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せんせいといっしょ:若林先生編
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●雨の雫にたゆたう想い●
「先生、いるのか?」
「いるわよ。あら、深雪だけじゃないのね」
本来4限目が始まろうという時間に、
霧生 深雪
が控え室を訪ねてきた。
彼の手には白い猫。
「この間譲って貰ったんだ」
と修から譲り受けたサティを紹介した。
「最近、猫のお客さんもよく来るわね」
沙穂先生は和んだ様子で、深雪をソファに勧めた。
「やっぱり体育はダルい?」
「こんな蒸し暑い日に出てられっか! 嫌でも肌晒さなきゃならねえし」
「色白だもんねぇ。女の子は羨ましいでしょうけど、深雪は嬉しくもないか」
「嫌だな、からかわれたりするし」
色白で細身の深雪は容姿の事で揶揄されるのが嫌いなのだろう、眉を顰めつつサティをお腹に抱えてごろりと横になった。
「やっぱり寝不足……」
「少し仮眠したらスッキリするかもね。おやすみなさい」
欠伸を噛み殺す深雪に軽く微笑む先生。
その笑顔を残して、軽くまどろむ。
「みぇ」
「ん? サティはミユが連れて行ったのか」
新聞部の教室で修を待っていた猫は、ミルクだけだった。
とりあえず、室内の様子では二匹とも仲良く静かにしていてくれたようだ。
「4限は体育だって聞いたから……」
サティを連れてサボるなら、と見当はついた。
そのほんの少し前、壁を挟んだくぐもったチャイムの音に、深雪ははっと頭を起こした。
(結構眠ってたんだな…………?)
目を覚まして急に早くなる鼓動。
時計を確認しながら、深雪は自分の頬にある奇妙な感触に気付いて手を遣る。
(涙? やべ……)
ドキリとして、慌てて拭った。
沙穂先生は机に向かっていて、今書類を纏めているところだから見られていない。……多分。
足元で丸くなっていたサティがみゃあと鳴く。
ほっとしながら白猫を抱き上げた。
――夢を見た、幸せな夢だった。
逃げるように単身寝子島へ渡り、置いてきてしまった家族と夢の中ではごく普通に接していた。
深雪のピアノ伴奏に合わせ、彼の弟が歌っていた。
歌声は前に聞いた時より上手くなっていて、曲を楽しむ二人を両親が見守っている――
どうして、今こんな夢を。
「失礼します」
そこでミルクを連れた修が、控え室をノックして入ってきた。
いらっしゃいと声を返す沙穂先生に会釈して、彼はソファに視線を移す。
「やっぱりここにいたのか、深雪」
「……ああ」
朝に会った時とは少し違う陰りのある空気に、修はおやと目を瞬かせる。
「折角だから、先生と一緒に昼ご飯といこうと思って」
あえて触れずに、お弁当の包みを見せた。
一時間弱ぶりに再会したサティとミルクは、お互いの毛を舐め合っている。
「そうか……もう昼休みだもんな。俺も取ってくるよ」
「二人ともどんなお弁当かしら? 楽しみね」
沙穂先生はいつもと変わらない調子で、お弁当を取りにいく深雪を見送った。
今日もローテーブルに並べられた、それぞれのお弁当。
(弁当って感じで良いな)
沙穂先生の彩りよく整いつつも質素なお弁当を見て、修は思った。
「……深雪も作って貰ったやつか」
「家のメイドが作ってくれるんだ。でも、やっぱ母さんの手料理が食べたいな」
味気ないと呟く深雪に、修はなんとなく同意した。
彼のお弁当も、専属の料理人が作ったフランス風のオードブルが華やかに並んでいる。
「豪勢じゃないの」
と先生は言うけれど、本当に食べたいものとはやっぱり違うような気がする。
「食べたいものがあったら、交換しましょうか?」
「そう? 私のは貧相で申し訳ないけど……」
と言いながら、沙穂先生の煮物や卵でとじた魚などを交換して貰う。
美味しいと微笑む先生に頷き、修も煮物を口に運ぶ。
きっと下拵えも手際重視で、プロじゃない、普通の家庭の味。
なのに、味の染み込んだ筍や野菜はしばらくそのまま噛んでいたい味わいだ。
何が違うのかと考えながらふと深雪を見遣ると、彼の方は食べ物をねだる猫たちに応じながらも、何処か上の空だった。
「深雪?」
「……え?」
声を掛けると、何か言ったかというような顔を向けてくる。
「お箸が進んでないみたいだけど、具合でも悪い?」
沙穂先生も少し心配そうだ。
「いや……」
深雪は言い淀んで、何か決めたように話し始めた。
「俺の知人の話なんだけど」
そう切り出した話。
『彼』は中学生の頃、変質者に誘拐された弟を助けようとして相手を思い切りボコボコに殴り倒した。
それ以来、人の身体が傷付いたり骨が折れたりする時の『壊れる音』に心地良さを感じるようになってしまったという。
異常な破壊衝動、後ろめたさ。
家族をも傷付けてしまいかねない事を恐れ、独り離れて暮らす事を選んだと。
「彼は弟に……家族に会いたいと思っているけど、自分に会う資格はないとも感じている。
どうすれば良いんだろうなって……」
深雪はいつの間にか強く箸を握り締めていた。
(俺苦しいよ……)
本当はそれは、深雪自身の事で。
他人の話として打ち明けたら、少しは気も晴れるだろうと思っていたのだけれど……。
「その彼の家族は、とっても良い家族なのね」
沙穂先生は優しげな表情で呟いた。
「もしかしたらだけど、その人はそれまで暴力とか、非情な事とか知らずに穏やかに過ごしてきたのかしら」
だから、急に人を殴ったりして、高揚を覚えてしまったのではと沙穂先生は軽く目を伏せる。
「人間ってね、何処かで何かしら残酷な経験をする時期があるのよ。
大体が子供の頃。アリの巣を潰したり、昆虫を分解したり、カエルを……」
「先生」
段々ちょっと、という例えになってきたので、修が声を掛けると先生は「おっと失礼」と悪戯っぽく笑った。
「まあ、そういう風に悪い事とも思わずにやっちゃう訳ね。
後でそれがどんな事だったか知って、学んでいく訳だけど」
だから彼も大丈夫、と沙穂先生は言い切る。
「怖いのは、自分の力が人を傷付けると理解しているからね。
でも、だからこそ大切な人を傷付けてしまわないように、心掛けていけるんじゃないかしら」
「そうか……」
ぽつりと零す深雪に、彼女は深く頷いてその赤い瞳を見詰める。
「家族に会いに行くのに、資格なんて要らないわ。家族って、他人と違う特別な繋がりがあるものだし……
それにきっと、彼の家族は待ってるんじゃないかしら」
――深雪が帰ってきてくれるのを。
そう言われたような気がして、深雪は思わず沙穂先生の目を見詰め返す。
先生はそれ以上何も言わず、静かに微笑んだままだ。
「先生……」
「ん? 猫たちは何処まで行ったんだ?」
深雪が口を開き掛けたところで、修は若干焦ったように部屋を見回す。
そういえば蒸しているから、扉を少し開けたままだった。
廊下に出て慌てて呼ぶと、連れ立って遊びに出ていた猫たちはしばらくして帰ってきたものの、部室棟まで連れて行く時間があるかと言えば。
「教室に連れて行くか……いや、それは……」
ちらりと修が沙穂先生の方を見遣ると、先生は肩を竦めた。
「仕方ないわね」
「お願いします!」
二人は弁当箱を片付けて、急いで控え室を出るのだった。
急ぎ足で渡り廊下を進む。
両脇がすぐ外のせいか、屋内にいる時よりも雨の音と湿った気配が濃い。
「……芸術家ってのは、制御出来ない感情や矛盾を作品に昇華させるものだろう。
だからミユは何も変じゃない」
「シュウ……」
ぽふぽふと肩を叩く修に、深雪の足は少しゆっくりになる。
彼が他人の話として打ち明けた手前、沙穂先生の前では言えなかった感想だ。
「夏休みに一度会ってみたらどうだ? 向こうの考えも分かるだろうし」
続けた言葉に返答はなかったけれど、何処か複雑で、それでいてほっとしたような深雪の表情を横に眺めながら修は思う。
(俺も両親と会うべきなんだよな)
彼も彼で、抱えているものがある。
深雪への言葉は、そのまま自分への言葉でもあった。
いつか、答えを出さなければならない事かも知れないけれど。
いつの間にか、雨足は弱まっていた。
「修ちゃーん♪」
一階の廊下前でうろうろしていた
真央
が、声を掛けてくる。
「修ちゃん、さほるって知ってるのだ? 真央ちゃんは知らなかったのだ!
新聞部幽霊部員として、是非体験しようと思うのだ!
ねこったーUP期待するのだ!」
「……そういうものじゃないと思うが」
「えっ」
なんとも言えない表情の修の言葉に、真央は笑顔のまま若干怯む。
その間に、深雪は彼らと別れて階段に向かった。
「それより後木、5限の準備があるんじゃないのか?」
「はっ、真央ちゃん次移動しなきゃなのだ!」
思い出したようにぴゅーと教室へ駆け込む真央。
修はやれやれと肩を竦めた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
羽月ゆきな
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月26日
参加申し込みの期限
2013年08月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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