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第35回 寝子ヶ浜ビーチ☆スターズコンテスト!
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夏休みも終盤も終盤のその日に寝子ヶ浜海岸へ遊びに来たのは、夏の恒例行事であるビーチ☆スターズコンテスト見物のためでもあったけれど、お気に入りの水着をもう一度着たかったためでもある。
この夏は他にも水着を買ったというのに、結局は今着ている爽やかな青のビキニで通してしまった。
(お気に入りなんだよね)
もう一着の水着は別の機会にとっておこう。
(寝子祭の前夜祭のミスコンの時とか、……かな)
そんなことを考えながら賑やかな海岸をぼんやり眺めて歩いていると、
「あっ……」
「やあ、羽生くん」
海の家のテーブルに着いてのんびりと海を見遣っていた
鷹取 洋二
と遭遇した。
「鷹取先輩……」
「夏休みの終わりに相応しい、いい天気だね」
もしゃもしゃ天然パーマな黒髪の下の黒い瞳を眩しそうに細めて笑う先輩に、
羽生 碧南
は頷くことしかできない。
(乙女ゲーの世界なら)
隙あらば寮でプレイしている乙女ゲームになぞらえれば、
(夏休みの終わりにビーチ、というシチュエーション……!)
まず間違いなく告白イベントが起こる。
(でも)
現実に碧南と先輩が交わすのは、天気のことに始まり夏休みの宿題に猫鳴館の暑さのことにと差し障りのない会話ばかり。
(告白、……告白は、)
まだ出来ていない愛の告白に頭を悩ませているところに、
「あっ! そこのカップル! え? カップルじゃない? まあまあ、それはさておきお姉さん、コンテスト出場指名入りましたー!」
「え? えっ?」
「おめでとう、行って来るといい」
スタッフTシャツ姿の実行委員に強引な指名を受けてしまった。戸惑っている間に好意を抱く鷹取先輩にも送り出され、碧南は混乱する頭のまま実行委員に指定されたステージ裏へと向かう。
「っし! 次行ってきます!」
「ああ、次も頑張れ」
碧南の背に手を振って後は洋二に見送られ、実行委員は次なる出場者を探して海岸を意気揚々と歩く。水着姿のお姉さんやお兄さんを眺め、さて次は誰を指名しようかと思案して、
「おお……!」
今しも海から上がってきたみどりの黒髪な美女を見つけた。
周囲の喧噪に全くとらわれず悠然と海から出てきた彼女は、黒い睫毛の下の翡翠の瞳に青い海と空を映す。濡れそぼって妖艶な様でありながら高貴な森の精霊じみて神秘的な細身の女性のその様子に、実行委員はしばらく見惚れる。それから慌てて彼女――
三宅 葉月
のもとへと駆け寄る。
「あの!」
掛けた声が次第に萎んだ。強制参加とは言え、ここまで浮世離れした雰囲気の女性にはそんなことはお構いなしに断られる気がした。
艶やかな黒髪から雫を垂らして振り返る葉月に、実行委員は恐る恐る提言する。
「ビーチスターズコンテスト、出場してみませんか……?」
言った途端消えてしまうのではないかと思われた彼女は、けれど消えることもなければ驚きも慌てもしなかった。
「……わかったわ。少し待ってて」
静かに応じ、波打ち際に置いていたパレオを優雅な仕草で腰に纏う。初めて周囲の喧噪に気づいたようにステージを見遣り、惑わぬ足取りを向ける。
海に濡れた黒髪を太陽と潮風に輝かせ、淑女じみた黒い水着とパレオを纏った少女が歩いて行く。
周囲の音を一切近づけないような少女を何気なく目で追いかけたその先、待ち受けるように立っていたスタッフTシャツ姿の実行委員と目が合った。
「今日は!」
屈託なくこちに向けて片手を挙げる実行委員に、
森篠 琳子
は黒髪を揺らして僅かに怖じた。咄嗟に目を逸らすも、実行委員は大股で近づいてくるなり言い放つ。
「ビーチ☆スターズコンテストへの出場指名、いたしまっす!」
真正面に立ちはだかれ、真直ぐこちらを見つめて言われ、琳子は思わず周囲を見回す。もしかしたら自分ではなく、海へ一緒に遊びに来たバイト先のファミレスの同僚の誰かに言ったのかもしれない。淡紫のチェック柄ビキニは可愛くてお気に入りではあるけれど、周りのバイト仲間な大学生や高校生の方がきっともっと攻めた水着を身に着けている、はず。
巡らせた視界の中、琳子と一定間隔を空けるようにしてバイト仲間がぐるりと取り囲んでいる。
「行ってらっしゃい、琳子ちゃん!」
「応援しちゃう!」
逃げ道を塞いで散々囃し立てられ、凛子は生真面目な視線を惑わせる。
来月には寝子島信用組合の就職試験を受ける高校三年の琳子にとって、今日は学生生活最後の夏休み。みんなでめいっぱい遊ぼうと思っていたところにこの仕打ち。
「あの……断れないんですか……?」
遠慮がちに問いかけるも、
「えー、行っておいでよー!」
「そうそう、琳子ちゃんのいいところ見てみたいなあ!」
「残念、強制参加ですゴメンナサイ!」
バイト仲間の強引な声に背中を押され、ついでに実行委員の笑顔にも押し切られ、琳子は渋々ながらステージへと歩き始めた。
(結構な数の人が出場してるのに……)
観客席から頻繁に湧く歓声や拍手に耳を叩かれながら肩を落とす。見上げたステージには、モデルかと見紛うばかりにスタイルのいい綺麗なお姉さんがポーズを決めている。
(みんな水着が似合うな……)
ステージを見れば見るほど溜息がお腹の底から噴き出す。
(私みたいな地味な女が出ても浮くだろうな……)
何度目かの溜息を吐いてステージから視線を逸らし、遠い目で海を眺める。色とりどりの水着を纏って波打ち際でキャアキャアと遊ぶ女子高生たちの中にひとり、寝子高水泳部の競泳水着姿の女の子がいる。
派手な色合いの最中のせいでひどく目立つ地味な水着姿の女子に向け、先ほどの実行委員が大股に近づいて行っている。
(また犠牲者がひとり……)
ああ、と琳子は瞳を伏せる。
(逃げて……!)
琳子の内心の叫びなど聞こえるはずもなく、実行委員は波打ち際で水のかけっこをして遊ぶ女子高生たちに近づいた。
「そこの競泳水着さん!」
軽いナンパじみて声を掛けられ、
水上 桜
は切り揃えた前髪の下の黒い瞳を気短にしかめる。
「ビーチ☆スターズコンテスト、出てみよっか!」
「……私?」
「そう、君!」
大きく頷く実行委員の言葉に、桜本人よりも周りの女子たちがはしゃいだ声をあげた。
「逆に目立つもんね!」
「いーじゃん、もっと目立っておいでよー」
いつもはプール際で同じ競泳水着を着ている水泳部の仲間にからかわれ、桜はちょっとむくれる。
「……だって何となくそんな気分だったのよ」
「いいよね、競泳水着!」
大きく頷く実行委員にステージ裏への案内を受け、桜は否応なしに出場を義務づけられた。仕方なしに海から上がったそのとき、
「ハイこれ着て桜ちゃん!」
「え? わっ!?」
仲間のひとりにがばりとTシャツを頭から被された。目を白黒させている間に、
「これエール代わりねー!」
「がんばれー!」
水際に一列に立った仲間たちに一斉に海水を浴びせられる。冷たい雫の垂れる髪をかき上げ、桜は濡れて透けたTシャツの胸元を見下ろす。
「この状態で行けって?」
キラキラと光る海を背に、女の子たちが楽し気に声をあげて騒いでいる。
屈託など微塵も感じさせない彼女たちの声を耳にしながら、
深倉 理紗子
は水着の素足を波に洗わせる。
(失敗だったかな……)
内科医として忙しい日々の間にぽつりと入り込んだ非番の日だった。もしかすると今日が海で泳ぐ今年最後のチャンスかも、と思って海に来たはいいものの、まさか水着コンテストが行われているとは知らなかった。
普段よりも賑わう海岸の隅っこ、なるべく人気の少ない場所を選んで波と戯れてはいるとはいえ、それでもいつもよりずっと騒がしい。
(あまり人混みが多いのも……)
温い波に爪先を触れさせながら波打ち際をぼんやりと辿る。楽し気に行き交う人々を眺めていて、ふと気が付いた。
(まーちゃん)
先日、この辺りで
深林 真瞭
と邂逅した。
思ってもみなかった再会に動揺したまま、互いの目も見ぬままに上っ面の会話をした。日差しに背中を焦がすだけ焦がして別れた。
日焼け止めを塗ったはずなのに、その日の夜は背中がヒリヒリと痛んだ。交わさぬ視線を思い出しては胸がジリジリと痛んだ。
(まーちゃん)
心の中に以前は何の躊躇いもなく親友と呼べた女性の名を呼んで、寄せる波を辿った視線のその先、
「まーちゃん……?」
今月の十八日に二十九歳の誕生日を迎えたはずの真瞭の姿を見た。
「りさちん……?」
波打ち際をひとりで辿る理紗子の姿を見止め、真瞭は黒い瞳を細める。
細めてからちらりと思う。これは太陽が眩しいからか、それとも彼女と視線を重ねたくないからか。
「久しぶり」
表面上は何でもないように軽く手を振ってみせる。そのまま別れることも出来ず、理紗子と並んで歩き始める。
「まーちゃん」
波の音に似て、理紗子が口を開く。
「お誕生日、おめでとう」
伝えられた言葉は、先日の――最悪な誕生日だったあの日に理紗子から届けられたメールと同じだった。
「去年も同じメールを送った気がする」
くすり、小さく理紗子が笑う。
去年の誕生日は、欧州を演奏旅行中だった。そのときも、彼女から――今は疎遠になった親友から、お祝いのメッセージをもらった。
(去年はすごく嬉しかった。楽しかった)
「まーちゃん?」
理紗子の声が遠い。
時間が凍り付いたような気が、した。
「どうしたの、顔色が悪いよ」
答えられないままでいると、手慣れた様子で背中を支えられた。少し座ろう、と少しは人通りのまばらな砂浜に並んで腰を下ろす。
波に爪先を洗われながら、真瞭は傍らに座ってくれる理紗子の横顔を見遣った。
「……あのね」
ぽつり、独り言じみて零すのは、最悪だった今年の誕生日のこと。
第一ヴァイオリンとコンサートマスターとして所属している交響楽団での定例会議が最早罵り合いと化していること。
誕生日だったその日もやはり口汚い罵り合いとなったこと。
それに嫌気がさして衝動的に外へ飛び出し、バーでやけ酒を飲んだ挙句行きずりの男との情事に溺れたこと。
「……自己嫌悪もいいところ」
自嘲じみて苦笑して、真瞭は抱えた膝に顔を伏せる。
こんな壊れたような自分を、理紗子には見られたくなかった。
(ううん、違う)
それとも、晒してしまいたかった? 彼女に呆れてもらいたかった? 軽蔑して、縁を切ってもらいたかった?
そうしたら、いくらかは楽になれた?
(違う、……)
自分で自分が分からず、真瞭は瞼を固く閉ざす。
寝子ヶ浜海岸へ繰り出したのは、ささくれた気持ちを冷たい海で鎮めようと、そう考えたはずなのに、気が付けば理紗子と出逢って、理紗子に自分の弱さを吐き出している。
「……お祝いのメール、返信できなかった」
理紗子からの誕生祝いのメールを確認したのは、朝のホテルのベッドの上だった。ひとりきりの冷たいベッドの上で自己嫌悪に押し潰され、理紗子に返す言葉を綴れなかった。
「この前のメッセージ、ありがとう」
囁いた言葉が自分の声ではないように聞こえて、真瞭は唇を噛む。
波の音ばかりが聞こえる。理紗子からの言葉は何もない。
沈黙の痛みに胸を刺され、永遠に続くような重苦しさに背中を圧され、真瞭は膝を抱える指先に力をこめる。白い膝に爪を立てる。
(まーちゃん……)
泣いているようにも見える彼女の様子に、理紗子はけれど言葉も出ない。
らしくない、と思う。
背中を丸めがちな自分の隣で、彼女はいつも凛と立っていた。背筋を伸ばし前を見据えていた。
その彼女が、自傷行為にも似た言動をするまで追い詰められている。
(……私にも責任がある)
そう思い至って、理紗子は更に言葉を失う。きっともう、自分の言葉など何の役にも立たない。
それでも何か言葉を掛けるべきなのだ。俯いた彼女が瞳を上げてくれるような、彼女が必要としている言葉を、何か。
それなのに、無能な自分の胸には何も浮かんでこない。自己嫌悪しか湧いてこない。
黙して座るばかりのふたりの背に、
「すみません、ビーチスターズコンテストに出てみませんかっ?」
場違いなまでに明るくて生真面目な声が掛けられた。沈黙を破る実行委員の声に、ふたりは揃って顔をあげる。
「よろしければステージ裏までどうぞ!」
声を掛けられるまま機械じみて立ち上がり、指定された場所へと砂を踏み出す。
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ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
61人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年05月25日
参加申し込みの期限
2019年06月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年06月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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