未来の寝子島にあなたはいますか？｜リアクション

未来の寝子島にあなたはいますか？

　シーサイドタウンは煌びやかなネオンに彩られた。居酒屋はどこも人で溢れ、相応の賑わいを見せていた。
　宮祀智瑜は会社帰りに鮮魚が評判の店に立ち寄った。カウンター席に座って大ジョッキのビールを豪快に呷る。
　隣にいた桐島義弘は心配そうな目を向ける。
「宮祀、少し飲むペースが早くないか？」
　空になったジョッキをカウンターに叩き付ける。
　智瑜はふらりと揺れるように義弘を見た。
「私は大人ですよ。自分の飲むペースくらい、ちゃんと把握しています」
「そうなのか？」
「優秀な秘書の言葉を疑うのですか」
　智瑜は目を怒らせた。じりじりと顔を寄せる。
「いや、それなら構わない」
　義弘は手前に置かれていたカンパチの刺身を食べ始める。
「まだ話は終わってないのに刺身ですか。おっぱいドリルだけが好きなのですね」
　その言葉に周囲が逸早く反応した。
「……おっぱいドリルって」
「やっぱり、アレのことだよな……」
　赤ら顔の客達の視線は智瑜の胸に向かう。スーツ越しにもわかる、その大きさに圧倒された何人かが会話を中断して魅入った。
　周囲の変化に気付いた義弘は大きな声で返す。
「その話はまた今度にしよう。今は酒を純粋に楽しもうじゃないか」
「急に元気になって、どうしたんですか？　そんなにおっぱいドリルが気になるんですか」
「おっばいドリルで元気って……」
　周囲から似たような囁きが起こる。
「お、もうこんな時間だ」
　わざとらしい声で義弘は席を立った。会計を済ませて智瑜を外に連れ出した。
　外は涼しげな風が吹いていた。智瑜と義弘は並んで歩く。
「気持ちいい夜ですね」
「まあ、そうだな」
「義弘さん、ずっと前から好きでした」
　智瑜の不意打ちに義弘は言葉に詰まる。
「そうか。私は、そうだな。嫌いではない」
「相思相愛ですね」
「あ、いや。嫌いではないが」
　智瑜は義弘に抱き付いた。豊かな胸はひしゃげて上部のボタンが外れた。胸の谷間が露わになった。
「ど、どうしたんだ！？」
「抱き付きたい気分になりました。何か問題でも？」
「それはだな。二人は独身ではあるが、このような人通りのある中で少しはしたないというか」
「人通りがないところなら、いいんですね？」
　夢心地のような顔で智瑜は迫る。
「宮祀、酔っているんじゃないのか」
「ぜーんぜん、酔ってないですよー」
　ふふ、と笑って智瑜は義弘の胸元に頬を押し寄せた。

このページにイラストを設定する

あとがき

担当マスター：黒羽カラス
ファンレターはマスターページから！

　十年後の世界はいかがでしたでしょうか。
　アクションに書かれた部分を活かしつつ、所々を私の想像で補いました。
　それもあって、少し想像した未来像と違うところもあるかもしれません。
　年齢を重ねても、あまり容姿や口調に変化が見られないＰＣさんもいました。
　個性が表れていて、それもまた納得です。

　それぞれが楽しく、活き活きと日々を過ごしていました。
　一つの輝かしい未来に思えました。皆さんのアクションの賜物です。

　ご参加、本当にありがとうございました。

↑ページトップに戻る