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正午を過ぎた電車内は閑散としていた。二両目の座席にいた
仙藤 蒼
は独特な振動を感じた。電車は寝子島大橋を渡り始めた。
蒼は身体を捩じって背後の窓に目を向ける。
「……私の名前みたい」
海は青かった。陽光の反射によってはガラス細工のような壊れ易さを印象付ける。波間の深い部分は色が濃く、蒼に見えた。
姿勢を戻した。微笑みが笑顔に変わる。瓦屋根の古めかしい駅舎、寝子島駅が左端から滑り込んできた。
蒼は停まる振動と共に立ち上がる。
「帰ってきたよ」
懐かしい島に大きな一歩を踏み出した。
窓を開け放ち、縁側に向かって両脚を伸ばす。上体が後ろに倒れないように両腕で支えた。
仙藤 紫
は微睡むような顔で庭を眺めていた。緩やかな息を吐いた。足の指を前後に動かしてみる。ぼんやりした目は前を向いたままであった。
――昨日までの忙しさが嘘みたいに思えるわ。木天蓼大学の大学院に進んで社会心理学を学び、昨晩に論考を纏めて。学会発表の準備もそろそろしないと。塾講師のバイトまでして、それらから一日だけ解放されて……。
「……今日は何をすれば」
足の指をピンと立てて左右に動かす。
その時、チャイムが鳴った。笑みが浮かぶ。いそいそと玄関に向かった。
「はい、どちら様で、蒼? どうしたの、急に」
「ここは私の実家でもあるんだよ。ふらりと帰ってくることもあるよ。ということで、お姉ちゃん、ただいまー」
「言われてみればそうね。蒼、お帰りなさい。ロサンゼルスは遠いから疲れたでしょう。何か冷たい物でも用意するわ」
「そんなことより、島を見て回ろうよ。二年ぶりだから、色々と変わったりしてると思うんだよね。近況とかは歩きながらでも出来るし」
ゆったりとしたTシャツを着た蒼がにこやかに笑う。パンツルックに相応しい行動力を発揮した。
「運動不足解消の為に歩くのもいいわね。私はワンピースのままで行くわ。日差しが強いから帽子は必要かもしれないわね。蒼も何か被る?」
「昔、使っていた野球帽にしようかな。今でも置いてある?」
「蒼の部屋は触ってないからあると思うわ。少し待っていて」
紫は長い髪を弾ませて部屋を回る。数分後に戻ってきて蒼に野球帽を手渡した。
「どこから回ろうかしら」
「私はどこでもいいよ」
蒼は弾けるような笑顔で言った。
二人は近場にある参道商店街を選んだ。蒼は左右の店舗を見ながら歩く。
「ここは全然、変わってないね。日本らしさが詰まっていて、なんか時間がゆっくり流れているみたいで落ち着くね」
「蒼がそう思うのなら、スペイン出身の彼も連れてくれば良かったのに。今日は来ていないのよね?」
「間が悪いことに旦那は別件でフロリダにいるんだよね。本当は連れてきたかったんだけど」
口にした直後、蒼は目にした和菓子屋に走り寄る。
「みたらし団子を三本ください」
焼き立ての団子を直に店主から受け取った。
その様子を見ていた紫は笑みを浮かべる。
「昔の蒼を思い出すわ……」
「はい、この一本はお姉ちゃんのだよ」
戻ってきた蒼が一本を差し出した。紫は遠慮がちに手に取った。
「お金なら私も持ってきたのに」
「いいって、いいって。こう見えても私は凄腕のプロゲーマーなんだよ。AOIの名で世界を股に掛けて大活躍。賞金も凄いんだからね」
団子を食べながら誇ったように胸を張る。腕白な姿に紫は口元に手を当てて笑った。
「ライバルの彼まで手に入れたのよね」
「賞金に付いてきた副賞みたいな感じだよ」
「豪華な副賞ね」
紫の一言に蒼は頬を染めて笑った。団子を食べながら大股で歩き出す。
「夏のせいだと思うけど、喉が渇いてきた。この先にある駄菓子屋でラムネを買おうよ」
「蒼、その店ならないわよ」
「え、ウソ!」
蒼の声が裏返る。真実を確かめようと足を速めた。紫はあとから追い付いた。
項垂れた蒼の肩に手を置いた。
「店主の腰痛が酷くなって昨年の秋頃かしら。店を閉めてしまって」
「……夏に飲むラムネは最高に美味しかった。掌でパンと叩いて、吹き零れる前に喉に流し込む、あのスリルがよかったのに」
「ラムネ味の缶ジュースならあるわよ」
紫は一つの自動販売機を指差す。蒼は恨めしそうな顔で反応した。
「缶ジュースはスリルがないんだよね。でも、ここは大人らしく妥協をしても、仕方ないね」
「今度は私が払うわ」
紫は先に動いた。自動販売機に手早く硬貨を入れる。
二人はラムネ味の缶ジュースを手に散歩を続けた。
蒼は人混みに目を向ける。親子連れや外人の姿が多く見られた。
「ゆっくりと座って飲みたいね」
「それなら耳福池に行ってみる?」
「涼しそうでいいね」
蒼は明るさを取り戻した。手に持っていた団子を平らげ、近くのゴミ箱に捨てる。紫もあとに続き、食べ終えた串をそっと入れた。
「お姉ちゃん、早く早く」
蒼は小走りで前をゆく。紫は見守るような目で足早に歩いた。
境内に続く石段を上がり、右手の道を通って池に出た。人影はなく、木蔭には木製のベンチが置かれていた。
二人は耳福池を見る形でベンチに腰掛けた。
紫は持っていた缶を開けた。口を付けて軽く傾ける。
「蒼、早く飲まないと温くなるわ」
「スリルを堪能しようかなって」
蒼は握った缶を見詰める。軽く上限に振った。
「そんなことしたら。もしかして瓶のラムネを再現している?」
「その通り」
ニヤリと笑って開けた。溢れる前に口で蓋をした。喉を鳴らして飲んだ。同時に親指を立てて見せる。
紫は笑った。何となく野球帽の上に手を置いて子供にするように摩った。
口を離した蒼は少し頬を膨らませた。
「お姉ちゃん、いくらなんでもそこまで子供じゃないよ」
「何となくね。子供なんて思ってないわ。私よりも先に電撃結婚したのだから」
「勢いは大事だよ。その延長ってことでもないんだけど。実はね」
蒼は照れ笑いを浮かべた。目はしっかりと紫を見ていた。
「なに?」
「私、ママになるの」
「本当に?」
「うん、お医者さんに診て貰ったら三カ月だって」
その告白を受けて紫は蒼の腹部に目を向けた。ゆったりとしたTシャツなので見た目では全くわからなかった。
「おめでとう」
「ありがとう、お姉ちゃん」
蒼は柔らかい笑みを浮かべた。その表情には強い意志も感じられた。
「……本当にママなのね」
紫は一抹の寂しさを感じるような笑みで言った。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
オールジャンル
定員
30人
参加キャラクター数
21人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年04月01日
参加申し込みの期限
2019年04月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年04月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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