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せんせいといっしょ:若林先生編
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●放課後にお茶を●
次にやって来たのは、スラリとした体躯に理知的な雰囲気を纏った少年だった。
「ナイトウォーカーです、失礼します。先日お借りした本をお返ししに参りました」
微笑む
シグレ・ナイトウォーカー
の手には陶芸の本。
沙穂先生は「いらっしゃい」と彼を迎え、本を受け取った。
「シグレのお眼鏡に適う作品はあった?」
「ええ、なかなか興味深いものが多かったですね」
芸術関係の作品に対し、随分と熱心に接するシグレに対し、沙穂先生は好意的な目を向けているようだ。
「日本の陶芸は土や水、火といった自然の力がそのまま形を成している所に魅力を感じます。
勿論精緻な模様が描き込まれた美しい絵皿も素晴らしいですが、自然に恵まれた風土に根付いた芸術には目を見張るものがあると思います」
「そうね。シンプルなものでも、それだからこそ見える美しさというのもあるわ」
いわゆる、機能美について会話を弾ませていると、沙穂先生はそのうち本を棚に戻し、また別の本を持って戻ってきた。
「これは近代の日本の陶芸品を集めたものなんだけど、美術品としてよりも普段使いの為に作られたものが多く取り上げられているわ」
これも機能美ね、と沙穂先生はシグレの向かいで本を開く。
「寝子島の芸術家関係は、森繁美術館に行けば大概の人の作品は見られるけど、華やかなものや珍しいものの方が多いかも知れないわね」
月が変われば、美術館でも寝子島出身の彫刻家の特別展示が始まるなんて話題も交えて。
「寝子島で工房を持っている陶芸家の方っているんですか?」
「そうね、何人かは知ってるわ。時々、地域の情報誌なんかにも個展のお知らせが載っている事もあるから、チェックしてみたら良いんじゃないかしら」
個展を見に行ったり見学してみたいというシグレに感心しつつ、そういえば、と沙穂先生は思い出したように続けた。
「今はもうない窯元もあるのよ。実用品がメインだけど、とても質が良くて……それを現代では法外な金額で取引されていると知ったら、作った人はどんな気持ちになるのかしらね」
沙穂先生はちょっと複雑そうだったけれど、シグレの瞳の奥には興味深げな光が閃いていた。
高値で取引される程の逸品、どれだけ自分の魂を震わせてくれるだろうか?
ひとつでも多くそういったものに出会う事は、彼にとってライフワークとも言えた。
「ああ、そうだ。実家からダージリンが送られてきたんです。本のお礼にと思いまして」
「お礼なんて良いのに。でも、嬉しいわね」
「よろしかったら淹れましょうか?」
目元を綻ばせる沙穂先生に申し出ると、彼女はお言葉に甘えてと頷いた。
「カップはともかく、急須しかないんだけど」
「充分ですよ」
シグレが頷き、出された急須を前に茶葉を計っている時、扉がノックされた。
心得た様子で、沙穂先生は顔を上げる。
「丁度良いところに来たわね。どうぞ、入って頂戴」
促されて入室したのは
桜 月
。
意思の強そうな赤い瞳を除いて、全体的に淡い色彩を纏った少女だった。
沙穂先生が彼女の分のカップを出している間に、先客のシグレに小さく会釈する。
内向的に見える後輩の少女に、シグレは微笑んで見せた。
「あら、時子じゃない」
棚に向かった沙穂先生は、窓の向こうにある中庭にいる
御巫 時子
の姿を見付けた。
「あ、沙穂先生……」
振り返った時子の肩には、いつものように小鳥の姿。
「丁度良かったです、沙穂先生に見せたいものがあって……」
「そう、ならこっちへいらっしゃい。シグレが紅茶を淹れてくれてるの」
「はい……」
沙穂先生の声に、時子は微笑んだ。
「月さんもいらしてたんですね」
「やあ」
寮で隣室同士、授業を一緒に受けた事もある時子に、月は若干打ち解けた様子で挨拶する。
「パーフェクトだ」
注がれる紅茶の香りに自信たっぷりの表情を浮かべ、シグレはティーカップを供した。
「ありがとうございます……」
時子が微笑み、月はちょこんと頭を下げる。
ローテーブルの上には、月が用意していたお菓子が広げられて、ちょっとしたティータイムのようだ。
「良い香りね」
マスカットにも似た甘いダージリンの香りを楽しみながら、沙穂先生もカップに口を付ける。
時子は携帯電話に保存した写真を呼び出し、沙穂先生に見せた。
それを見た先生は、笑みを深くした。
「良い感じじゃないの」
それは、時子の住む星ヶ丘寮の庭、花壇に咲く色とりどりの花。
花々の間に、以前沙穂先生担当の
授業で作った鳥のオーナメント
が置かれていた。
「遊びに来た鳥さんも興味深々な様子で見てるんですよ……。沙穂先生もぜひいらして下さいね……」
(トキコ~)
会話を弾ませていると、部屋の中でちょこちょこ動き回っていた小鳥が窓枠に停まって振り返っている。
(まだ? まだ?)
そわそわした様子にクスリと笑って、時子はもう少しと合図を送った。
「今度先生の陶芸作品も拝見させて頂きたいです……。実用性と芸術性を兼ね備えた作品なのでしょうか……?」
「結構、校内にも飾ってあるところ、あるわよ。この部屋にもね」
と、沙穂先生は机の端に置かれた花瓶を示す。
「私も先達から見ればほんのひよっ子でしょうけどね。奥が深いわよ」
沙穂先生は軽く腕を組んで笑った。
(とうげい? げーじゅつ?)
時子の声が届いた小鳥は、不思議そうにしている。
「……先生が陶芸で何かを作る時は、どうやって自分のイメージを固めて、それを粘土で形にしているんですか?」
この空気にも少し馴染んだのか、月がそっと沙穂先生に話し掛けた。
月も
先日の授業
を受けて粘土を捏ね、立体を上手く使う事によって随分と表現の幅が広げられるという手応えを感じていた。
ここを訪ねたのも、インターネット上の仮想世界コミュニティで出店した彼女が、これからもっと多くの商品を作っていく為のヒントを沙穂先生から得られないかと思ったのだ。
「ネットのお店をね……そこで3Dのキャラクターが着る服なんかを作ってるって訳ね。
なかなか面白い、今らしい切り口だわ」
CGなどの分野にはそこまで明るくないらしい沙穂先生は、興味深そうに頷く。
「はい、キャットアイランドっていうんです」
自分のデザイン画を元に作った服を、他の人に着て貰えた。
あの時の喜びをもっと味わいたい、もっと色々な服をデザインして形にしてみたい、という思いが月の胸に満ちている。
彼女自身は造形に優れている訳じゃないし、デザインの補助として粘土を使うにしても限界があると感じていたけれど。
「そうね、想像や紙に書いたデザインを立体に起こすと『何か違う』って事は少なくないかも。
自分のイメージと、実際出来たものの差異が気になるっていうのは、今でもあるわよ」
勿論持っている技量も関係するけれど、ツールや環境によってもかなり左右されると沙穂先生は言う。
「とにかく、何度も工程をこなして慣れていくのが大事なんじゃないかしら? 回転するだけのろくろでも、扱い方を知っているのと知らないのでは相当違いが出てくるもの」
様々な機能を持つ3Dグラフィック用のツールなら、尚その扱い方を知って身に付けていけば、イメージに近いものを作り易くなるのでは、との事だった。
月は続けて質問する。
「先生の実家は呉服屋なんですか?」
「ええ。何か参考になる事があるかしらね」
「着物などのデザインで、アドバイスを貰えたらと思って……」
顎に手を当て、沙穂先生は「そうね……」と呟く。
「着物は元々、一反の反物から部位を切り出して作るものだから、そういった部分を意識してデザインしたら良いんじゃないかしら。
CGにすると、どんな風になるかちょっと分からないけど……曖昧な答えでごめんなさいね」
実際の着物を3Dにアレンジするのは、経験のある人でないとピンとこないのかも知れない。
「いえ、参考にします」
それでも真剣に考えてくれたらしい沙穂先生に、月は頷いて礼を言った。
「それじゃ、私はそろそろ……お話して下さって、ありがとうございました。
お茶も美味しかったです……ご馳走様でした……」
「ええ、良かったらまたいらっしゃい」
鞄を持ち、時子は見送る沙穂先生たちに頭を下げて小鳥と一緒に部屋を出た。
少し、日が傾き始めて周囲の色彩も変わり始めている。
「陶芸というのは……」
肩の小鳥に楽しげに話しながら、時子は門へと歩いていく。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
羽月ゆきな
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月26日
参加申し込みの期限
2013年08月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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