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NECO MUSIC FES 1370!
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シーサイドタウン駅で待ち合わせ。
それだけのことで胸が弾んで、
城山 水樹
は黒い瞳を笑みに細めた。それだけのことなのにこんなに嬉しいのは、きっとその相手が彼だからだ。
ネコミュージックフェスティバルが開催されているからか、いつもより人気の多い駅の改札口でちょっと背伸びをしてみる。本土は木天蓼市からこの時間の電車でやってくる恋人を人込みに探す。
そうしながらちらりと思い出すのは、去年の今頃。
(去年のネコフェスは最悪だった)
当時付き合っていた元彼氏の、ネコフェス前夜に別れた元彼氏の顔を思い出しかけて、首を横に振る。二股をかけていた男の顔など、凄絶に失恋させやがった男のことなど、二度と思い出してやるものか。
(……しばらく恋なんかするかって固く決意したのに、ね)
傷心二割、怒り八割くらいで夏を過ごし、秋を眺め、クリスマスにそっぽを向いた。向こうとしていた。まさか強引に参加させられた合コンで運命の人に出会うとは夢にも思っていなかった。
星ヶ丘の高級ホテル、ステッラ・デッラ・コリーナのお見合いパーティで初めて顔を合わせたときのことを思い出しただけで、元彼氏のせいでささくれかけていた胸がふわりと温かく癒された。
(
ヒュー・ヒューバート
)
恋人の名を呼ぶ。それだけで心臓がどきんとする。そんなことは今までになかった。
(ヒュー)
前の彼氏との終わりは自然消滅だったと伝えている。あの酷い顛末はヒューには伝えていない。言えば優しい彼はきっと胸を痛めてしまうだろうし、それに、思い悩むよりさっさと前に進んだ方がいい。
(過去なんかより、大切なのはヒューとの現在だもの)
改札の向こうにヒューが見えた。手を振る水樹の姿を見つけて笑い、足を早める。改札を潜る頃には駆け出し、水樹の前に立つ。視線を合わせて、同時に照れた。
「待った?」
「ううん」
抱き合うように指を絡めて手を繋ぐ。落とした視界に重なる指が入って、水樹はまた照れた。熱を帯びる自分の頬に思わず笑う。視線を上げればヒューと視線が重なって、また頬が熱くなった。
(中学生みたい)
同じくらい頬を赤くしているヒューに思う。もう幾度となく身体を重ねた関係であるのに、未だにこんな調子の初々さ溢れる恋愛模様だ。
寝子ヶ浜海岸に向かう人の波に乗り、ネコフェスのメイン会場へと向かう。歩くだけで汗の流れるほどのうんざりする暑さなのに、繋いだ手は離したくなかった。
時折視線を交わしては笑みあう。指をぎゅっと握っては相手から握り返されて頬を染める。
「暑いね」
「暑いな」
他愛ない会話でさえ愛おしくて、水樹はことことと弾む胸にまた笑った。
太陽の光を煌かせる海の眩しさに瞳を細めながら、熱い砂を踏みしめてステージ前に向かう。行き交う人々の多さにまたふたりで笑い合う。はぐれないよう握りしめた手の力を互いに強める。
「ヒュー、あれ見て」
「うん?」
ステージとは別方向、普段は何もない砂浜にそびえる移動式観覧車を見つけ、水樹は華やいだ声をあげた。
「後で行ってみようか」
「うん、行ってみよう」
一息ついたのは、ステージ前に設けられた観覧スペースの砂浜になんとか自分たちの居場所を確保してからのこと。
好きなアーティストのライブを楽しみ、パンフレットに見た気になるバンドのライブを鑑賞して後、水樹は音楽に合わせて飛び跳ね汗に濡れた顔で屈託なく笑う。興奮のままにヒューの腰にぎゅっと抱き着く。
太陽のように笑う水樹につられ、ヒューは月のように静かに笑み返した。
笑って踊って、少し疲れた後は、ステージ前を離れて屋台巡り。かき氷や炭酸水で火照った身体を冷やし、向かうは水樹が最初から気にしていた移動遊園地。
回転木馬ではお互いの幻を見た。ふたりして幻にどきりとし、その後、本物と顔を合わせて幻以上にどきどきと胸を高鳴らせた。
観覧車では一周めで自然と手を繋いで見つめ合うに至り、案内した女支配人が何故だかしょんぼりした顔をした。
「まあでもこれはこれでいい! かも!」
新たな扉を開いた顔さえ見せる女支配人に満を持した感じで案内されたのは、白薔薇の浮彫がなされた壁に囲まれたミラーメイズ。
「恋人になってどれくらい? 倦怠期とかあった?」
シルクハットの下の目を輝かせ、女子高生のノリで聞いてくる女支配人にヒューが目を白黒させ、
「九か月近くね。倦怠期なんてないない!」
「いいわね、ステキ!」
「あなたは?」
「恋、ってイマイチ分かんなくて。勉強中なんだけど、恋ってイイモノ?」
見た目に反して意外と初心な女支配人の言葉に、水樹は瞬いた。
(ヒューと出会う前なら)
どう答えていたかは分からない。でも、ヒューと出逢えた今なら迷うことなくこう答えられる。
「ええ、もちろん!」
コミュニケーション能力高めな水樹が似たようなノリで応じて女支配人とキャアキャア笑い合う。
「それじゃ、必ずふたりでね」
妙に念を押す女支配人に見送られ、ふたりはミラーメイズに挑む。
入った途端に360度を鏡に囲まれた。振り返ってみても鏡、前を向いても鏡。その何処にもふたりの姿が映り込んでいる。
おへその見えるアースカラーのキャミソールに腰で履くホットパンツ姿の水樹に、オリーブグリーンのシンプルなニット生地シャツに黒スキニー姿のヒュー。
「あっ」
手を繋いで迷路を彷徨いながら、水樹がふと声をあげた。鏡に反響する声に思わず口を押える水樹をヒューは覗き込む。
「どうかした?」
覗き込まれ、水樹は照れくさそうに笑った。キャミソールの服の裾を摘まみ、ヒューの服の裾を摘まむ。
「お揃い」
言ってから、その言葉のあんまりな子どもっぽさに強烈に恥ずかしくなった。頬を真っ赤にして照れ笑いする水樹に、ヒューはどこまでも優しい笑みにグレイの瞳を細める。
(君となら)
ヒューの笑みに、水樹はまた頬を染めた。
(あなたとなら)
胸がぎゅっとするくらい、眩暈を覚えるくらい、ふたりして同時にキュンとして、途端、果てがないくらいどこまでも続いて見えた鏡の迷宮の先、あっけないほど不意に外の光が見えた。
いつ出られるかも分からないくらいの難易度に感じていた迷路の唐突な終わりに、水樹はきょとんとする。ヒューは安堵の息を吐く。
「何とか脱出成功だ」
「行こう、ヒュー!」
歓声を上げる水樹に手を引かれ外へと向かいながら、ヒューはこの後のことに思いを巡らせる。この後はまたライブに戻ろうか。そうしてふたりでまた思い切り盛り上がろう。お腹が空いたら屋台か海の家で食事にしよう。
(海にも入ろう)
ネコフェスデートの計画を立てる折、服の下に水着を着てくることは織り込み済みだ。真昼の太陽の下で海に浮いたり泳いだり、波打ち際で遊んで涼を取ったりしよう。夏の真っただ中、最後の最後までふたりでネコフェスを満喫しよう。
考えるだけで口元が緩むくらいに楽しくて、だからきっと、実際にはもっともっと楽しいのだろうなとヒューは思う。
(叶うなら、)
祈るように思ってから、考えなおす。繋いだ手をもっと強く握る。
「ヒュー?」
出口の間際、振り返って足を緩める水樹をぐいと引き寄せ、ほんの一瞬強く抱きしめる。
「ずっと一緒にいるよ」
小さく囁けば、
「うん、今日はずっと一緒に居よう!」
水樹は夏の花が咲くように鮮やかに笑った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
70人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年03月28日
参加申し込みの期限
2019年04月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年04月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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