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夜闇にあかく、ほおずき市
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ほおずき市は、寝子島にとって神社で行われるお祭りの一つ。
立ち止まった
ベルラ・ガーネブラッディ
の元へ、祭り囃子の太鼓と風鈴の音が軽やかに通り過ぎていく。
「祭り……か。賑やかなもんだ」
何気なく寝子島に誘われるように星幽塔から降りたベルラの服装は、厚手の生地で仕立てられたメンズブラウスとジーンズ。通り過ぎている祭りの客には浴衣を着た人物も多く、ふと以前の祭りで
アケーチ・タッマーキ
に着付けてもらった浴衣が思い起こされた。
「おや、ベルラさん!
ベルラさんもほおずき市にいらしてたのですね!」
──その瞬間、何処を見るでも無く、眩いライトの向こうにある夜空を見上げていたベルラに声が掛かった。
「……アケーチ」
思いにふけていた相手と出会う。
その偶然は、本来ならば、とても魅力的なものだろうが──
「ちょうど仕事も終わりました。
これからは完全に自由な時間です。ふふ……!」
「そりゃ良かった。その様子なら仕事も楽しかったようで何よりだ」
「ふふっ……お恥ずかしい話ですが、ベルラさんには何でもお見通しですね……
実は丁度、ほおずき市では、少し珍しいほおずきのお酒が出回っているようで……」
アケーチが楽しげながらも神秘的な微笑を浮かべる。
「これから少し、そちらを是非嗜んでみたいと思うのですが……ベルラさんも是非ご一緒に如何でしょうか?」
「──そりゃあ悪くないな。御相伴に預かろうとするかね」
「はい……っ!」
応の言葉に、宝石を思わせるアケーチの紫の瞳が、その喜びに嬉々とした様子で輝いた。
──だが、ベルラは思う。
偶然出会ったその瞬間も、こうして酒を飲み交わそうとする現実も。
その純粋な紫の瞳に、今ではない『時の向こうの影を重ねて逃れられない』今の己には、少し酷ではなかったかと。
「やっぱり、お祭りは夜の方が賑やかっすね~!」
昼間から元気にこなしてきたアルバイトを終えて、
紗雪 幽
は改めて見渡せばがらりと色が変えていたほおずき市を目に、素直な感嘆を口にした。
「灯りが綺麗だなぁ」
屋台を照らすライトが強く、今置かれているほおずきが橙色の宝石と見間違えるほどに煌めいている。
幽は自分の手元を確認した。
売り子も終わったし、ほおずきも買った。お土産に部屋のインテリアになるであろう綺麗な簪もある。
だが、祭りの雰囲気は幽を引っ張るようにその心を誘ってやまない。
「折角だし夜のほおずき市も楽しまなくっちゃねー。
露店でも見て回るかー」
夜の屋台も、休憩時間に見た時とは色が違う。
幽はわくわくしながら、夜の散策を開始した。
さっそく目に入るのは、竹ひごに一つだけついた風変わりな布で出来たほおずき細工と……狐面を被った店の店主。
僅かに、その光景が幽の感覚をくすぐった。なじみ深い、気配がした。
「お。お兄さん……いや、おじさん?
その狐面超イカしますね!」
「ああ、良いだろう? 自慢の面だからなぁ」
聞こえて来たのは、若くもなくかといって壮年と言うほどでもない、不思議なまでに特徴のない男性の声。
「ここは何を売ってるんすか?」
「縮緬細工ってのを扱ってるんだ。縮れた布で作ったほおずきだ。いいだろ? 一個良かったらどうだい?」
幽の目を惹く。可愛い細工は沢山あるのに、沢山置かれた竹ひごに付けられた一個の朱紅をしたほおずき細工。
「へえ、ちりめん細工っすか~可愛いっすね!
じゃあ、これ一個下さーい!」
「お、お目が高いねぇ。それならタダにしてやるから、少し話を聞いちゃくれねぇか」
突然の狐面を外さない店主からの提案。幽は揃いも揃ったその怪しい雰囲気に心が一気に沸き立った。
幽が知る、馴染み深いその不可思議な世界は、いつもこうして日常に隠れながら、そっとこちらを手招きするように訪れるのだ──
「まずは腹ごしらえに。夕食も兼ねていますから」
吉住 志桜里
は
卵城 秘月
を伴って、食べ物を扱っている屋台を、じっくりと興味で光る瞳で見据えてそう宣言した。
まずはたこ焼き。せっかくの祭りの夜店に食べ物は山とある。大玉六個入りのたこ焼きを秘月と半分の三個ずつで分け合いながら、次の食べ物屋を物色するという形式で何となく方針が決定し、二人は食べ物屋を手当たり次第にガンガンと攻めていった。
「クレープも魅力的ですね」
「チョコクリームとバニラクリーム、どちらにするか悩むところかな」
「そんなら半分ずつ食べて交換致しましょう」
日常から運動を主軸にして過ごす志桜里と秘月にとって、食べ物で体重増加という乙女の悩みのテンプレートは存在しない。むしろ全てが身体を健全に動かす為のエネルギー源へと変換されていくのだ。
「かき氷のレモン味もなかなか」
「秘月、一口どうぞ」
志桜里が自分が注文したイチゴ味のかき氷から、一口分取ったスプーンの先を、にこにこしながら秘月に差し出した。
普段より楽しんでいるのか、志桜里の行動が一際アクティブな気がする……秘月は少し戸惑いつつも向けられたスプーンの先に乗る赤色の氷を見て、少し悩んでから頷いた。
「……でも、王道のイチゴ味も悪くないね」
そう言いながら、あーんと口を開いてそれを食べようとした瞬間。
志桜里はそのスプーンをとって返して、乗っていた氷を自分の口の中にぱくっと放り込んだ。
当然、食べるつもりで閉じた秘月の口の中には何も無い……
秘月が呆気に取られる中、にこにこしていた志桜里の表情に、小さくも、とても楽しそうな笑い声が添えられ始める。
「……志桜里君。君、いつもより明らかにはしゃいでいるね」
「まあ『楽しきことは美しきかな』とも言いますし」
「『仲良きことは美しきかな』じゃなかったかな」
「なら一際、今は良いことではないですか」
「──それは考えなかった。確かにそれもそうだね」
ふわふわなくらいで形にならない事実だが、言外に、今はその両方がこの場に成立している事を再確認し。志桜里の言葉に、秘月は納得したように頷いた。
参道にも、その全体の賑やかさ故に人の波がある。丁度、
神嶋 征一郎
が正視したその参道は、流れが滞った人々でごった返していた。
個々の話し声は騒々しいざわめきになり、ここに来るまでには聞こえていた、風情を鳴らす風鈴の音まで聞こえない。
「こんなに人が多いとは聞いてねぇ」
静謐を好む征一郎にとって、これがどれだけ論外な状況であるか。しかも、この人混みのせいもあり肝心のほおずきもよく見えず、その心には不快極まりないという感情が、ありありと浮き彫りにされていた。
だが、ここを抜ければ少しは人も減るだろうと心を決めた征一郎に対して──背後にいる
御庭 凪糸
は、まずその人混みに気付けなかった。
(まっすぐ歩けるし、まあ余程のことが無ければー……)
見えていたのは征一郎の背中のみ。そんな凪糸の視界は、一瞬にして道筋を割り込まれるような人の波に飲み込まれた。
「──!?」
一秒と経たずに、黒の波に飲み込まれて征一郎の背中が遠くなる。
それは、本当に突然の出来事だった。混乱した凪糸は、征一郎へ声を上げるよりも早く。はぐれそうになった焦りから咄嗟に征一郎の服の裾に手を伸ばし、その端を強く掴んだのだ。
「……っ!?」
人混みの真ん中で、後ろに引っ張られるように征一郎が足を止める。
「っごめん!」
本当に無意識でののことだった。それこそ、ここで少しはぐれても広い場所ではない。人混みの先で合流すれば良いだけの話だったのに。
(何やってるんだオレ──! 急いで、急いで手離さないと)
しかし、凪糸が狼狽えている間にも人は動く。
そして、凪糸の手が離れたのは人波が消え去った後のことだった。
「おい……」
「は、はは……つい、掴みたくなったんだよね!?」
人波が嘘のように引いた後で、振り向きざまから突き刺さり続ける征一郎の視線に、半ば自棄気味に凪糸が返す。
凪糸は、振り返れば振り返るほど、心の底から顔を覆いたい思いに駆られた。
あれを、よりにもよって二歳も年の離れた相手にやったのかと思うと……
(あちゃー……)
心に浮かぶ言葉は軽いが、心に受けた思いは切実だった。
空のない空間に空気の泡が浮き上がるように、胸が苦しくなってくる。
恥ずかしさだけではない。本当に何をやっているのだろうと思う都度──その息苦しさが、風邪のぶり返しでは済まないほどに、凪糸の思考と呼吸を圧迫していった。
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3人まで
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ホラー
バトル
NPC交流
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年02月23日
参加申し込みの期限
2019年03月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年03月02日 11時00分
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