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携帯戦記カプセルギア 君の心の光と闇
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【鏡の国の女王】
王国に希望はない。行く道はまるで、天を覆うこの暗雲のようだ。
「えーっと。なんだっけ? 作物がフサクだから、納める量を減らしてほしい。だったっけ?」
無垢な幼さが時として、無慈悲へ転ずることがある。そして
百岳 甘桃
女王こそが、その体現者だ。何しろ小さな甘桃女王は、若干6歳なのだ。
「ダ・メ!! に決まってるじゃない。女王にエラそうなこと言う人には、バツを与えなきゃねー?」
「お、お慈悲を。なにとぞ……女王陛下……!」
「ダァーメっ」
たった一言だ。何なら言葉すらいらないかもしれない。女王がそうと望むなら、すぐにも準備は整った。
そうして運ばれてきた処刑台は小さく、人を磔とするにはあまりにも小さい。
「わたしにナマイキなことを言う国民は、バツとして、カプセルギアを死刑にします」
「!! そ、それだけは! 女王陛下、なにとぞ! なにとぞ!」
苦難を共にしてきたのだろう。その重機型カプセルギアは見すぼらしく汚れていた。それが女王の気に障る。
「さあ、いくよ。『
アマデトワール
』♪」
漆黒の馬体に翼、青い瞳。輝く紫のたてがみ。暗緑色の角を持つ、ユニコーン型カプセルギアが飛翔する。
か、とひづめを鳴らし、処刑台めがけ一直線。鋭い一本角が磔にされたカプセルギアの胴を貫くのと同時に、罪人の悲鳴が響いた。
膝を突きくずおれたその目の前で、地へ落ちたカプセルギアの成れの果てを、女王自らが踏み砕く。
「はい、処刑おしまい。それ、ゴミ箱に捨てといてね」
かしずく者たちは決して、甘桃女王に心酔しているわけもない。ひとえに、恐怖ゆえにだ。女王の持つ絶対の権力に歯向かえば、カプセルギアを破壊されてしまう。愛をもって接し、人生を共にする相棒を壊されてはたまらない。カプセルギアのいない暮らしなど、王国では考えられないことなのだ。
女王の圧政に、人々は頭を垂れるしか術は無かった。
「ふわぁ……飽きちゃった。今日はここまでね」
あくびを漏らし、女王はもはやまるで興味がないとばかり、踵を返す。その後を、アマデトワールがのろのろと追いかけてゆく。女王自身の相棒たるカプセルギアさえも、明日は我が身と思っているのかもしれない。
女王は去り際にちらと家臣へ目を流し、言い置いた。
「わたしの嫌いなカプギアは、全部壊すの。おぼえておいてね?」
異論は無かった。
王城の最奥。その鏡の存在を知る者は少ない。
「今日も、あの世界を見せて」
女王はたびたび公務を放り出しては、この部屋にこもる。彼女を除き、誰も近づくことは許されない秘密の部屋だ。
その中央に、鏡はゆるやかに浮かびながら佇んでいる。
王家に伝わるこの鏡は、別の世界に繋がっているらしい。といって世界を渡ることはできないし、向こうからやってくることもできない。こちらからそっと覗き見ることができるだけだ。
「……あの子を映して」
浮かぶ鏡の向こうには、甘桃女王が見たこともない、不思議な世界が広がっていた。
そこは、緑豊かな島だ。遠くには灰色の塔が乱立したり、鋼鉄の筐がやかましく走り回る奇怪な街も広がっていたが、この島はそんな忙しない時の流れから切り離されたような、穏やかな空気に包まれているようだ。
ネコジマ。あの子はそう呼んでいた。
鏡の中に、あの子が映し出される。
『カプギアをこわすなんて、そんなのぜったいダメ!』
リボン型に結い上げられた、ベージュ色の髪。活発そうなくりくりとして大きな瞳は赤。リボンやフリルに彩られた、ドレスめいた可憐な服を着こなしていた。
その顔は、甘桃女王とうりふたつ。
鏡写しの自分が、そこにいた。
『カプギアはたいせつなおともだち! それをこわすなんて、ぜったいダメだもん!』
「うるさいなあ……」
まるで女王へと向けられたようなセリフだが、そうではなかった。鏡の向こうの甘桃は、
牛頭の巨人ミノタウロス
を思わせるカプセルギアと、バトルの真っ最中だ。
負ければ、自分のカプセルギアを破壊されてしまうらしい。当然だと女王はうなずいたが、あちらの世界では許されないことであるようだ。
「ふうん。ヘンな世界」
気に入らないなら、壊せばいいのに。
見れば見るほど、そこは甘桃の理解の及ばぬ世界だった。
女王が望めば、鏡には、異界の少年少女たちが次々に映し出されてゆく。
環 的子
という少女は、奇妙なカプセルギアを胸へ抱き、愛おしそうに囁きかけている。まるで意思が伝わると信じているかのように。愚かなことだと思いながら、女王はなぜだか目が離せない。
二人の少年たちは、
タイラ・トラントゥール
と
源 竜世
というらしい。カプセルギアを通じて出会い、カプセルギアを通して互いを理解する。そんな関係があることを、女王は初めて知った。
城ヶ崎 梨々子
は、自分に似ているように思えた。高慢で自信に満ち溢れ、我儘を隠さない。しかしカプセルギアが無ければ、彼女は内向的で人見知りな少女に過ぎない。カプセルギアが、彼女に強さを与えたのだ。
仙藤 蒼
は、遊戯というものを心から楽しんでいた。カプセルギアもまた。バトルに心昂らせ、強敵との邂逅に胸躍らせる。そんなことをせずとも破壊してしまえばいい、と女王は思う。
鳳城 翔
もまた、カプセルギアと意思を通わせていると信じているようだ。そんなわけもないのに。彼は、何を信じているのだろうか? 彼はカプセルギアに、何を託しているのだろうか?
猫屋敷 姫
の考えは女王にも一見して読めなかったが、少なくともカプセルギアを楽しんでいるようだ。子どもたちの『遊び』が破壊されそうな時には、率先してこれを阻止することまでした。
滝原 カノン
は天真爛漫にカプセルギアを遊びながら、その実、彼が見知らぬ誰かから贈られたそれには、大きな意味がある。本人は未だ、気づいていないようだ。いつか悟る日が来るのだろうか?
「はあ。くだらないなあ」
女王には一つとて、理解できない。
カプセルギアを愛する。カプセルギアによって繋がる。カプセルギアによって成長してゆく。自分と同じ年頃の少年少女たちが体験するそんな想いを、女王は……甘桃という一人の少女は、感じたことがない。
もし自分が、あの世界に生まれていたら。自分そっくりなあの子が、自分だったなら。
「ふん、だ。そんなのつまんないもん」
あの子のカプギアも、いっそ壊してやりたい。しかし鏡には、世界を越える力までもは備わっていない。できるのは、こうしてただ見つめることだけ。
それが歯がゆい。気に入らない。
「わたしはわたしのやりたいようにするの。嫌いなものはなにもいらない。ぜーんぶ壊すの。わたしは、女王なんだから」
なんて、素敵。なんて、心地良い。
なのに、なぜか……。
黒いアマデトワールが肩の上で、どこか気づかわしげに鼻先を甘桃の頬へこすりつける。
「……わるい子は、みーんな壊しちゃうから。気をつけてよね」
物言わぬカプセルギアは、ただただ青い瞳で、孤独な主を見つめるのみだった。
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あとがき
担当マスター:
墨谷幽
ファンレターはマスターページから!
墨谷幽です。『君の心の光と闇』のリアクションをお届けします。
いつもの明るくて前向きな皆さんももちろん素敵ですけれど、たまにはケレン味たっぷりなカッコイイところ、ワルなところも見てみたい!
ということで今回は、素敵な企画『
【カプセルギア】闇堕ちIF企画
』をもとに、皆さんのダークサイドな姿をお届けいたしました。
人間どんなにカンペキなマジメ人間に見えても、どこかに隠れた一面があるものです。
親切にしながらも打算的なことを考えてたりとか。
涼しい顔を浮かべつつ、内心イライラしちゃったりとか。
人には言えないセーヘキとか。
裏と表、光の面と闇の面のバランスが取れて初めて、一人の人間としてうまく成り立つんですよね。などと比較的バランス崩れ気味な人間が言っても説得力はありませんけれど、ともかくそーいうことなのです。
今回はそういった表裏の一端を描写させていただきましたけれど、いかがでしたでしょうか。
お楽しみいただけておりましたら、幸いです。
それでは、今回もご参加いただきまして、ありがとうございました。
次にまたお目にかかれます機会を、心よりお待ちしております。
お疲れさまでした~!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
ゲーム
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年02月04日
参加申し込みの期限
2019年02月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年02月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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