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寝子島高校
富士山登ろう! 夏の林間学校!
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【灯火にさそわれて】
さすがにみんなが寝静まった頃。
「……興奮して眠れませんわね」
柳内 みこと
はこっそりと、テントを抜け出しました。
すう、と息を吸い込めば、自然の中で磨かれた澄み渡る空気が肺を満たしてくれました。
なんて心地の良い夜だろう。みことが昂ってしまうのも、無理はありません。
「だって……こんなにも、星空が素敵ですもの」
まるで今夜は、この月と星たちを、みことのひとりじめ……なあんて、思っていましたら。
「お。眠れないんですかー?」
「あら、こんばんは」
にか、といたずらっぽく笑ってみせたのは、
屋敷野 梢
でありました。
なんだかそわそわとした様子の梢に、みことは怪訝そうな顔を浮かべつつ、
「私は、ええ、眠れなくて。この星空ですもの、なんだか少し、寝てしまうのがもったいなくて」
「あー確かに。分かりますよー。キャンプの真のお楽しみは深夜ですからね!」
こてん、と首を傾けたみことに、梢はちょっぴり苦笑い。
「星が好きなんですかー?」
「そうですわね……こんな夜は特に、空を見上げたくなりますわね」
「そーですねー。まー私は、新月のほうが都合が良かったりするんですが」
「というと……?」
再び、にかっ! 梢は笑い、そしてそれがとびきりの思い付きであるかのように得意げな顔で、みことを誘いました。
「良かったら、私に付き合いますかー?」
湖で泳ぐのも良いですけどね、と彼女はあっけらかん。弾むように歩きながら、なんとも楽しそうに語ります。
「今夜は湿気もベストな状態ですし、これはなかなか期待できそーですねー」
「期待、ですか? 気になりますわね」
「ふふふー。ほら、あれですよ!」
もったいぶって先導する梢が手のひらで指し示したもの。
それは、森に敷かれた遊歩道の脇、夜の暗がりの中へぽつんと佇んでいる、一本の街灯でした。
「山、夜、とくればやることは決まってるでしょー。そう! 灯火採集ですよー!」
みことにも、梢の言わんとすることは伝わったことでしょう。
「これは……虫、ですわね?」
「本当は新月に近いほうが虫たちは寄ってきやすいんですけど、今夜はあいにくただのステキな星空です。でも、ほら!」
灯火採集。なるほど、と思います。
そこでは、街灯のぼんやりとした明かりに惹かれて集まってきた大小さまざまな虫たちが、揃って羽音を奏でておりました。
梢の熱は収まりません。
「山の中にポツンと存在する街灯ときたらこれはもー、走光性の虫たちにとってはとても素晴らしいアレなんですよ。アレ。分かりますー?」
「ええ。なんとなく」
「場所的には、ここだと……ふむふむ。ミヤマクワガタや、アシアカクワガタが多いですかねー? おー、カブトもいますね! あそこの青いのは、ルリボシカミキリですかねー? あれも捕まえたいですねー、あれって外国産のオーラをかもしだしてますけど、実はしっかり国産なんですよー」
止まらない梢の虫語りに、みことがちょっぴり、気圧されてしまったのも確かです。
けれどそんな彼女を見ていたら、こうも思います。
(これほどまでにのめり込めるものがあるのは……本当に、素敵なことですわね)
街灯の向こうにきらめく美しい星たちをみことが眺めるのと同じ瞳で、彼女は虫たちを愛おしそうに見つめているのです。
「……ふふ。灯火に誘われたのは、いったいどちらなのかしら」
「え、なにか言いましたー? あ、虫とかキョーミない感じですかねー?」
「いいえ。あ、ほら、あそこに変わった虫がいますわよ。あれはなんという虫かしら?」
「おお、お目が高いですねー! あの蛾は都会じゃなかなか見られないんですよねー」
夜闇にまたたく無数の星々。それを縫うように飛び交う、小さき生命たち。その営みはとても儚く、それでいて偉大なことのように思えてなりません。
そんな、得難く貴重な夜のひと時でありました。
こうして、林間学校最後の夜はふけてゆきました。
朝、清浄な空気の中で最高の目覚めを経験したなら、帰り支度。彼らはまたいつもの日常へと戻らなければなりません。
けれど、長く険しい富士登山と、山頂で見たご来光の美しさ。自然に触れ、その中にも息づく文化に触れ、自ら体験し……そうして得た貴重な知識と経験は、確実にそれぞれの心のなかへとしまいこまれ、根差し、やがて磨かれてゆくのでしょう。
山を下りるみんなの表情は清々しく、活き活きとしています。そうして時に後ろを振り返り、どっしりとそびえる富士山の威容を見つめて思うのかもしれません。
またいつか、と。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。
『林間学校』のリアクションをお届けいたします。
大人になり、今にして思うのは、もっといろんなところに行っておけば良かったな。いろんな経験をしておけば良かったな……ということです。
いろいろありますけれど、山に登るなんていうのは、その最たるもののひとつかもしれません。
いえまあ、もちろん今からでも登ることはできますけれど。やっぱり、子どもの頃や学生時代にそうした体験から受ける影響というのは、計り知れないものがありますよね。
すこぶるインドア派だった私も、もう少しアウトドアな趣味を持っていたら、人生変わってたのかもしれませんね。
さて、そんな素敵体験がてんこもりな一大イベントということで、今回は林間学校を担当させていただきました。
勇ましく鎮座する富士山へ果敢にも挑んだ皆さんは、確かに心の中へなにかを持ち帰ったことと思います。
またその周辺での観光は、観光といえども深く心に残る記憶となったのではないでしょうか。
そんなふうに、このお話が皆さまの大切な思い出のひとつとなりましたら、幸いです。
それでは、今回もご参加いただきましてありがとうございました!
また次の機会にもお目にかかれますことを、心よりお待ちしております~。
お疲れさまでしたー!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
26人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年03月13日
参加申し込みの期限
2019年03月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年03月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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