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夜闇にあかく、ほおずき市
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太陽が落ちると、ほおずき市は、これからが更に見せ場と言わんばかりに売り場の屋台に明かりを灯す。昼から共にいた
八神 修
と
七夜 あおい
は、今まさにその中を歩いていた。
「わぁ……素敵! 夜までいて良かったかも」
「ああ、そうだな」
その中で、ふと。
「あれ、あんな店あっただろうか……?」
そこに、修は見覚えのない縮緬細工屋を目に留めた。
「いらっしゃい」
「うん! この竹ひごの先についているほおずき、可愛いかも」
修はそんなあおいをじっと見つめて、
「ああ、可愛いね」
「え? えっ?」
「あ、いや。縮緬細工のことだよ。
いくら俺でも、そんな歯の浮くような台詞は……」
「あ……! あ、うんっ。
そうだよね! そうだと思った!」
動揺の中に、少し頬を赤くしていたあおいの顔を見て『実はあおいのことだ』と口に出来なかった事を、修は少しだけ胸の奥底で後悔をしたものの。
あおいが気に入った様子で見つめていた竹ひごのほおずきを、せっかくだからと二つ一緒に手に入れた。
金額を聞けば、お代は取っていないのだと、何とも不思議なことを耳にした。
二人が首を傾げる中を店主が告げる。
「その竹ひごのほおずきについてなんだが、暇つぶし程度にこちらの事情を聞いていっちゃくれまいか」
「アヤカ、そう言えばここで売っているほおずきとはどんな物なんだ? 見ている限り植物らしいとは思うんだが」
屋台では、いぬねこの国のお祭りで置かれるようなししゃもの串焼きこそないものの、串物の軽食を片手に
綾辻 綾花
に
シリウス・グラン
が問い掛ける。
「ほおずきは、赤い実がなるナス科の植物で、今の時期がちょうど実をつける頃なんですよ。
食用のほおずきも食べた事ありますが、美味しかったです」
「なるほど、今が旬というやつであるか。機会があれば是非食してみたいものであるな」
「食用のほおずきも売ってるかも知れません。探しましょうか」
そうして、しばらくほおずきの屋台を見て回る中、どこからともなく軽やかな硝子を鳴らす音が響いた。
「あやか、今の音は何であるか?」
「ああ、あれは風鈴と言って──」
綾花が辺りを見渡し、一つの屋台を指差すと、そこには紅でほおずきが描かれた風鈴が、軽やかな音を立てていた。
「──風によって音が変わる夏の風物詩で、あの見た目と音で夏を感じるんです」
「なるほどな、これは音を聞いているだけでも涼しくなれそうだ。国に広め──る事は、もう出来ないが、率先して入手して見せびらかすことにしよう」
そう言うシリウスの瞳の輝きに、綾花は困ったように微笑みながらも、お金の用意が間に合わなかった異界の二人の為に風鈴を二つ購入して手渡した。
「たぶん星幽塔やいぬねこの国に持って行っても変わらないと思います。
風鈴付きのほおずきの鉢もありますよ」
「そうであるか、それならばそちらも見て回ることにしよう」
綾花の財布がしくりと痛む。高校生の財政的に今日は厳しい出費となりそうだが、この二人の思い出の為ならばと、綾花は頑張って乗り越えられる金額を用意してきた。
後はお土産になるほおずき探し。
ようくん・しょうそ
とシリウスはつい興味が先立つ為かふらふらしがちで、綾花は手を繋いでいて良かったと安堵の息をついた。
「は……? 幽霊──?」
竹ひごの先についた縮緬細工のほおずきが並ぶ、照明も明るい夜の屋台。
オルカ・ヴィヴァルディ
と共に屋台を歩き、そこの店主である狐面の主人に話を聞いた
獅子目 悠月
は、その端麗な頬を盛大に引き攣らせそうになったのを慌てて抑えた。
幽霊──悠月は元々にして、理路と良識に思考の比重を置く常識人である。しかしその分『死んでいるか生きているかも分からない幽霊』等、その理不尽さには堪え難いものがあった。
「……悠月、大丈夫?」
「当然だ。問題無い」
隣で思わず張り詰めた緊張感。そっと声を掛けたオルカに対して、悠月は違和感を感じるほどに早く言葉を返す。
「──それで、この竹ひごのほおずきに幽霊を収めてきてほしくてな。なに、これを持っていれば幽霊と会話も出来るし触ることも出来る」
「……この細工を持っていれば殴れるなら、大丈夫だ」
店主の話を聞き、竹ひごを受け取った悠月の表情が、先の思い詰めたような無表情から強いものへと変化する。
(虚勢を張ってるけど……悠月ってホントにわかりやすいよね)
オルカから見れば、先程のも怖がっている様子は、ひしと伝わってきた。しかし、はっきりと指摘をすれば、悠月からは威を交えた否定しか返って来なかっただろう。
それならばと、悠月の隣でオルカも竹ひごのほおずきに手を伸ばす。
「それなら、俺も竹ひご持っておこうかな。何をするにしても、対処が大いに越した事はないからね~」
幽霊が徘徊しているという事実は変わらない。ならば、何かしらの対処が出来るに越した事はないと判断し、二人はその場を離れることにした。
「では、さっそく幽霊さんを探しに行きましょうー」
薄野 五月
と
畑中 華菜子
、そして
瞬城 真魚
の三人は、試しに当てずっぽうながらも幽霊は人気の少ない場ではと判断し、祭りから少し離れた本殿の方へ足を向けていた。
「でも、どうやって幽霊さん探せばいいアルかな」
「幽霊アンテナがある訳でもなし、地道に探すしかないんじゃない?」
「とりあえず歩いて探すアルか? 悩むアルネ」
三人は軽く言葉を交わしつつ、竹ひごの先についたほおずきを片手に持ちながら、試しに境内をぐるぐると見て回ってみる。
今のところ、収穫は無し。
「思いの外やっかいね。探せと言われてもどうしたものやら──ん?」
真魚の瞳の先に、白くぼんやりとした影が見えた気がした。
「あれは……? って何か包丁持っている人が──」
「あっ本当です、あそこに包丁を持った方と……わんこ!
わ、わんこさんはちょっと苦手ですが小さいから、へ、平気です……よ……?」
視線からそんなに離れていない先──否、先程より明らかに近づいてきている先。そこには、包丁を持った幽霊の模範のように、脚を半透明にした年配の老人と……ふかふかの毛をしたポメラニアンの姿があった。
五月は犬が大の苦手である。大型犬ならば絶望的だが、相手の飼い犬らしき存在は小型犬……唯一の救い、何とかなりそうかと五月が気を取り直す。
「あの……」
勇気を出して、華菜子と五月が包丁を持ち無言で佇む幽霊に声を掛けて足を向けた。瞬間、
「あ、危ないアル!!」
激しく甲高い犬の鳴き声と共に、包丁が五月の方へと向けられたまま、幽霊が走り込むような勢いで駆け込んで来た。
「二人とも危ない!!」
とっさに真魚が、男と五月との間に割って入って、向けられていた包丁を肘で腕ごと弾き飛ばした。
包丁こそ手放さなかったが、人は身体の内側から外側への攻撃反動に弱く、年配の老人と判明した幽霊の攻撃はあっという間に大幅に逸れた。
(第二撃、来る!)
思わず硬直してしまったままの五月をかばい、今度は確実な無力化を狙うべく、真魚が相手の反応を目にした瞬間。
包丁を持った幽霊は、キャンキャンと吠え続けていた犬と共に突如喧噪のする方へと走り、そしてその姿を消した。
祭りの喧噪と静寂が混じり合う。緊張そのままに、真魚はしばらく辺りを警戒していたが、襲撃がないのを確認すると、ゆっくりと息を落とした。
「ひとまずは……ってところね。
二人とも怪我はない!?」
真魚が振り向いて五月と華菜子の姿を確認すれば、二人は同時にこくこくと頷いた。
「びっくりしましたー……」
「ひ、人の多いところに行ったアル! 捕まえないと他の人が危ないアル!」
確かに軽く声を掛けただけで襲い掛かって来た幽霊だ。放置すれば、明確な被害者が出てしまう可能性が高いのは誰であろうと容易に想像がつく。
「追い掛けなきゃ!」
持っている包丁が、本当に見た目相応に相手に怪我をさせるものであれば、それは当然看過出来るものではない。
三人は、互いに頷き合うと、一気にその場を離れて老人と犬が消えた方角へと走り出した。
夜が落ちて、時間としては遅くなってきたが、今日は帰宅が遅くなっても大丈夫な日。
タイラ・トラントゥール
は、屋台の一角に『ほおずき笛』を作っている所を目に留めた。明るい照明の下で、萼部分の皮が剥かれ夕焼けよりも真っ赤な果実が露わになっているのがとても眩しかった。
「よおっ、ぼっちゃん! 綺麗だろう? せっかくだから『ほおずき笛』を作っていかないか」
「申し訳ないが、そんなに時間は──」
「それなら、記念にほおずきの実だけでも買ってきな! 作り方ならこの紙に書いてあるから、これもつけてやるよ。
これで、種を出すのにもコツがあって、奥深いんだぜ?」
そうして、気が付けば、タイラは混じり気のない赤々とした実を手にして、喧噪から少し離れた人通りの少ない道を歩いていた。
通りには、目に留まる綺麗な縮緬細工も売られていたが、その狐面の店主に底知れぬを不気味な物を感じて、タイラはそれを見なかった事にした。
道を歩きながら、その実を手慰みに揉んでみる。潰れる訳ではなく不思議な触感を伝えている赤は、まるで手の中にある太陽のようで。そこにタイラは今日こそいないが、今は当然として自分の隣に立つ存在のことを思い浮かべた。
(……)
振り返るのはほんの最近。ライバルで、掛けがえのない友として、相手を目の前にして渾身の想いを込めて『一緒に居たい』と、叩き付けるように願いを口にした。
相手とのギアバトルでの対戦も、遊ぶのも。今では心の底から楽しめる。他の人間とは共有出来ない。それは相手とだけの特別な時間だった。
(いつまでも……続けば、いいのに)
──いつまでも、続けばいいと思っている。相手の大切さを感じてからは至上の願いとして、それはそこにある。
だが、タイラの心には闇がある。現実に、その願いを破壊しかねない存在がいる事への、どうしようもない不安と絶望と恐怖が入り交じっている。
──タイラは知っていた。自分の何よりも確固であって欲しい至上の願いは、その存在の前には、ただ煌めく繊細すぎる硝子細工のようなものである事を。
(兄様に知られたら、きっとそれは……)
闇に沈みかける思考──まるでそれを心に焼き付かせるように。
そこへ明らかにこちらへと敵視を向けた、犬の遠吠えが響き渡った──
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3人まで
シナリオジャンル
ホラー
バトル
NPC交流
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年02月23日
参加申し込みの期限
2019年03月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年03月02日 11時00分
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