this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
携帯戦記カプセルギア 君の心の光と闇
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
7
つぎへ >>
【執為】
螺旋を巡る、塔を登る。
いや。これは、城か。壁が、柱が、天井が、全てが目的も分からぬ機械で構築された異形の城を、
鳳城 翔
は湧き上がる焦燥に苛まれるまま、上へ上へと登っていた。
(くそっ)
登らねばならない。高みへと。そうせねばならない、そうするべきだという奇妙な確信だけが翔にはあった。
足を止めてはならない。止めれば、彼は瞬時に翔を置き去りにするだろう。そんなことには、きっと耐えられない。
(くそ……っ)
登り続けなければならない。心が挫け足を止めれば、あの背中には二度と追い付けまい。
『そうだ。登ってこい……チカラを……手に……』
果てしなく遠く。囁きのように近くで、声が聞こえた。
「……
リット
……なのか?」
破壊音はA.I.C.O.による拡張現実的演出に過ぎないが、大音響は翔の目を覚まさせるのに十分だった。
「イマイチ」
吐き捨てるような言葉に、今の今まで、彼とバトルに興じていたことを思い出した。
「MAKIYUKI……」
「テキトーやるなら、帰るよ。キミ、上の空みたいだし」
牧 雪人
の叱責は、的を得ている。
自分は今、何をしていたのだろう? 夢を見ていた?
目の前の彼を越えるための研鑽、そのはずであったのに。自分から持ち掛けたバトルであったはずなのに。
いや、越えるなどとおこがましいことは言うまい。せめて、隣に並び立ちたい。SHOとMAKIYUKIが比肩する存在であると証明したい。
「待ってくれ、MAKIYUKI。もう一度バトルだ」
「そう? 帰ったら? チョーシ悪いならサ」
「そんなことはない!」
立ち止まってなどいられない。足を止めれば、彼は瞬時に翔を置き去りにするだろう。
登り続けなければならない、高みへと。心が挫ければ、きっと自分は二度と立ち上がれまい。
『そうだ。そう……登ってこい。欲しいだろう? 彼と並び立つ、チカラが』
心へ届くセイクビリットの声に、翔は深く静かにうなずいた。
思えばこんなにも、誰かを追いかけたことがあっただろうか。
雑談に興じるクラスメートたちへ、興味のないフリをした。そっけない態度にあらぬ誤解を受け、争いに発展することもあった。
だが、今は。
『手放したくは、ないのだろう?』
今さらに、誰があの孤独と空虚を味わいたいと思うだろうか?
「ああ……手放したく、ない」
『そうだろう。ならば、登らねばなあ?』
機械の城を登る。これが最短の道であると、翔には既に分かっていた。
赤や青のコードが絡みつく鋼鉄の円柱の合間に、城の立地が見て取れた。乾ききった灰色の大地。尖った針のような山が連なり、城はその中央へ唐突に建っている。
抜けるような青空だが、遠くで渦を巻く雲海には赤みがかっているのが見て取れた。
「また、上の空。ボクとのバトルは、そんなに眠たいのかい?」
ボナパルト2が反転、セイクビリットの右腕が連射する小砲弾の雨をかいくぐりながら、Bスナイパーガンを放つ。
「いいさ。やる気ナイなら、終わらせてもらうよ。暇じゃないんだ、ボクだって……、っ!?」
「やる気? あるとも」
左の鉤爪で、ボナパルト2へ掴みかかる。鋭い反撃に、雪人の眉がぴくりと跳ねた。
「……そう。分かった。ヤろうか」
青の瞳が細められ自分を見据えるのが、翔にはたまらなく心地よく思えた。
バトルで敗北を喫するたび、空は斜陽へ近づいていく。
城の頂点は近づいていく。
「どこまで、登るんだ……」
『どこまでも』
「登ったら、何があるんだ」
『望むものが』
「俺の……」
敗北は翔の糧だ。バトルのさなか、彼は全てを吸収していく。蓄積していく。成長し、開花するその時まで。
敗北するたび、城を構成するおびただしい歯車が回り、クランクが軋みを上げ、タービンがうなる。城の外郭は大仰に形を変え、壁が道に、柱が道に、天井が道になっていく。
そうしてどこまでも、伸びていく。天へと向かって。
蒼天から黄昏へ、黄昏から月夜へと空が色を変える頃。城はとうに、眼下の岩山が雲の下へ隠れるほどに成長していた。
「……SHO?」
バトルが始まっても、雪人は訝しげに眉をひそめている。無理もない。
「どうした、MAKIYUKI? 今日はアンタが上の空じゃないか」
黒のコート。帽子も含めて、夜のような黒ずくめ。いつも翔の顔を飾っていた眼鏡すら、今はかけていない。
翔の瞳は、見たこともない程に鮮やかな紅に染まっていた。
「ふうん。イメチェンしたくらいで、ボクに勝てると思った? 浅はかだね……」
「そう思うか?」
言葉とは裏腹に、雪人の顔には苦渋が浮かぶ。能面とまで言われた彼の無表情には、終ぞ浮かぶことのない顔だった。
もっと見たい。もっと、見ていたい。
『そうだ。簡単だろう? SHO。彼が先を走り続けるなら、追いつけないのなら……捕まえてしまえばいい。そのチカラが、今のお前にはある』
「知ってるさ」
ツヤのない黒に染まったセイクビリットが翼を打ち、黒い竜巻を巻き起こす。ボナパルト2は手もなく渦へと飲みこまれ、右腕を、左脚を、胸を、頭部の半分を潰され、やがて地に堕ちた。
「っ、あ。ボクが、負け……そんな」
月影を照り返す機械の城の頂点で、絶望に膝をついた雪人の襟首を、翔はぐいと掴み上げ引き起こす。
鼻先が触れ合う程の至近で惑う青の瞳を覗き込み、翔は宣言した。
「アンタは俺のモノだ」
とある夜。街へ、二人の少年についての噂が駆け巡った。
黒ずくめに身を包み、黒いカプセルギアを操る二人組。彼らは圧倒的な力で街のギアマスターたちを軒並み打ち倒し、やがて君臨した。
「ふふン。あっけない」
無様に倒れ伏した挑戦者が見ることになるのは、自分をしなやかに踏みつける足。ショートパンツから伸びる白い腿はガーターベルトに飾られ、滑らかに輝いている。
「その程度で、ボクを手に入れられると思った? 本気かい? ダッサいナァ。キミごときの腕前じゃあ、一生無理だね」
「……MAKIYUKI。そいつはもういい、次に行くぞ」
「分かってるサ、SHO。ふふっ」
跳ねるように翔の後を追う雪人の首には、黒い首輪が艶やかにネオンサインの光を滲ませていた。
新しい形。新しい世界。
思い出はもう、戻らない。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
…
7
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
携帯戦記カプセルギア 君の心の光と闇
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
ゲーム
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年02月04日
参加申し込みの期限
2019年02月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年02月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!