カメラは止めない！　パンツは脱がすな！｜リアクション

カメラは止めない！　パンツは脱がすな！

「御剣、賢者タイムへ突入、と」
「それ、メモする必要あるのかな……？　それにしても、遂に刀くんは小学生をオカズにしてしまったんだね……」
　旅鴉月詠と白真白は衣装とメイクを済ませて自分の出番を待っていた。
「まぁ、絵のインスピレーションになりそうなものは書き留めているだけさ。それが御剣の奇行であろうとも」
「むしろ通常運行……さすがだよね？」
　思わず苦笑し合う２人。

「それにしても、捕まったら……ごにょごにょ、になっちゃうなんて」
　最近趣味のカードゲームにお金を使いすぎて、手っ取り早く即金のバイトを応募した結果がこれである。
　そして白は要綱や説明書の内容をよく読まない性格であった。
「私、脱がされたらいろいろとピンチなんですけど……エキストラっていうから歩いていればいいのかと思ったら、なんか大変なことに……」
　白は昔の事故の後遺症で紙おむつが手放せない。
　勿論、替えのおむつは用意しているのだが、それを映画で公開するのは流石に耐えられない。
　そんな白の事情を知ってか知らずか、旅鴉は自信たっぷりに言い放つ。
「大丈夫だ、この映画はホラーにもポルノにもならないよ」
「どうして？」
　キョトンとする白に旅鴉は告げた。
「私が白を守ってみせるからだ」
「（トゥンク……♪）」
　白の両頬が桜色に染まった。
「というか、私はもとより美術班で協力するという話だったのだがね。まぁいい。面白そうなことは積極的に関わってゆくべきだ。何が芸術のアイデアの種になるか分からないからね？」
「よ、よろしくね、月詠ちゃん！」
　こうして白と旅鴉は共闘関係を結ぶこととなった。