富士山登ろう！　夏の林間学校！｜リアクション

富士山登ろう！　夏の林間学校！

【キャンプだよ、全員集合ー！（１）】

　さあ、キャンプです！
　今日からは参加者全員が合流して、本栖湖湖畔のキャンプ場およびその周辺のアクティビティを満喫します。
「ふわ……良く寝ましたわ」
　柳内みことの目覚めは、実にさわやか。ホテルのベッドでぐっすり眠り、気力も体力も全快！
「さあ、全力で遊びますわよ！」
　きちんと身支度を整えて、みことはうきうきと出かけよう、としたところで。
　同じく、ホテルの部屋から現れたのは、御巫時子。
「あら……おはようございます……」
「やあ、いい朝だね」
　そして扉を出たところでばったり、旅鴉月詠ともご挨拶。
「おはようございます。おふたりは、今日はどちらへ？」
「私は、釣りに行こうと思っています……」
「キャンプといえば、やはり食事！　今日の夕食は楽しみにしていたまえ」
「まあ、楽しみですわね♪」
　とはいえ、腹が減ってはなんとやら。
　お楽しみは後にして、三人はひとまずホテルの朝食バイキングを味わうことにしました。

　本栖湖といえば、やはり逆さ富士！　湖面に映りこみ、鏡合わせのように上下に反転した富士山の映像は、きっと誰しも見たことがあるでしょう。
　そんな風景を今、自分自身が目にしていることに、綾辻綾花は感動を禁じ得ません。
「すごい……」
　ふわりと髪を撫でてゆくゆるやかな風は、かすかな水気を帯びています。さわさわとさわやかな水音は、すぐそこです。
　本栖湖のキャンプ場は本日、寝子島高校の貸し切り。早くも生徒たちが、それぞれの遊び場所を目指して出発していくのが見えました。
「……あっ！」
　逆さ富士に見とれていたら、綾花は湖のほとりに、馴染み深いあの顔があることに気づきました。
　さっそく駆け出す綾花。彼は今日も、いっしょに行動してくれるでしょうか？
「さすがに今日は、昼間に原稿はできないよね～」
「まあ、あとは夜の作業で完成できるでしょう」
　ふらりふらり、いささか頼りない足取りでやってきたのは、響タルトとマーガレット・ライカーです。
　ふたりはなんと、徹夜明け。昼夜を問わずがっつり原稿作成に打ち込み、ハッ！　と気づいたときには窓の外に朝日がさんさん、輝いていたのでした。
　とはいえおかげで、完成まであと少しというところまでこぎつけることができました。
「で……どうする？　あそぶ？　それとも」
「……遊ぶ元気、あります？」
「ねむい……」
「ですよね……」
　昇ってゆく太陽のまばゆい光に気圧され、ちょっぴりしおしおなおふたりでありました。