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海の家『みなとねこ』の一日 《夏本番編》
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未練がましく光の腕を伸ばしていた陽が沈む。僅かに残っていた光の色が絶え、夜空よりも昏い闇が海を満たす。
僅かな月の光では照らし切れぬ海の暗さに、知らず背筋が凍った。
(肝試しというか)
秘密の逢瀬だ、と相棒には言ったけれど。
――幽霊だとか
後片付けの手伝いに残った幽の言葉が胸に蘇る。
暗闇を湛える海に視線が引きずり込まれる。逸らそうとして、出来なかった。光さえ呑みこむ波の最中に浮かんでいるのは、もしかすると己が邂逅を願う彼とは違うのかもしれない。ひとを自らと同じ水の底に捕えようとするナニカなのかもしれない。であれば、幽霊に会いに行こうなどと、
(自分で言って正気じゃない)
ともすれば震えてしまいそうな足を何でもない風に装っているのは、ただの意地だ。だって後ろにはこんが居る。こんの『肝試し』に付き添って来た人々がいる。
(だが、……)
幽霊の特徴を聞いて、行かなければならない気がした。
(蒼い髪の、少年)
噂の『幽霊』が、もしも以前、あの水の底の世界で出会った少年であるのならば。
――寂しくなったら呼べばいい
あの日、彼にそう伝えたのは、
(俺だ)
己の他にも彼を気遣う人間が居るのは知っている。あの時行動を共にした人々も、きっと噂を耳にして月夜の海を訪れている。だからもしかすると『彼』は寂しくはないのかもしれない。それでも、
(行ってみなければ)
暗闇の海を見据える。こんなにも暗い海の底に蹲っているかもしれない『彼』を思う。海を見つめ、月の光を星屑のように煌かせる波打ち際へと視線を移す。この海岸の何処に『彼』が佇んでいるのか探していて、
「……ん」
波の寄せる砂浜に見つけたのは蒼い髪の少年ではなく、
「志波」
眼鏡越しの栗色の瞳を海へと向ける一学年年上の友人。
「あっ、悠月くんだ! ヤッホーウ!」
ひらひらと軽やかに手を振って見せる
志波 武道
の隣に悠月は立った。
「夜の海は神秘的だね!」
「……そうか」
己とは違う目線で夜の海を眺める武道の横顔を見上げ、
「志波もあの噂を聞いたのか」
あの場を同じくした武道に問う。
「うん、もしかしたらと思って」
手土産、と色とりどりの星のような金平糖の入った小瓶を片手に振って見せて、武道は海に向けて元気な声を張った。
「こーんばーんはー!」
武道の快活な声に、月夜の海岸を手を繋いで散歩していた理緒と紗月が少し驚いたような視線を向ける。
「驚かせちゃった?」
屈託なく詫びようとして気づいた。彼女たちの視線は己ではなく、その少し向こうの海に向けられている。驚いたような怖じたような視線を辿れば、月の色に染まる波を白い足に洗わせ、十に満たないほどの少年が波打ち際に立っていた。
海の底よりも深い蒼の色した髪を潮風に揺らし、明るい碧の瞳を人懐っこく笑ませ、少年は声を弾ませる。
「ねえ、遊ぼう!」
「……ユニ」
ぽつり、悠月が呟く。
もしかしたら、が的中していて、武道は破顔する。
「もちろんいいよ、そのために来たからね!」
足元が水に濡れるのも構わずユニの傍に向かう武道の後、こんと手を繋いだ佑都が続く。顔見知りであるのか笑顔を見せあうこんと蒼い髪の少年を交互に見つめてから、佑都は腰を屈めた。少年と視線の高さを合わせる。
「君がユニ君?」
「兄ちゃん、おれを知ってるの?」
ちらりと首を傾げてから、ユニは佑都の瞳をまじまじと覗き込んだ。そうしてから確かめるように手を伸ばす。
少年の唇から零れたのは、佑都の姉の名。
「君の事は姉から聴いている」
冷たい掌で頬に触れられ、佑都は笑った。
「君と出逢えて、一緒に遊べてとても嬉しかったと言っていたよ」
佑都の言葉に、少年は顔をくしゃくしゃにして笑った。おれも、と少し掠れた声で頷く少年の肩を軽く叩き、佑都は自分の名を告げる。
「ユニ、元気にしていたかい」
「修」
以前助力を得た修からも声を掛けられ、ユニは返事の代わりにその場で跳ねた。月の光に水珠を幾度となく跳ね上げ、膝のあたりまで水につかる。かと思えば波打ち際に戻って来て修の手を取る。はしゃぐ少年の様子が嬉しくて、修は思わずユニの頭を撫でた。
「また会えて嬉しいよ、ユニ」
くすぐったそうに笑う少年の身を確かめる。噂では、海底で巨大な蛟を見たという。であれば、少年の姿の今の彼は、
「その姿は分身体かな」
「最近やっとかたち作れるようになったんだ」
ちょっぴり得意げに胸を張ってから、ユニは難しそうな顔をする。
「でもまだ不完全なんだ。だから本体からそんなに遠くは離れられない」
「そうなのか」
修は納得する。だから『蒼い髪の幽霊』の噂はこの海岸限定であったのだ、と。
(……可能であれば)
海の家にユニを連れて行きたかった。『みなとねこ』のごはんをご馳走してやりたかった。みんなでご飯を食べたかった。そうして、こんだけでなく、夕達にもユニを引き合わせたかった。
――島には色々いる
以前ユニに言った言葉を思うがゆえに、修はほんの少し睫毛を伏せる。ユニと同じく別の世界から寝子島に移り住んだ夕と日暮と会えば、もしかしたら共感めいた繋がりもできるかもしれないと思っていた。きっと友達になれると考えていた。
(砂浜で花火とかも楽しそうだと思ったのだけれど)
「時間は大丈夫かい?」
今はまだ海から離れられないユニに、修は努めて明朗に話しかける。此処から離れられずとも、共に時間を過ごす方法はたくさんある。
「遊ぼう、ユニ」
「うん、遊ぼう!」
修に頷き、ユニは砂浜に立つ夏朝や理緒と紗月にも遊ぼう遊ぼうと声を掛ける。
「いいよ」
友人たちの様子をつぶさに、夏朝は肯う。修や悠月の少年に対する様子から見ても、彼が寝子島のフツウを壊す存在ではないことは確か。その上で、自分の目で見て判断がしたかった。
「……え、あの、……」
見知らぬ奇妙な少年の誘いに引っ込み思案な紗月は警戒を示すも、
「うん、遊ぼう遊ぼう!」
好奇心に駆られた理緒は力いっぱい頷く。紗月の手を引き、跳ねるような足取りで夜の海に飛び込む。
「きゃ……?!」
理緒の手で夜の海へと引っ張りこまれ、紗月は思わず息を詰める。詰めて詰めて息を吐いて、
「え……?」
水の中にあって息ができること、言葉が発せられることに目を瞠った。頭の先から爪先まで海中に沈んで、浮かび上がることなく吸い込まれるように水底へと引き込まれて行きながら、紗月は瞬く。水が折り重なれば光は失われるはずなのに、月明りは太陽よりも微かなはずなのに、この水の中はまるで光の中にいるかのよう。鮮やかに碧い水には瑠璃色の魚が泳ぎ、白砂の水底には紅色珊瑚さえ見える。
(これは、……)
あの少年の見せる幻なのだろうか。
そう考えたのも束の間、
「紗月!」
恋人に名を呼ばれ、水中に手と腰を引き寄せられればふわりと胸が弾んだ。
「水中デート、ってとこかな?」
くすくすと笑みを弾ませる理緒を見つめ、紗月は周囲を素早く見回す。一緒に海中に入った誰も彼もが、水底の世界に視線を奪われている。
「理緒ちゃん」
人目を盗んで、紗月は理緒にキスをした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年02月26日
参加申し込みの期限
2019年03月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年03月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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