カメラは止めない！　パンツは脱がすな！｜リアクション

カメラは止めない！　パンツは脱がすな！

「オメンライダーカチドキ！！！」

　煌々とスポットライトを浴びる謎の仮面少女！
　寝子高生桜庭円とは世を忍ぶ仮の姿！　その正体は、破廉恥野郎の股間の胡桃を割ることを使命とする正義（？）の使者オメンライダーカチドキである！！！

（ばばーーーーん！！！）

「映画の撮影だぁ！？　ハレンチ野郎どう見ても、ポルノの撮影にしか見えないじゃないか！　だいたいB級のお色気シーンは別にいいけど、あれって、チラ見せだぞ！　あからさまにやってたらポルノじゃないか！」
　カチドキは、御剣はじめゾンビたちに人差し指を突きつけその所業を糾弾する！
　その視線の先に、ノーパンで失神した夕鈴の姿を見つけると、カチドキはその瞳の色を怒りに変えた。
「翼……ちゃん……？　こいつはぁ、どえらい事ですぜぇ。いくら何でも犯罪が過ぎるぞ！　幾多の漫画家が引っかかってきた例の法律とかあるだろう！」
　説教するカチドキに、御剣もそっと反省する。
（……たしかに最近多方面で色々とうるさいからな！）
　そうなんだよ！　キミタチ！　ちょいちょいマスタリングしないと書けないじゃんかよーう！！
　おらも大丈夫かどうか不安だよ！
　まあそんなゲームマスターの叫びはどうでもいい。
　カチドキは、胡桃を握りつぶすような仕草をしながら、カメラに向かって、裏声、若干イケボで決め台詞。
「不埒な性欲をコントロール出来ない者たちよ、君達は悪くない、悪いのは性欲、性欲なんだ！　さぁ、まとめて女の子にしてやる！」
　カチドキは御剣の動きを重心や視線等で予測しながら、ゴールデンボールをパカンしにいく！
「性欲よ吹き飛ぶのだ！　とりあえず大抵の事は武力で解決できるよね！」
「胡桃割り（物理）はやめてくれ！！！　股間がキュッとなるじゃないか！」
　御剣は、ゾンビ演技を忘れ、ゴールデンボールを守るためろっこんを使わない最大限の速度で避ける。
　さすがは加速の男、カチドキの攻撃を紙一重で躱すが、それを見て青ざめているのはカメラマンや監督のほうだ。
　カチドキの手がぎゅうっと虚空を握りつぶすたび、まるで自分のゴールデンボールがパカンされている気がして、思わずきゅっと股間を抑えてしまう！
　平気な顔をしているのは、触手ゾンビ朝野、ただ一人！！
「胡桃割り？　そんなの何が怖いの？　女の子たちのノーパンの前に怖いものなど、何もないよ！」
　言い切った！
　そして、ボブは訝しんだ――もとい、カチドキは小首をかしげ、怪しんだ。
　そう言えばゾンビには女子も多い。
「痴女、痴女なのかな？　親が親が泣くぞぉ！」
「親が怖くて触手やってらるか！　胡桃割りのほうがよっぽど痴女だと思うけど？」
「何が痴女だぁ！　正義の味方だ！」
　バチバチと火花を散らして対峙する触手とカチドキ！
　御剣はもう、ハラハラと見守るしかない。
　カチドキは言った。
「仕方ない。こうなったら寝子島書房で見た、寸勁の要領で身体に振動を与えて臓器を揺さぶる技で子宮を揺さぶって、自分の身体の大切さを考えてもらいましょう」
「んっふっふ。そういえばカチドキ、あなたも女の子だね。さあ！　ウェルカム！」
　触手の手を広げる朝野。
　カチドキは掌底を突き出し朝野の下腹部へ突き出す。
　ぶよん！
　謎のぬめる弾力。
「何ィ……！　下半身も、触手、だと……！？　子宮、どこだよ！」
　次の瞬間、カチドキの手は、しゅるるっと吸盤つきの絡め取られる。
「乱入者だけど、カメラは止めないんだよね？　ってことは、パンティ脱がしちゃってもいいんだよね」
　じゅるる。謎の粘液がカチドキの太腿にぺちゃりと掛かる。