this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
NECO MUSIC FES 1370!
<< もどる
1
…
19
20
21
22
23
…
36
つぎへ >>
真白の爪先に熱を帯びた白い砂が絡む。それがただただ気持ち良くて楽しくて数歩進んで、
「ねえレイ」
太陽の光に溶けてしまいそうな雪白の長い髪を潮風に揺らし、
アルレッテ・ザメニス
は傍らに立っている
レイリー・マクティーラ
を振り返った、はずだった。
「ん?」
背後にいたはずのレイリーの姿が消えている。
花の色をした瞳を瞬かせ、首を傾げて、
「そんなにはしゃぐなよ」
人込みに見失うこともなく足早に追いかけて来たレイリーに背中をぽふりと叩かれた。お祭りの人込みにも迷うことなく己を見つけてくれるレイリーに、アルレッテは無邪気に笑う。
「だってレイ、砂がさらさらしていて気持ちがいい」
それに、と人込みの先に延ばす瞳に映るのは、青空よりも青い海。
「海が光って見える」
太陽の光と共、向こうの舞台から聞こえて来る音楽さえも波にきらきらと跳ねさせているようにも見えて、アルレッテは笑みを深める。
「……ここはとてもいい所だね」
ご機嫌で思うままに歩き回ろうとするアルレッテに、レイリーは手にしていた日傘を慌てて差しかける。
「日焼けして後がつらいのはお前なんだから、ちゃんと自分で対策しろよ!?」
月神に仕えていた元神官様は、雪白の髪と血の色の透ける瞳であるがゆえか、ただでさえ太陽の光に弱い。暑がるアルレッテに長袖を着せ掛け、目深に帽子を被せもしたけれど、海にはしゃぎっ放しな元神官様はともすればあっさりと白い肌を太陽の強い光に晒そうとする。
「はーい」
今だって、素直なのは返事ばかり。賑わう舞台とは別の方向に何かを見つけて日傘の影からふらりと飛び出す。
「あーもうしょうがねえな」
黒髪をがしがしと掻き、月神神殿の元護衛は元神官様の後を追った。
(ああ、……)
どこまでも碧く光り輝く海を見つめ、海を臨んで砂浜にそびえたつ白い円環を見上げる。以前、この島が満開の薄紅の花に包まれたとき、別の場所で見たものよりは随分と小型ではあるけれど、蔓薔薇で編み上げたような籠がいくつもつり下げられたそれの名をアルレッテはもう知っている。
(観覧車)
観覧車を見上げて思うのは、
(あの高い、月に近い場所から見たら)
海はもっときれいに違いないということ。
「ねぇレイ、行こうか」
こちらを見ていると疑うこともなくレイリーに声を掛けて、けれど返事はなかった。不思議に思って見遣ってみれば、レイリーはどこか他所に目を奪われている。視線を追いかけて、ぶつかったのは遊園地の入り口らしい薔薇の門の前に立つ、胸元も太腿もあちこちの肌がたくさん露出する衣装の女性。どうやら遊園地の女支配人らしい。
「……レイ? 人の話を聞いていた?」
珍しくぼんやりとして見えるレイリーの手を小さくつねってやる。途端、夢から覚めたようにレイリーは慌てた。
「いや見るだろ!?」
何だか言い訳がましく大きな声で言うレイリーに、アルレッテは心の底から首を捻る。肌を覆う布の範囲が少なくて涼しそうだな、とか、ああでも日焼けすると首筋とかヒリヒリしないかな、とか、そういうことは思うけれど。
「……アルに聞いたのは間違いだった」
すまん、とレイリーは真剣に反省の態を見せる。
「何それ」
「まあまあ、お詫びに好きなヤツにつきあってやっから」
一瞬拗ねた顔を見せても、それが本気でないことは長い付き合いで熟知している。果たしてアルレッテはすぐに白い頬を笑み崩した。
「ふふ、付き合ってくれるなら許してあげよう」
きっといい眺めだよ、とアルレッテが示す観覧車に、レイリーはほんの僅か唇を引き結ぶ。
薄紅の花びらが緋色の空に舞い上がる日に、別の場所で別の観覧車に乗った。そうして不可思議なナニカの力で過去を追体験した。
「いいだろレイ」
おそらくは同じ場所で同じ過去を、アルレッテにとっては息を奪われるほどに辛い過去を思い出したはずなのに、強請って来るアルレッテの声に暗さはない。この声に、元より弱かった。
「あーはいはい、神官様の仰せの通りに」
思うところもあるだろうに軽く承諾してくれるレイリーにアルレッテは静かに微笑む。あの場所で思い出した記憶が胸を過ったのは確かだけれど、
(その先にあったものを考えれば、あれはとてもいい思い出だから)
ねぇレイ、とそっと心に話しかける。
(私はそんなに弱くはないよ)
「レイ、見てごらん」
向き合って座した膝が触れあうほどに狭い籠の中、アルレッテは窓に貼りつく。
「海がすごくきれいだよ」
ああ、と知らず笑みが零れた。やっぱり見立ては正しかった。下で見た時もきれいだったけれど、鳥の視点から見る海は、空の色を色濃く映しこんで地上から見るよりも一層青く澄んで見える。
「宝石のように輝いているよ、レイ」
目をきらきらと輝かせ感嘆の声をあげるアルレッテを見、アルレッテが示す海を見、レイリーは柔らかく微笑む。アルレッテがこれほど喜ぶのであれば、ついてきた甲斐があるというもの。
「そういやアルはほとんど海見たことなかったんだっけか」
「こうやって普段は見れないものをじっくりと見れるのはうれしいね」
窓に額がくっつくほどに顔を寄せて海を見つめるアルレッテの横顔に、レイリーは元神官の置かれていた境遇を思う。
(まあそうだよなぁ、神殿の近くになかったし)
次期神官長と目されていたアルレッテは、日々をほとんど祈りのためだけに捧げていた。神殿より外に出ることすらほぼなかったように思う。
元の世界から放逐され星幽塔に迷い込んで後も、アルレッテは海のある階層には滅多と行かない。おそらく、波のある海でなど泳げないだろうし、もし機会があっても泳がないのではあるまいか。
「さあ、そろそろ地上だ」
「そうだね」
降りるぞ、と言うレイリーにちょっと残念そうな顔をしながらもアルレッテは素直に頷いた。ところが、
「はい残念ー、出られませーん!」
地上で待ち受けていた遊園地の女支配人がもう一周行ってらっしゃいとひらひらと手を振る。籠に閉じ込めれたまま、ふたりは二周目の空の旅に再出発する。
「……はっ!? 何で出られねぇんだ!?」
クソッ、と言葉尻も荒くレイリーは焦る。守るべきアルレッテを易々と危険な目に遭わせてしまった己を責めて歯を食いしばる。
「まあ、もう一周できるのはうれしいし」
だというのに、肝心の神官様は悠々としたもの。ふわりと微笑んでさえみせる。
「レイ、落ち着いて」
「だが、」
「大丈夫、レイがいれば私の安全は約束されたも同然だ」
守るべき対象の何でもない様子に気が抜け、レイリーは今にも窓に体当たりしそうなほど浮かしかけていた腰を椅子に戻した。
「……いや、まあ何があっても守ってやっけど」
呟けば、アルレッテは満足そうに瞳を細めた。そのまま、その瞳を窓の外の海へと向ける。言葉の通りもう一周目を楽しみ始める。
「まあ、お前がいいならいいけどな」
むくれた顔で窓に肘を置き頬杖をついて、レイリーは息を吐く。とはいえ、出られないままというのは頂けない。
(せめてもう一周する前に方法を見つけねえと)
琥珀金の瞳を油断なく周囲に配る。地上で何も知らぬげに遊ぶ人々、遊園地内に佇む球体関節人形の着ぐるみ従業員たちと大胆衣装の女支配人、同じように観覧車の籠に閉じこめられているのかもしれない人々。
地上についた籠から男女が脱出する。その次の籠に乗っていた男女もどこか恥ずかし気な様相で脱け出す。
(……まさか)
彼らが籠から出る前にしていたことが頭の隅を掠め、レイリーは正面で何にも考えてなさそうな表情のアルレッテを見遣る。脱出手段を全て任せきりにしているアルレッテの様子にちょっと八つ当たりのひとつもしたくもなる。
(……いや、絶対にしねえけど)
「アル、」
八つ当たりの代わり、静かに声を掛けてアルレッテの手を取る。祈ることしか知らなかった無垢な手は、祈る以外のことを知った今も変わらず繊細なままだ。
きょとんとするばかりの紅玉の瞳を躊躇うことなく見つめる。
「……これが降りる為の手段なの?」
疑うことを知らぬ純粋な声で訊かれ、遠慮なく見つめ返され、その上握った指を細く柔らかな指の腹で撫でられ、レイリーは妙な照れくささに笑い転げてしまいたいような情けないような、なんとも言えぬ表情になる。
「そうだ」
「ふーん、不思議な手段なんだね」
ぱちりと赤い瞳が瞬きをする。幼子の無邪気さで見つめられ、レイリーはもっと照れた。それを知ってか、アルレッテが小さな笑みを零す。
「こら、アル」
「だってレイ、変な顔」
「お前笑うなよ」
ふたりして見つめ合ったまま笑ってしまいそうになって、アルレッテはまた瞬きをする。大人しく、レイリーの瞳を見つめる。
(いつ見ても)
レイリーの瞳は月のようで太陽のようだ。
透き通る金色に輝きながら、その奥に途方もない熱を封じ込めている。
「綺麗だね」
「あん? そうだな、海、綺麗だよな」
こちらを見つめ脱出条件を満たすことに一生懸命なレイリーに、アルレッテはふわり、笑う。
「うん、綺麗だ」
<< もどる
1
…
19
20
21
22
23
…
36
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
NECO MUSIC FES 1370!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
70人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年03月28日
参加申し込みの期限
2019年04月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年04月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!