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NECO MUSIC FES 1370!
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照り付ける太陽の眩しさに目を細める。空を仰ぐ振りをした視界の端、
五十嵐 尚輝
先生が居る。
――去年のネコフェスでは先生に会えなかったですから
学校にまで先生を迎えに行った口実を思い出して、
御巫 時子
は夏の暑さにではなく頬を赤らめた。
(ちょっと強引すぎたでしょうか……)
でも、先生は誘いに乗ってくれた。それは、
――とても楽しかったですよ
生徒の言葉を信じたためか、それとも、誘ったのが時子であったがためか。
油断すれば胸にぐるぐると渦巻く色んな思いを振り払いたくて、時子は緩く三つ編みに結った黒髪を揺らして尚輝を振り返る。
「移動遊園地もあるんですね」
「ああ、……観覧車ですね……」
時子の視線を追うように栗色の頭をもたげ、尚輝はぽつりと応じた。何日も櫛を通していなさそうな髪が汗で濡れている。
「尚輝先生」
ほとんど住処のようにしている実験室にばかり籠っているのもよくないとばかり連れ出しては来たけれど、先生は楽しんでくれているだろうか。
ふと不安に思う時子の肩を尚輝が軽く抱き寄せる。息を呑む時子の脇をはしゃぐ子供が駆けて行く。
「すみません、……ぶつかるかもと、思って」
「い、いえ、ありがとうございます……」
会場いっぱいに響き渡る音楽に背を押され、騒がしいほど賑わう人込みにはぐれないよう手を繋ぐ。歩くうちに辿りついたのは移動遊園地の観覧車の前。
誘い込まれるようにして立った小さな観覧車を時子は見仰ぐ。シーサイドタウンにある大観覧車も好きだけれど、こちらの観覧車も可愛らしい。それに、小型ではあるものの天辺まで行けば会場を見渡せそうだ。
「尚輝先生、一緒に乗りませんか……?」
構いませんよ、と頷く先生から勇気を貰って観覧車の狭い籠に向かい合って乗り込んだはいいものの、一周めの最後、
「手を取り合って見つめ合ってねー。でないと出られないわよー」
どこからか聞こえた遊園地の女支配人の言葉に時子は目を瞬かせた。さっきのように混んでいる場所ではぐれないように手を繋ぐことはこれまでにもよくあったけれど、
(こんなに、狭い場所で……)
思った途端、頬が熱くなった。
尚輝は女支配人の声が聞こえていなかったかのようにのんびりと窓の外を、空を舞うカモメを眺めている。
「あ、あの……」
「はい」
「手を繋ぎませんか?」
ドキドキする胸を堪えながら手を差し出す。恥ずかしくて俯いてしまいそうな顔を何とか笑ませてみせれば、先生は差し出した手をそっと取ってくれた。そのまま、優しく手を繋げば、自然と目が合った。
火を噴きそうなくらい顔が熱い。先生に聞こえてしまいそうなくらい心臓がうるさい。逃げ出してしまいたいくらい恥ずかしい。でも、
(すごく、嬉しい)
観覧車から解放されて、ふたりは遊園地を出る。途端に賑やかに騒がしくなる周囲に反射的に手を繋いで、時子はふと笑った。
「もう少し籠から出られなくても良かったですね」
「……え?」
「いいえ、何でもありません」
音楽に声をかき消されたまま、時子はまた笑った。
露店でかき氷と飲み物を買い、持って来たシートを観覧スペースに敷く。先生がレンタルパラソルを広げて立ててくれた。
パラソルの影の下、ふたりは並んで座る。
「尚輝先生は去年のネコフェスは見に来られてたんですか?」
もしそうならご一緒したかった、と微笑む時子に、尚輝は首を横に振る。去年は、としばらく記憶を辿った末、
「実験をしていた、と思います」
淡々と頷く。髪に隠れて見えない先生の眼差しを見たくて、時子は先生の顔をそっと覗き込んだ。
(今年は楽しんでいただけたでしょうか?)
尋ねようとした唇を閉ざす。
だって、先生の瞳は楽し気な笑みに彩られている。
内側に星空を張り巡らせた和傘をくるりと回し、
弥逢 遊琳
は昼下がりの砂浜を辿る。
ウッドベースの重低音にトランペットの華やかさが歌う。ピアノの音が紺碧の空へと駆けあがる。賑やかな音楽へ向けていた爪先が、ふと止まった。
(もうすぐ、ではあるのだけれど)
会場の入り口で貰ったパンフレットを確かめる。音楽を専攻する友人達の出番はもうすぐで、本来の予定であれば彼らの目に留まらぬ場所で彼らの音楽を見て居るつもりだった。
(だけど、……)
貫くような日差しを強固に遮る和傘の縁をもたげる。陽の色を深く深く吸い込んだような色した瞳に映るのは、華やぐステージとは別の方向、賑わっていながらもどこかしらひっそりとしても見える、妙な雰囲気の不思議な移動遊園地。
陽の瞳がステージを映す。海を映す。移動遊園地の遊具を映す。幾度か視線を行き来させるうち、鼻先に潮の香が触れた。陽の色が僅か、沈む。
(海は苦手だ)
泳げはする。けれどどうにも潮の香が好きではなかった。とはいえ、友人が演奏するのであれば現地で聞き届けたかった。テレビ中継もされているが、画面越しでは見届けたとは伝わらない。
だから夏空の下に星空を連れてやって来たのだけれど、
(あの遊園地の様なものはなんだろう)
どうしようもなく惹かれてしまった。
行ってみようかと足を向ける。近付くうち、華美なほどに装飾で満たされた遊具や、ハイレグ水着にシルクハットと大胆な衣装の女性と着ぐるみらしい球体関節人形が視界に入り始める。いくらお祭りとは言え、その一角だけが妙に不釣り合いなような、別世界であるような、そんな気がして思わずそっと眉を顰めるも、
(……気がするだけか)
首を緩く首を振る。神経質に過ぎると息を零す。派手な衣装の女支配人からも、顔のない球体関節人形な着ぐるみたちからも、悪意は感じられない。
(別に見て恥じる様な縁も無い)
入り口とされた薔薇の門をくぐる。造花の花の門をくぐった瞬間、波音を圧して鳴り渡っていた音楽がほんの僅か遠くなったように感じた。
ひとり、移動遊園地に迷い込む。造花で飾り立てられた遊具に視線を巡らせる。観覧車に向かいかけた視線を回転木馬へと移す。
(乗った事は無かったね)
幼子のものという印象を抱いていたが故に。
(けれど、いいんだ)
もう選んだのだから。
夢見るような足取りで回転木馬に近づく。球体関節人形に案内され、和傘を蕾んで黒い木馬に乗る。一呼吸後に景色が回り始める。くるりくるりと巡る同じ景色をぼんやりと眺めていて、
「……」
ふと気づけば、すぐ傍らに通い猫の後輩の姿を見た。
夢から覚めたように、小さく息をする。些か驚いて、それだけ。くるりくるりと何処へも行けず巡る景色の中、再び微睡みにも似た感覚に沈む。
(嗚呼、)
微睡みの中に嘆くは、
(困った子だね、『僕』も)
『通い猫の後輩』を幻視してしまった『己』。
(こんな逢瀬を願った筈は無いと云うのに)
傍らで静かに佇むばかりの後輩を見遣る。彼に重なるは舞い散る桜の幻。
「何の為に観覧車を選ばなかったと思っているんだい」
瞼を伏せる。
たとえば。あの時、彼に正しく願って見せることが出来たのなら、目の前の彼は幻では無かったのかもしれない。
(けれど皮肉な事に)
木馬に縋る手を離し、傍らの彼に手を伸ばす。触れることすら出来ぬ彼に、息を吐くことも己に許さず言の葉を紡ぐ。
「先日、魔界から来た三つ首の小犬と出会ってね」
然う、と口開かぬ彼が口を開いたかの如く応じてみせる。
「何れは冥府の番犬になるだろう子達……ふふ、可愛かったよ」
彼に触れられぬ手で、木馬のたてがみに触れる。子犬を撫でるように優しく木馬に触れる。
「彼らの世界も面白そうだった。これまでは星幽塔の十三階層、白の扉の先が一番だと思っていたけれど……」
瞼の裏を過るのは、あの扉の先、墜ちながら見た星の見えない紺碧の空。天秤にかけるは悪魔の遊ぶ魔界。
「魔界に眠るのも悪くはないかもね」
言葉が返って来ない彼に語り掛ける。むしろ、何一つ包み隠さず語れるは返事がないと理解しているからこそか。
「虹色洞窟と呼ばれる所にも入れたけれど、其処はどうにも違った」
くるり、くるりと世界が巡る。何処にも行けないと分かっているからこそ、彼が彼でないと知っているからこそ、夢に彷徨いこむに似て囁ける。
「三つ首の子犬が僕を忘れずに居てくれると良いな」
そして。
「何時か迎えに来てくれたら良いな」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
70人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年03月28日
参加申し込みの期限
2019年04月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年04月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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