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携帯戦記カプセルギア 君の心の光と闇
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【闇の中の光】
月を背負い、少女は威風堂々仁王立ち。
「く、くそっ……なんだよこいつ、強すぎる!」
「いきなり出てきて、なんだテメェは!?」
男どもがわめくも涼しい顔で、見えを切るよう言ってやった。
「ここら一帯、黒猫組のシマだと知っての狼藉ですか? それでもやるというなら、トコトン相手になるですよ!」
「黒猫組……こ、こいつまさか」
「
猫屋敷 姫
、か!?」
「じゃあ、あのカプセルギアは『
ナデシコ
』……」
「勝てるわけねえ、勝てるわけがねえ!」
口々に吐き捨て、他愛もない暴漢どもは逃げ去った。
物陰に身を潜めていた、委縮した様子の母娘が、姫へ深々と頭を下げる。
「本当に、ありがとうございます。黒猫組の皆さんには、いつも助けていただいて……」
「カタギの人を守るのが、本来の極道なのです。気にすることはないのですよ」
母娘が恐縮しながら去っていくと、姫はくるり振り返り、月を見上げた。
闇夜にあって煌々とではなく、仄かに地上を照らす密やかな輝き。その佇まいを、自らとどこか重ねずにいられない。
言ってしまえば、黒猫組はヤクザに過ぎない。昔気質の旧態依然とした組はいささか時代に乗り遅れてはいるが、末端には心ないシノギで市井に迷惑をかける者もないではないだろう。
それでも、黒猫組は依然としてネコジマ・シティにおいて、周辺地域に確固たる『秩序』を構築・維持している稀有な一例だ。腐敗、形骸化した警察機構に代わり、犯罪行為、暴力沙汰へ立ちはだかり、力をもって制圧する……それが本来、彼らの流儀だった。
「光は闇の中。とすれば、闇に在っても自分を見失わなければ良いのです」
姫はそんな黒猫組組長の他ならぬ娘であり、幼い頃から彼らの信条、真価、そして戦う術を叩き込まれてきた。力なき母娘が無頼な者らに蹂躙されようとするなら、これを排除するのも自分の役割なのだと姫は考えている。
「まっ、バトルは好きなのです。あんな輩なら、いつでも相手するですよ」
姫がいる限り、地域の安全は盤石だろう。
しかして、この街の闇は深い。
その夜、黒猫組の本拠たる広大な邸宅の敷地へ、人知れず侵入する者があった。
「『
キングニャーサーType-D
』、起動……」
カメラアイの発する紅い尾を引きながら、暗がりの中を疾駆する。見張りであろう屈強な男二人へ、黒いカプセルギアは音もなく忍び寄ると、
「やれ、ニャーサー」
振るう魔剣の軌跡が、彼らの命を容易く断ち切った。
滝原 カノン
に慈悲は無い。自らの行いに迷いはない。それが『母』を助けることになるのだと確信していた。
だから彼は、標的が何者であるのか、何故排除するのか、理由を求めたことすら無かった。
何がしかの経緯によって、今は黒猫組の邸宅内に匿われているとある研究者は、かつては『母』の組織に属する人間であったという。だが裏切り、極めて機密性の高いデータを持ち出し今なお逃走中だ。
「おかあさんを困らせるヤツは、ゆるさない」
無論のこと、カノンには事情など知ったことではない。ただ潜りこみ、首を切り裂くのみ。それが全てだ。
カノンは侵入経路上の邪魔な者らを的確に処理しながら、邸宅の奥深くへと入り込んでゆく。構造は一般的な日本家屋に過ぎず、カノンにとっては実に容易いことだった。
「見つけた……」
やがて邸宅最奥の個室にて、目的の人物を発見するに至った。見張りを手早く排除し、部屋を覗き込む。スーツ姿の男は怯えているようにも見えたが、守られているのだという意識からか、警戒は薄い。
事は一瞬で成された。
「おかあさんを裏切った、バツを受けろ」
「っ!? なぜっ、お前はあの女の……」
みなまで発することもなく、男は首元を真一文字に裂かれ、血だまりに沈んだ。
スーツの内ポケットから、USBメモリを回収する。仕事は完了だ。他愛もない。
「終わったよ、おかあさん」
『母』の微笑みをまぶたの裏に見る。
それが油断となったのだろうか。
「……そこで何をしてるです!」
少女が一人、カプセルギアを手に、立っていた。
ナデシコの瞬発力。キングニャーサーの機動力。
速さを極めた者が勝つ。これはそういうバトルだ。
「ナデシコ、先手必勝です!」
左腕の短針銃を乱射し弾幕を形成しつつ、鋭く踏み込む。針は牽制に過ぎず、敵を動かす手段とする。
動けば隙が生じる。本命は右手のカタナだ。こちらもまた針のごとく鋭利なそれを、間隙無く連続で突き込む。
狙うは敵の手足。スピードと攻撃力を削ぐのは定石だ。
「ニャーサー、盾を!」
豪速の乱撃を、キングニャーサーの盾が阻む。戦い慣れている。姫は手を止めないままに、少年の暗い瞳を見つめた。
マスター自身を攻撃するつもりはない。それは姫の矜持に反する。
だが、止められるだろうか。
(殺し屋の目。目的のためなら迷わない、そんな目……この年で、難儀なことなのです)
目の前の少年がかの組織の擁する殺し屋なら、カプセルギアのみならず姫を直接狙うくらいやってのけるだろう。事実、黒猫組が匿っていたあの研究者は始末されてしまった。もちろん、並の腕でできる芸当ではない。
キングニャーサーが踏み込み、跳躍する。一気に間合いを詰められ、翻る剣がナデシコの袖口を切り裂いた。
「……おまえも……おかあさんの、邪魔をするのか」
「!」
瞬間、黒いカプセルギアの姿がかき消えた。標的を失ったナデシコがぴたりと動きを止める。
肌に感じた悪寒を信じ半身をひねった途端、首筋に熱さを感じた。皮膚が浅く裂けた程度ではあったが、敵の狙いは証明された。
姫は目を細める。
「おかあさん、ですか。事情は分かりませんけど……きっとその人は、君を自分の子どもだなんて思ってないと思うですよ? いいように使われて……」
「……おかあさんを、悪く言うなッ!!」
少年の目の色が変わった。
「おかあさんはやさしい! おかあさんは、いつもほめてくれる! おかあさん、大事なおかあさんのためなら、おれは……!」
ナデシコを引き戻し、迎撃。カタナで剣を弾いた隙に、突きを三度。盾で防がれたが、その死角を利用し背後へと潜り、短針を連射しながらさらなる追撃をかける。
カタナを盾で弾き、いくらかの短針を浴びながらもキングニャーサーが強引にナデシコを正面に捕らえ、逆袈裟に剣を跳ね上げる。ナデシコが頭部にかぶった椀が鋭く欠けた。
だが、終わりは唐突に訪れた。
「こっちだ! お嬢さんの声が!」
「バカ野郎が、簡単に入り込まれやがって。見張りは何してやがった?」
直後、両者は弾かれるように間合いを外した。
姫にとっては味方。組員らにカプセルギアが扱えるような者はいないが、カノンには厄介な展開だ。そしてそれが、彼をいくらか冷静にさせたらしい。
「! 待つのです!」
カノンはキングニャーサーを回収すると、瞬く間に闇へと溶けてゆく。
ぎらりと輝く緑の瞳が、姫を真っすぐに射抜く。
「おまえ。おかあさんを侮辱したな。絶対にゆるさない。いつか、殺す」
姫は、やってきた組員らへ、少年の消えた方向を教えなかった。どの道、彼らには追いつくこともできまい。
それに……姫は思う。
「光は、闇の中。それを見つけ出すのは、君自身なのですよ?」
少年は、自らの内にしまい込まれているはずの光を、はたして見つけることができるだろうか。
姫は月と星に、その瞬間を願った。
仕事は完遂した。胸元には回収したデータも収められている。
だが、カノンの胸は晴れなかった。
「おかあさん。ほめてくれるかな……?」
脳裏に現れる『母』はいつだって、カノンへ微笑みかけてくれる。優しく頭に触れ、撫でてくれる『母』のためなら、何を差し出しても構わない。それがカノンの誇りだ。
それは常に変わらない。変わらないはずなのに。
カノンの胸へ、するりと入り込んだ棘。ちくりと痛む。
「……あいつのせいだ」
胸を押さえ、少年は帰路を急ぐ。
帰ろう。おかあさんのところへ。それがきっと、正しいことだから。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
バトル
ゲーム
定員
10人
参加キャラクター数
9人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年02月04日
参加申し込みの期限
2019年02月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年02月11日 11時00分
参加キャラクター一覧
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