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おとぎばなしに君の名を
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見下ろした足元を覆うのは、フリルで飾られた真っ白なエプロンつきのブルーのドレス。フリルに纏わりつくように、波打ちながら膝下まで伸びる灰銀の髪が揺れている。
白く小さな指でブルーのエプロンドレスの裾を摘まみ上げ、
ゼロ・シーアールシー
はこくりと首を傾げた。魔女の格好をして空中にふわふわ浮く女のひとに話しかけられたときには、いつもと同じ純白のふわふわワンピースを着ていたはずなのだけれど。
(普段着と違うけれど)
この服もとっても可愛い。
可愛い服が嬉しくて、ゼロはその場でくるり、踵で一回転。
灰銀の髪をふわふわ揺らし、鮮やかな空色のスカートをふわふわ揺らし、ゼロは身体と一緒にぐるりと視線を巡らせる。さっきまでは真夏のおつきさまに照らし出された砂浜を裸足でお散歩していたのに、今、爪先が踏みしめているのは真っ白な砂ではない。いつのまにか履いていた空色の靴の踵がコツコツと鳴る、ここは小さな樹のおうち。
窓辺に掛かるレースのカーテンがさらりと揺れる。爽やかに晴れ渡る青空とふわふわのひつじ雲が見えた。ぱたぱたぱた、忙しなく駆けて行く誰かの足音と、カチコチと妙に響く時計の音が聞こえた。
おうちの真ん中に据えられた木製のテーブルに近寄ってみる。柔らかな曲線を描くテーブルの端っこ、小さな顎を乗せるようにして覗き込んでみれば、
『私をお飲み』
そう書かれたメモつきの小瓶がぽつりと一本。中には紅茶色した液体が入っている。
手に取ると、ふうわり、とっても甘くていい香り。焼き立てのアップルパイと蜂蜜とミルクたっぷりな紅茶の香がする飲み物を、ゼロはごくり。メモにあった指示に素直に従い、一口で飲み干した。
途端、ふんわりぐらり、視界が揺らめく。瞬きひとつのうちに覗き込んでいたテーブルを見下ろして、次の瞬間には天井にぎゅぎゅっと頭が押し付けられて。
声を上げる間もなくゼロは気づく。身体がどんどん大きくなっている。気づいた端からゼロの身体はまだまだ大きくなり続ける。みしみしばきん、頭が屋根を突き破る。手足や胴がおうちの壁を紙のように軽々と破壊する。おうちの隣にあった樹が見る間に目の高さになり、見下ろす高さになる。どんどんどんどん大きくなっていく自分の身体に、けれどゼロは全然慌てない。焦らない。だって大きくなるのは慣れている。
(大丈夫なのです)
足元でわあわあ悲鳴を上げている小さな小さな兎や芋虫や猫を踏み潰さないようにしながら、ゼロはそうっと手を伸ばす。青空にふかふかの綿あめみたいに浮かぶ真っ白な雲を掴み取ってみる。
手の中でふわふわ揺れる雲をぱくりと口に入れてみる。ふしぎの国の雲は、ほんのり甘くて冷たかった。
そうするうちにも身体はまだまだどんどん大きくなる。瞬きふたつのうちに雲が顔の下になる。薄い胸の下になって、細い腰の下になって、ついには膝の下になる。それでもゼロの拡大は終わらない。
手を伸ばすと眩しい太陽に手が届いた。掌に納まるおひさまを、両手で包んで隠してみると、足元のちっちゃなちっちゃなふしぎの国はあっという間に真っ暗な夜になってしまった。
大勢の人がゼロの傍から逃げていく。
「きゃー」
「たすけてー」
「つぶさないでー」
トランプの兵隊も、帽子屋も、みんなみんな口々に悲鳴を上げている。どんなに大きくなっていてもみんなの声は何故だか聞こえる。みんなの逃げる速度よりも速く大きくなり続けていても、大きくなることに慣れているゼロはふしぎの国の住人を誰一人として押し潰したりはしない。
一房でお山を七巻き出来る銀色の髪をふわふわ揺らし、ゼロはふしぎの国とその住人たちを見下ろす。こっちのお山を潰してあっちにお山を作れば国全体の日当たりがよくなるかもしれない。ふと思って、指先でこっちのお山をざくりと抉り、集めた土をあっちに積み上げお山にする。抉ったお山の下からは透明な水がこんこんと湧きだし、いつのまにか青い湖となった。
ぜんぶこの国のためを思ってしたことなのに、
「ぎゃー?!」
「てんぺんちいだー?!」
「このよのおわりだー?!」
住人にはもっと怖がられてしまった。
住人に恐怖を撒き散らしながらも、ゼロはもっともっと大きくなる。しまいには、ふしぎの国ぜんぶがゼロの指先に乗っかってしまった。
小さな小さな国の小さな小さな住人たちが総出で白旗を振る。白旗よりも真っ白な顔で祈るように喚く。
「食べないでください」
「潰さないでください」
ぷっとゼロは頬を膨らませた。ゼロがとっても大きいからと言って、
(失礼なのですー)
むむむと銀の瞳を瞬かせた次の瞬間、ゼロは白旗を振る人々の真ん中、元通りの小さな女の子の姿で立っていた。
「祈りを聞き届けていただけたのですね」
ハートの女王が安堵の表情で言い、女王の証たる錫杖と王冠をゼロに捧げる。
「あなたがこの国の新しい支配者です――さあ、最初のご命令を」
頭からずりおちてくる王冠を両手で抑えながら、ゼロはこくりと頷いた。うとうととまどろむことが大好きなゼロの願いはいつだってただひとつ。
「みんなでのんびりお昼寝するのですー」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年05月10日
参加申し込みの期限
2019年05月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年05月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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