――ある日の放課後。
「3年になったらいよいよ見据えないといけないかも知れないけど、もう少しじっくり悩んでもバチは当たらないわよ。あなたなら、何処の学校にも自信を持って推せるし、いざとなったらマタ大にも芸術学部はある。
焦る事ないわ」
「……そうね……。ありがとう、先生。もう少し考えてみる」
迷いを打ち明けて、気持ちを楽にした女子生徒の背を見送って。
「あら、どうしたの。あなたも聞いて欲しい話があるんじゃない?」
部屋の主である
若林 沙穂先生は、廊下に佇む生徒の姿を見付けて微笑んだ。
「まあ、遠慮しなさんな」
話して楽になる事もあると、沙穂先生は生徒を招き入れた。
――また、ある日の授業の後。
「今日はこれで、午前の授業はおしまいね。じゃあお昼までは、こまごまとした事をやっておきましょ」
「ZZZ……」
「あら」
担当している美術の授業を終えて、ちょっとした用事を済ませてしまおうと控え室に戻ってきた沙穂先生を待っていたのは、ソファで寝こけている男子生徒だった。
「やれやれ、また君なの。困ったもんだ」
肩を竦める沙穂先生。
「ん~……? ふわぁ、おはよう先生」
「おはようじゃないでしょ。ここはホテルでも休憩室でもないんだぞ。
……まあ、予鈴も鳴ってしまったし、今回は仕方ないわね。
ここで休んでっても良いけど、次の授業にはちゃんと出るのよ」
「へへっ、お言葉に甘えて休ませて貰いま~す」
雨の季節を目前に、寝子島の空には眩しい太陽。
今日も今日とて、沙穂先生の控え室には生徒がやって来る。
さほる
さほ・る〔さほ‐〕【沙穂る】
[動ラ五]授業をサボって、沙穂先生の控え室で過ごすこと。「俺、ダルイから今日の体育―わ」
そんな訳でこんにちは、羽月ゆきなです。
今回は、若林 沙穂先生と一緒に過ごすシナリオとなります。
シナリオの雰囲気などは、これまで公開された『せんせいといっしょ』をご参照下さいませ。
◆舞台は?
主に、寝子島高校・北校舎一階の一角にある沙穂先生の控え室になります。
広さ的には細長い四畳間くらいの広さで、机や応接セット、主に陶芸関係の本などが置かれた棚などがあります。
※寝子島高校の生徒キャラクターさん推奨のシナリオとなりますが、寝子高OBや父兄など、高校の敷地に入ってきてもおかしくない理由を付けられる社会人キャラクターさんも参加可能です。
またOBで、寝子島高校を卒業して3年目までのキャラクターさんの場合は、在学時に沙穂先生の授業を受けた事のある卒業生という設定で訪れてもOKです。
◆どんな事が出来るの?
・さほる
文字通り、授業をサボって沙穂先生の控え室で過ごします。
沙穂先生は大体「しょうがないわね」と言って1時間分は見逃してくれますが、さほる回数が多すぎると心配されたり諭されたりするかも知れません。
・一緒にお昼を食べる
お弁当や購買で買ったパンなどを持ち寄って、お喋りをしながらのランチタイムです。
沙穂先生はお弁当持参で、野菜中心の和風のおかずを作ってきている事が多いようです。
・相談する
休み時間や放課後などに、相談したり悩みを打ち明けたりする事も出来ます。
沙穂先生に解決出来る内容かは分かりませんが、耳を傾けたり、一緒に悩んだりしてくれるでしょう。
※さほって早弁する、お弁当を食べながら相談するなども可能です。
真面目な生徒さんも、不真面目な生徒さんも、お気軽にご参加下さい。
よろしくお願い致します。