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おとぎばなしに君の名を
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くるぶしまでもある漆黒のワンピースの胸には数珠状のネックレス、うなじを覆う黒髪を隠すのはヴェールにも似た頭巾。
(修道服……?)
サンダルの爪先に触れる砂の感覚に瞬いた黒い瞳をもたげれば、ひどく昏い水平線と渦巻く黒雲が見えた。
宮祀 智瑜
が歩いているのは、嵐の去った海辺であるらしい。
不穏に唸る風に乱れる修道服の裾を押さえ、智瑜は海岸線を辿る。
(ここは……)
たとえどんな世界であっても、
(義弘先生が現れないかな?)
恋する乙女がまず最初に願うのはただひとつ。大好きな
桐島 義弘
先生にこっちの世界でも会えたらいいのに。
夢見る眼差しを巡らせていて、波打ち際に倒れる黒髪の男性の姿を見た。
「大丈夫ですか?」
半身を海に浸してうつ伏せに倒れる男性のもとへ慌てて駆け寄って、智瑜は大きな瞳をますます大きくする。
「日暮さん……?」
シーサイドタウンの元廃屋に暮らす友人のひとりを見て咄嗟に思ったのは、様々なバイトで日銭を稼ぐ彼がまた何かバイトに精を出しているのではないかということ。たとえば海に潜るバイトとか。
(海女さん?)
大真面目に考えながらよくよく見れば、いつも大抵着物姿の日暮は妙な格好をしている。裾を絞ったズボンに襟ぐりの深い白いシャツ。まるでおとぎ話に出て来る王子様のような格好、と思って、
(着物が似合うのに)
ちらりと首を傾げたとき、日暮が目を覚ました。ゆっくりと身を起こし、智瑜を見遣り、
「……姫君」
ぽつり、呟いた。
「え? 私、ですか?」
頷く日暮に、智瑜は思わず頬に手をやる。ここがおとぎ話の世界で、自分がお姫様であるのなら、ということはもしかするともしかするかもしれない。
(義弘先生が王子様?)
「ああ、いとしいひと……」
恋する先生を思ってドキドキする智瑜の手を日暮が取る。きょとんとする智瑜の瞳が捉えたのは、波間にぷかりと黒髪の頭を覗かせた少女の姿。日暮と一緒に暮らす少女、夕は、なんだかとっても怒った顔をしている。
ぱしゃん、と尾鰭で波を叩いて波間に消える夕の姿に智瑜は気づいた。
(この世界ってもしかして人魚姫?)
ということは、
(私は人魚姫のライバルなお姫様……!)
智瑜は慌てる。心底慌てる。これはどうしても誤解を解かなくては。
(だって私には好きな人がいる)
そうして人魚姫な夕と王子様な日暮をくっつけてアンハッピーエンドを回避しなくては!
からくり人形じみた動きで手を取る日暮に、智瑜は必死に説明する。
「日暮さん……じゃなくて王子、溺れて打ちあがってた貴方を見つけたのは私だけど、溺れてる王子を助けたのは人魚姫なんです! さっき海に見えてた女の子なんです!」
真剣に真摯に説明する智瑜の手を引き、王子様な日暮は海岸からほど近いお城に智瑜を拉致じみて連れ帰る。質実剛健で無骨なエントランスを過ぎて通されたのは精一杯整えられたやっぱり無骨な部屋。そこに待っていたのは、
「こんです! おせわします!」
「にゃー!」
メイド服姿のこんと黒猫の珠。世話係にとあてがわれた女の子と子猫があんまり可愛くて、智瑜は思わずこんも珠も一緒にぎゅっと胸に抱きしめた。
「あのねあのね」
智瑜のふかふかの胸に抱きしめられながら、メイドこんは懸命に喋る。
「こん、もうひとりおせわするの。だからとってもいそがしいの」
こんに手を引かれて庭に出た智瑜が見たのは、王子な日暮と見つめ合うひとのかたちの脚を得た人魚姫な夕だった。
「王子、ちゆと結婚しなきゃなのに」
うわき?、と眉を寄せるこんに、智瑜は唇に人差し指を立ててみせる。
声と引き換えに人間の脚を得た人魚姫な夕が来たら、筆談でもジェスチャーでもいいから王子への気持ちを確かめなくてはと思っていたけれど、
(あの様子だと間違いないですよね)
確かめることも要らなさそうだ。
「浮気とか、そうじゃないんです」
こんと手を繋ぎ、珠を抱きかかえ、智瑜は木の陰からふたりを見守る。なんとかあのふたりを出来るだけ長く一緒に過ごさせてあげよう。
「ふたり、お似合いですよね」
「……ちゆが言うと、こんもそんな気がしてくる」
「ふたりには、幸せに暮らしてもらいたいです」
「じゃあ、ちゆは? こんと珠と暮らす?」
見上げて来る小さな女の子のつぶらな目に、智瑜はたまらず笑む。
「それもいいですね」
王子と会わないよう、智瑜がこんの助けも得てお城のあちこちに隠れて回るうち、王子と人魚姫は心を通わせ――
「結婚おめでとうございます!」
こんが用意してくれたとっておきのドレス姿で智瑜はふたりの幸せを祝う。お揃いドレス姿で花籠を持つこんと笑い合い、
「おめでとうございます!」
「おめでとうー!」
純白のドレス姿の夕とタキシード姿の日暮をフラワーシャワーで祝福する。照れくさそうな顔を見合わせるふたりの姿に幸せな気持ちでいっぱいな笑顔を浮かべて、
「あっ……」
恋する乙女な智瑜は気づいた。王子の結婚式のために訪れたたくさんの来賓の中ても目立つ、背の高い正装姿の男性。隣国の王子だとこんが教えてくれた眼鏡の彼の横顔は、智瑜の恋するあのひとそのもの。
「あのっ……!」
海色のドレスの裾をひき、髪を飾る白薔薇と空色のリボンを揺らして智瑜は駆けだす。大好きなひとの横顔を、間違えるわけがない。
「義弘先生!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年05月10日
参加申し込みの期限
2019年05月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年05月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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