を広げて歓迎する王子をそれどころじゃないでしょと蹴倒し、王子様に黙って守られる気は微塵もない瀬莉は七人のこびとと猟師、それから王子のお供たちと向き合う。掲げるはこびとたちが作ってくれた自軍の旗。
「みんなで一緒に王妃を倒して平和を取り戻すの!」
こういうときはどう言うんだっけ、とちらりと考える。いつか家族で見た戦記ものの映画ではたしか、ヒロインがこう叫んでいた。
「フォローミー!」
ヒロインの率いる連合部隊は最強と決まっている。悪の王妃は多少の抵抗も空しくぼこぼこにされて破れるのが定石。
争いの果てに倒れた王妃の前、血と泥で汚れたドレス姿の白雪姫が立つ。
「王妃」
憎むべき王妃に向け、白雪姫はそっと手を差し伸べた。
「やり直せばいいの。何度でも」
「白雪姫――」
涙を浮かべて顔を上げる王妃に優しく笑いかけながら、瀬莉は心の中で首を捻る。一応ハッピーエンドではあるのだろうけれど、
(……これって白雪姫だっけ?)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年05月10日
参加申し込みの期限
2019年05月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年05月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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