this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
携帯戦記カプセルギア 君の心の光と闇
<< もどる
1
2
3
4
5
…
7
つぎへ >>
【青空が落ちてくる】
ビルを紙切れのように引き裂くのだ。落下する火達磨が眼下のハイウェイを走る車列を押し潰し、立ち込めた粉塵が晴れた後には新たな世界が開けてゆく。
AOI
の愛してやまない、阿鼻叫喚の地獄絵図が。
「燃えろ、燃えろ、燃えろ、燃えろ、燃えろ! ギャハハハハァ!」
犯罪都市と呼ばれるこの街では、テロリストと一言に断ずるのも的確とは言い難い。
なにしろ蒼には思想がない。破壊、蹂躙、それに戦闘そのものを好む愉快犯。行為こそテロリズムであれ、彼女には貫きたい信念も打ち倒したい仇敵も存在しないのだ。
「う~ん、ちょっと火が弱いかな?
Diablo Azul
! テルミット弾おかわり、イッちゃいましょうか♪」
両肩部の無反動キャノン砲から放たれた焼夷弾が生み出す爆炎は無慈悲な炎の舌を伸ばし、瓦礫を、残骸を、かろうじて生存していた人々をも残らず舐めとっていく。
炎。炎。爆発。融解。炎、爆発。
悲鳴。怒号。呪詛。その全てが、AOIのものだ。
「ああ……ヤバ。もう、たまんない……」
下腹部を疼かせる熱に、AOIは全身を震わせる。
AOI。彼女はそう名乗っているしそう呼ばれてもいるが、本名は誰も知らない。本人も忘れてしまったのかもしれない。
破壊すること、それ以外に一切の興味が湧かない。AOIはそんな異端の少女だ。バーであおった酒も、その場のノリで寝た男も女も、ドラッグの快楽も、破壊の歓喜に比べれば児戯に等しい。
「…………ッ!」
焼夷弾が尽きれば虎の子のクラスター爆弾を惜しみなく投入し、空中でばら撒かれた無数の子弾が炸裂して街の残滓を一掃してゆく様は、AOIに絶頂すらもたらした。
破壊。破壊。炎、爆発、融解。死。死だ。目の前に差し出された全ての死は、AOIのものだ。
「ンっ……ふう。もう、最高。あなたもそう思うでしょ?」
いつの間にやら背後へ佇む黒衣の少女へ視線を流し、AOIは純粋な乙女のように微笑んだ。
ブラックサレナ
が、『母』の仕事に理由を求めたことはない。彼女もまたサレナへ標的と付随する情報を示すのみで、経緯や背景、肩書き、人間関係など、詳細が語られることは常になかった。サレナが達するべき役割に、何ら必要は無いからだ。
それでも時折、気にかかることはある。組織に身を寄せる以前、未だ光の中にあった暮らしの記憶が、かすかながらに標的への情念をもたらすことはあった。
「AOI、でしたかしら。『母』は貴女の秩序無き破壊が、組織の利を害すると判断されました。私が処断して差し上げますわ」
「へえ? 面白いじゃない」
しかし目の前のくだらないテロリストのような相手ならば、何も思い煩うことなく、ただ純粋にその生命活動を止めればいい。何とシンプル。何と分かりやすいのだ。
車椅子を駆るサレナの手のひらから、一体のカプセルギアが飛び立つ。
名はレギオン。特筆すべきは背に負った爆弾くらいのもので、飾り気の一つも無い、唯一つの目的を遂行するためのシンプルに過ぎるカプセルギア。
「あはは、なにそれ? 私好み!」
つまりは、自爆特攻である。
AOIのDiablo Azulが街を根こそぎ薙ぎ払う破壊力を秘めている以上に、サレナのレギオンが要する爆弾は、まさしくそれのみが存在理由だ。直撃すればより壊滅的な破壊がもたらされるだろう。
その様を想像してか、恍惚としながらもAOIは身をかわし、Diablo Azulを操る。弧を描き飛行するレギオンへ右手のライフルで牽制射撃、距離を取る。
同時にAOIは、隙を見い出してはキャノンの方向をサレナへと向け、放つ。今やカプセルギアは子どもの玩具ではない、敵を完膚なきまでに殲滅するための武器だ。ギアマスターへの直接攻撃とて定石の一つなのだ。
しかし、サレナの車椅子はただの足代わりではない。爆発的な駆動で地を走り、難なく爆風を逃れる。
レギオンを操る黒衣の少女の姿は、どこか優雅な舞をAOIに思わせた。
「そこ、ですわ!」
Diablo Azulの攻撃に伴う隙を機と見い出す。サレナの指が翻り、レギオンの爆弾に火が灯る。ロケット噴射の推進力で肉薄し自爆を狙う。単純かつ極めて効果的な暗殺の手管と言える。
「あま~いっ!」
さりとて、AOIの腕もまた尋常ではない。何しろ慈悲無き破壊者たる彼女を嬲り殺したい輩には枚挙にいとまがなく、こうした襲撃など茶飯事なのだ。
散乱する瓦礫は常にギアマスターの味方をする。廃墟と化した人々の生活の痕跡を盾に、Diablo Azulはレギオンの特攻を阻んだ。レギオンは爆発四散し、後には車椅子に乗った黒衣の少女のみが残された。
「惜しかった? そうでもないか。さて、私はまだまだ壊したりないから、さよならお嬢ちゃん。あなたの大好きなお母さんとやらも、そのうちそっちに送ってあげるからさ、安心して……」
「私のカプセルギアがあれだけだと、誰が言いましたの?」
追い込まれても、サレナは薄笑いを崩さなかった。追い込まれてなどいなかったからだ。
指を鳴らす。車椅子の背部、背もたれの奥に搭載されたカプセルギア製造プラントが稼働を始め、鉄工所か工場のごときめまぐるしい金属音がAOIの耳朶を打つ。
「……ウソでしょ?」
「群体(レギオン)の名を理解したのなら、さあ。終幕ですわ!」
生み出された無数のレギオンが炎を噴き上げ、やがてDiablo Azulへと殺到する。
そう。敵を打ち倒すのに、派手な動きは必要ない。美麗な装飾も。優雅なフリルも、滑らかに翻るリボンも。
「……?」
あれは……何と言っただろうか? かつて自分がこの指で操っていた、あの時に自身の四肢と共に砕かれてしまった、かつての相棒、大切なその名を、
「今は、もう……思い出せない」
爆音が空気を揺らす。
思い出せないのなら、きっとそう大切なことでも無かったのだろう。サレナは脳裏に、古い名を捨てた瞬間を思い出していた。
ああ。なんて日だろう。AOIは思う。
「あはは」
自分が破壊されるのも、これが案外、悪くはない。
右腕と両足の感覚がないが、気分は良かった。首も動かせず、自分がどんな状態であるのか確かめる術もないが、口元には笑みが浮かんだ。
「あら、まだ息がありますの? 仕方がありませんわね」
車椅子の車輪。軽やかな声音。晴れやかな気持ちで聞けば、心地が良いものだ。
「今、止めを刺して差し上げ……」
「これ。返すわ。ありがと、あなた最高だったわ」
それがAOIの、最後の言葉だった。
その手のひらから転がったものが、サレナへ手渡されることは無かった。が、それで十分だった。
「……!! レギオンの一体を、捕らえて……!?」
視界の全てが白熱し、二人の道程は途絶えた。
破壊が生み出した粉塵も今は晴れ、天空にはぞっとするほどに深い蒼が広がっていた。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
7
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
携帯戦記カプセルギア 君の心の光と闇
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
ゲーム
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年02月04日
参加申し込みの期限
2019年02月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年02月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!