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携帯戦記カプセルギア 君の心の光と闇
【闇堕ちIF】 携帯戦記カプセルギア ~ 君の心の光と闇 ~
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【高山流水】
やみくもに手を伸ばす
。
するり、すり抜けた。
あの時、あいつの手を掴んでいたなら。届いていたなら。何か変わっていたのだろうか?
全く意味を成さない仮定だと、
タイラ・トラントゥール
とて理解している。するり。すり抜けたのだ。もう二度と、戻りはしない。
「必要なかった。最初から」
タイラという人間が確立するために、あいつのような存在は必要ない。
自分の在るべき家へと帰れば、従兄がいる。タイラが心から必要としているのは、きっと彼だ。
翻る鞭の風切り音。焼けるような激痛。そして囁くのだ。耳元で。教えてくれるのだ。
彼の言うことさえ聞いていればいい。タイラが思い煩うことなど何があろうか。鞭打たれる痛みにさえ耐えていれば、何もせずとも目の前に道が開けていくのだ。身体の痛みなど何ほどでもない、すぐに過ぎ去る。
「必要ない。ボクに、あいつの存在は」
従兄さえいればいい。あいつは必要ない。まるで、全く、自分には関わる必要のない……、
「……ボクは」
今にして、思う。
底抜けに明るいあいつは、毒だ。自分を蝕む。ただ耐えていればよかった、それだけで良かったのに。それだけで、心安らかでいられたはずなのに。
それなのに。
あいつが自分を、こんなにも弱くした。
やみくもにひた走る
。
するり、すり抜けた。
無論のこと
源 竜世
には、そんなつもりなど毛頭無かった。ただ必死で、夢中だっただけだ。あいつが手を伸ばしていたと、気づけなかった。
あの時、立ち止まってあいつの手を握り返していたなら。ぬくもりを分け合っていたなら。
「……タイラ?」
振り返ると、冷たく乾いた露草色が、竜世を見据えていた。
「わりぃ。ちょっとさ、気になって……結局、追いつけなかったんだけどさ。あーもう、何やってんだろーな、オレ。はは!」
「…………」
言葉は無い。
いつものように言ってくれるかと思ったのに。このトリアタマ。お前はもう少し考えて行動しろ。まったくお前は、ボクがいないと危なっかしくてしょうがない……。
「タイラ?」
ぞくりと胸に冷たい感触を覚えた。
これが、タイラだろうか? 自分の知っている、彼だろうか? 幾度となくバトルをして、気づけばいつだっていっしょにいてくれて。いつもツンケンしているけれど、きっと優しい、タイラなのだろうか?
この、底冷えするような瞳が?
「タイラ、どうしたんだ? なあ? あ、そうだ、バトルしようぜ! オレはほら、もう大丈夫だからさ。いつもみたいに、オレとお前で」
「……お前が……」
竜世の誘いに答えは無く。代わりに、
「痛ぅっ?」
右の頬に、鋭い痛み。
向けられたのは少しばかり刺々しくも心地よい彼の言葉ではなく、純然たる敵意だった。
「お前がいるから……ボクは、苦しいんだ!! 消えろ、竜世っ!!」
獅子が駆け、竜が舞う。
互いの動きは手に取るように分かる。幾度となく繰り返されてきたバトルのワンシーン。
違うことは、
「くっ……!? タイラ、何すんだよ!?」
「そうだ、お前だ! お前だ竜世、お前さえいなければ! ボクは自由になれるんだ!!」
炎のような憎しみに、焦がされそうだ。
見慣れているはずの『
バルティーグル
』は、その瞳に血のような赤い輝きを帯び、白い装甲も漆黒のそれへと換装されている。
「追いつけないから、苦しいんだ。なら、消してしまえばいい!」
「タイラっ、何言って……」
バルティーグルが飛翔し、強靭な前腕に伸びる爪が竜世の肩口を引き裂く。
他でもないタイラの意思が、竜世を傷つけていく。
「ははっ! どうした、この程度なのか? なら、追いかけるまでもなかったかもしれないな。結局、そうだ。お前など、ボクには必要なかったんだ!」
バルティーグルの攻撃を阻むべき『
スターライトナイト
』の動きは、精彩を欠く。竜世の動揺は手元を狂わせ、こなれた二人のバトルにはありえない、凡庸なミスを誘発した。
「……遠い……」
あんなにも近くにいたのに。タイラの存在が、この上もなく遠く感じられる。
スターライトナイトは見当違いのほうへ爪を振るい、突撃は容易く避けられる。そのたび、バルティーグルの爪が竜世自身を切り裂いた。得意のステルス能力や攪乱戦術を用いる気配もない。ひたすらに真っ向からの接近戦で、竜世は圧倒されていた。
「う……」
「ははっ、いいザマだな、はははは!」
失血からの目まいで、竜世はたまらず膝を突く。親友の狂ったような笑いが耳を貫いた。
「そうだ、消えてしまえ! そのままボクの目の前から、消えてしまえばいい……!」
遠い。届かない。
なぜ。分からない。
「遠くて……これじゃ、届かねえっ」
しかし。
「……スターライトナイト!」
追い込まれようと、竜世は竜世だ。思い悩むのは得意ではない。
今の自分にできることを、全力でやり切るのみ。蒙昧であろうとも。最初から、それしか竜世にできることはないのだから。
瞬間、竜世の瞳に炎が灯る。
「力、貸してくれ!!」
駆け出した。やみくもに。目の前のあいつを目指して。
「何っ……竜世、お前!?」
竜世の行動が意外だったのだろう。タイラはバルティーグルを引き戻し、自身の防衛を図る。
スターライトナイトが炎を噴き上げ、空を駆け抜ける。半ば激突するようにバルティーグルへ体当たりを敢行し、そのまま組み付くと、
「よ、避けろバルティーグル!」
「遅え! いっけぇぇぇ、メテオキャノンッ!!」
口腔から放つ必殺の一撃を、炸裂させた。
殴りかかられるのだと思った。竜世の形相は必死で、止まるつもりなど微塵もなく、跳びかかり組み伏せ、殴打を浴びせるのだろう。こいつのことだ、さぞ頭に来ているのだろう。
取っ組み合いで勝てるわけもない。タイラは諦観と、胸に忍び寄る甘やかな安堵の存在をかすかに感じながら、瞳を閉じた。
「タイラぁぁぁあああっ!!」
「……ああ……」
だが。
「っ、!? 何を……お前はっ」
拳が頬に打ち付けられることはなく。代わりに竜世は、タイラをあらん限りに抱きすくめた。
「何、を……は、離せ! 離せっ!」
「イヤだ!」
「離せっ、お前は……お前は!」
タイラの胸から、喉から、心が迸った。
「どうせお前はっ、ボクを置いていなくなるくせに! お前にはボクなど必要ないんだろう!?」
「オレは、ここにいる!!」
息が詰まるほどに、強く。背中へ回された腕が、きつく締まった。
「そりゃあ、オレは……いつも突っ走っていっちまうけど。周りが見えなくなること、良くあるけど……だから! タイラがオレを、止めてくれるんだろ!?」
「っ、お前に、ボクの気持ちなど……」
「分かんねえ、けど、分かりたいから側にいる! タイラにだって、分かるだろ!!」
ああ。そうだ。
竜世が自分を、殴る? そんなわけもないのに。
ああ。こんなにも、こいつは近くにいたというのに。
「タイラがいないと……オレ、困る」
自分は何を、思い違えていたのだろう。タイラは四肢から、凝り固まった力が急速に抜け出ていくのを感じた。
「……この、バカが……」
「知ってる」
「いつも、ケガしてるな。お前というやつは……」
「慣れてるからヘーキ」
「馬鹿。次も止めると思うなよ?」
「止めるさ。タイラだもん」
顔を上げると、いつもの竜世の顔があった。底抜けに明るくて、何も考えていないようでいて、いつもタイラを真っすぐに見つめている。
あの瞳が、目の前に。
「この、大馬鹿者のトリアタマめ……」
濡れて滲んだ目を見られたくなくて、タイラは竜世の肩に額を預けた。腕を彼の背へ回し返したのは、無意識のことだ。
「だからお前は……ボクが見ていないと、ダメなんだ……」
かすかに浮かんだ微笑を、竜世が目にすることはなかった。
それで良かった。このぬくもりが腕の中にあれば、それだけで。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
ゲーム
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年02月04日
参加申し込みの期限
2019年02月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年02月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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