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夏の思い出、ください……ゲームショップで
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太陽は傾いているが暑さはとくに緩むこともなくて、とぼとぼと歩く
宇佐見 望月
の背中に、かかる西日は容赦なく厳しい。
「ちくそー」
されど望月はあまり暑さを感じていない。
なんで、赤のサイコニャホが、ゲーム初回限定で、つくんだっつの――。
むしろ、寒い。心が寒い。
氷点下の惑星に独り、取り残されたような気持ち。乗るべき宇宙船は遙か頭上、もう影も形も見えやしない。
誰(たれ)ぞ知る、ほしかったアイテムが手に入らなかった哀しみを。
望月は買い逃したのだ。
まさかこんな素早く売り切れるなんて思わなかった。油断した。ゴール前で昼寝してカメに負けるウサギ以上に甘かった。
その日、ようやく資金が貯まって望月は購入に向かったのである。
当然置いてあると思っていたから、馴染みのZe―petで空振りにあったときは声が漏れた。
大手量販店もアウト。
どこにいっても示し合わせたかのように、『売り切れました』と書かれたボードが無情な白面をさらしていた。
店によっては『再入荷の予定はありません。』などと余計な一言まで添えてあった。
そりゃあ当然だろう、初回限定版なのだから。
やられた……満身創痍だ。オタク心のハートブレイク、入手すべきアイテムを逃したときの悲壮感は、ある意味失恋のそれを上回る。発売日即ダッシュができなかったのは主として購入資金のせいだが、それでも、一ヶ月二ヶ月遅れではない。
それでも望月は行き倒れたりしない。倒れるとしても、せめてラストワンチャンスを試してからにしたい。倒れるなら、いや、『斃れる』なら、その後だ。
着いた。
着いたぞ、『クラン=G』。
ここはプラモとボードゲーム・カードゲームの店だ。いわゆるTVゲームは通常置かない。だから可能性は低い。低いが……たとえ1%でも可能性があればそこに賭けたい。まだ諦めたくない!
水分補給に途上で買ったスポーツドリンク、だいぶぬるくなったその残り半分くらいを滝が逆流するような勢いで一気飲みし、
「たのもー!」
威風堂々、望月はドアを開けたのである!
冷房の強い風がさっと吹きつけ、望月の前髪を凜々と揺らした。
向かうはレジ。
おお今日は店長のオッチャンじゃなくて千絵ちゃんがカウンターか。
幸先いいものと信じたい。勝利の女神っていうくらいだから。女子が店先にいるほうがいいはずだ。
いくつもの店で繰り返したメッセージを、望月ははっきりと、聞き間違いがないように述べた。
「『ニャンダムライデンボルトIF』ってゲームの初回限定版、ありますか!」
「ありますよ」
一秒も待たせずに三佐倉千絵は言った。
「あぁああぁああぁあ……! サイコニャホー!!」
このまま爆発してしまうかも!
ロスタイムで逆転ゴールを決めたフォワードのよう。熱い熱い歓喜の渦に、望月は呑み込まれていた! 許されるのであれば、ここで両膝を床につき、どこかにいるであろう初回限定版の神さまに祈りを捧げたいくらいだ。
振り返って向き直った千絵は、たしかにゲームのパッケージを手にしていたのである。
もちろん、ゲーム本体をはるかに上回るサイズのプラモの箱も!
このプラモが、初回限定版のアイテムであることは言うまでもない。
瞬間、購入したことは言うまでもない。
我慢できずにカウンターでそのまま箱を開けてしまう。
間違いない。今日一日、足を棒にして探し回ったものだ。
パーツを見ただけで完成品のフォルムが頭に浮かぶではないか。勇壮にして機能美に富んだシルエット、ディテールまで来られた武装、神々しい立ち姿が……!
「いやあ……よくぞ売られていた。売られていてくれた……」
血潮の昂ぶりのあまり涙ぐむ望月に対し、千絵はごく冷静に告げた。
「普段はTVゲームは扱いませんが、プラモが付属しているので少量だけ入荷しました。もっとも、売れたのはこれでまだ三つ目ですが」
「駄目だよ千絵ちゃん! もっとポスター貼ったりして宣伝しないとー! ……あ、でもそうしたら速攻売り切れてこの出会いはなかったかもしれないのか」
千絵は否定も肯定もしない口調で、「そうですね」と言っただけだった。アンドロイドみたいな口調だ。まあそれが千絵の魅力と言えないこともないのだが。
プラモデルの箱側面に印刷された完成見本をためつすがめつして、ため息交じりに望月は言う。
「いやあ、もう想像が止まらないなあ……マンガのあのシーンが……ニャホ開発者の恋人から『この戦いを、終わらせてきて』って言われたシーンが……ああ、あん時のドックをそのままジオラマで再現してぇ!!」
「第二部第十九話ですね」
「そうそう……って千絵ちゃん詳しいな! もしかして好きなの!? 『ニャンダムライデンボルト』!?」
「業務に関連する情報ですから」
千絵はやはり、否定も肯定もしない。
「ところで、ジオラマ作りなら開発デッキの背景として使えるシートは三種類あります。スタンダードならすぐに、デラックス以上はあいにく切らしていますがお取り寄せしますか?」
「詳しいな千絵ちゃんマジで! 絶対ライデンボルト好きでしょ!?」
「仕事用の知識です」
なるほどシートのカタログでも見せてもらおうか、と思いかけて、
「いや待てよ」
望月の想像の翼はさらに拡がる。
「ジオラマを組むなら、サイコニャホとニャトラズニャンダムの一騎討ちシーンの再現も捨てがたいな……。夢は膨らむ、膨らむぞうひゃっほーい!」
これを聞くや、またニコリともせず千絵は言ったのである。
「その場面を再現するのでしたら足元に散らすパウダーが必要になりますね。銀と濃い茶色を混合したものがよろしいかと。サンプルをご覧になりますか?」
「千絵ちゃんって……商売熱心だねえ……」
なんというか畏敬の念をもって、望月は顎に手をあてた。
「経営、楽ではないので」
そうは言いながらも妙に、冷静な三佐倉千絵店長代理なのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
ゲーム
定員
10人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年03月20日
参加申し込みの期限
2019年03月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年03月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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