カメラは止めない！　パンツは脱がすな！｜リアクション

カメラは止めない！　パンツは脱がすな！

「流石にこれは酷い！　俺、監督に物申してくる！」
　憤怒の形相で紳士こと冴木竜司は気炎を上げていた。
「新しいパンツの製作の為の資金調達として参加したこのバイト……。だが、女性の美（パンツ）を尊ぶ（変態）紳士である俺には看過できない仕事だった！　こんなの間違っている！！」
　すでにフラグ建設を済ませた状態で冴木は監督へ直談判に臨んだ。
「監督！　可愛い女性達のパンツを無理矢理脱がすようなこの映画……即刻考え直してください！　無理矢理パンツを脱ぎ取ってノーパンにする映画なんて……そんなのただのＢ級のえっちぃだけの映画じゃないですか！　というか、人としてどうかしてますよ！　何よりゾンビ化したらノーパンなんて……女性はともかく男性のノーパン姿なんて誰得なんですか！　何より集まった女性達が可哀想すぎる……せめてゾンビ化した後の彼女達には俺が作ったこの【レインボー葉っぱパンツ】の装着を義務付けてくださいよ……」
「それ、透明な前張りじゃん。もはや下着ですらないじゃん」
「監督！　これはIバックっていう締め付け感の少ない究極のフィット感を実現した新作なんです！　ともかく、俺を説得しようと無駄です……俺はパンツを愛し女性のおっぱいとお尻を愛し、幼女を愛する紳士です……。どのような事を言われても絶対に考えを変えませんよ！」
　冴木はその場に座り込み、頑として動こうとしない。
　だが、監督は怪しく微笑んだ。
　そして、冴木の耳元に何かを囁いたのだった……。

「映画の撮影だぁ！？　刀くんのハレンチ野郎！！　どう聞いても、ポルノの撮影にしか見えないじゃないか！　だいたいB級のお色気シーンは別にいいけど、あれって、チラ見せだぞ！　あからさまにやってたらポルノじゃないか！」
　ここにも憤慨する者がいた。
　桜庭円、その人である。
　御剣刀からＳＮＳで映画撮影の事を知った桜庭は、その内容を知って愕然としていた。
「今から行けば間に合う！　うおぉぉ！　ボクの全筋肉よ躍動しろぉっ！」
　その手にカチドキのオメンを掴み、自転車に跨り撮影現場へ急行する！！

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