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新月の夜に ~熱々おでんと、もう会えない筈のあの人と~
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偶然辿り着いた『星灯亭(ほしあかりてい)』の前で、
恵御納 夏朝
は小さく首を傾けた。
(……おでん屋さん?)
白いTシャツ、水色のキュロット。
右手にはめた薄手の白い布手袋に、左手で円らな瞳を煌めかせている猫パペット『ハルくん』。
それから、足元のソックスにスリッポン……。
そのどれもを、夜空みたいな青の提灯の光が、あわあわと緩やかに染めていた。
ほわほわと漂うおでん出汁の良い香り、おでん屋としては珍しい提灯と暖簾の色。
そのちぐはぐさが、夏朝の脳裏に、自然とある仮説を呼ぶ。
(また神魂の影響かな……。でも、折角だし、食べて行こうかな……)
財布やスマートフォン等を確かに所持していることを確認して、夏朝は、店内へと足を踏み入れた。
そっと暖簾を潜れば、出汁の香りが、ぶわりと濃くなる。
「こんばんは……あれっ?」
店の中を見渡して、少し、声が跳ねた。
端の方のテーブル席に、見知った顔を見つけたからだ。
(一閃さん? 他の人とおでんと……お酒を、楽しんでる?)
夏朝の、読み通りだった。
同席している『誰か』と、
犬杜 一閃
はおでんをつつき、軽やかに杯を重ねている。
(ど、どうしよう……親しい人との呑み交流かな? 邪魔はしたくないけど……)
うーん……と暫し考えたあとで、夏朝は、えいやとばかりに一閃達の席へと歩み寄った。
「えっと……こんばんは、一閃さん」
一閃が、ゆるりと顔を上げる。
常よりも幾らかとろりとした目元が、穏やかに綻んだ。
「――恵御納。奇遇だな」
「うん、ちょっと、びっくりした。同席……ち、近くに座っても……いい、かな?」
勿論だ、と、機嫌良く言って、一閃が、自分の前の席を眼差しで示す。
席に着く前に、一閃と同席している『誰か』に軽く会釈をすれば、にこやかな笑みが返った。
一閃達2人と向かい合う形になって腰を下ろし、早速おでんを注文する夏朝。
すぐに、水の入ったグラスと、熱々のおでんの皿が運ばれてくる。
「わ、おいしそう……!」
「美味いぞ、ここのは。うん、すごく美味い」
一閃の言葉に頷いて、猫舌の夏朝は、少し冷ましたあとでおでんをぱくりと口に運んだ。
「はふ……おいしい……!」
焦げ茶の瞳が、きらり、華やぐように光る。
その頃、
御巫 時子
は、『星灯亭』の前で、頬に片手を当て、瞳をぱちぱちと瞬かせていた。
「ここに、おでん屋があったでしょうか?」
青い提灯を珍かに思いながらも、暖簾を潜る。
出汁の香りに溢れるあたたかな店内は、ふっくらとしていて、時子の好む雰囲気だった。
(何だか、落ち着きますね……あら?)
大きく見開かれる、時子の双眸。
テーブル席には、はふはふとおでんを頬張る夏朝と、酒を嗜む一閃の姿。
そして、何やら一閃の隣には、どこか彼に面差しの似た、見知らぬ男が座っている。
(あの方は誰でしょうか?)
そう思いながら、時子は、一閃達の席へと近づいていった。
「一閃さん、こんばんは」
「御巫? まさかこんなところで、次々と知り合いに会うとはな」
「こんなところ? 確かに、高校生が夜のおでん屋へ、というのは少し変わっているでしょうか?」
「ああ、いや、そうじゃない。この場所は何と言うか……特別なんだ」
時子に夏朝の傍らの席を勧めたあとで、一閃は、2人の前に、1冊のノートを差し出した。
「「ノート?」」
時子と夏朝、2人分の声が綺麗に重なった。
一閃の指が、ノートの頁を捲る。
開かれた頁には、『星灯亭』についての記載があった。
何でも『星灯亭』は――あの世へ行ってしまった存在に会える店であるらしい。
「これは……このおでん屋のこと、ですよね?」
「ああ。それで、こっちは……俺の親父だ。犬杜 善」
時子が問い、一閃が応じ、彼の眼差しを受けた一閃の父――善が、どうも、と軽く微笑む。
「一閃さんのお父さん……?」
ハッとして、夏朝は、改めてぺこりと頭を下げた。
「えっと、初めまして……えみな・かーさ、です。一閃さんや初ちゃんには、いつもお世話になっていて……」
「夏朝ちゃん、だね。こちらこそ、息子達が世話になっているようで……ありがとう」
夏朝と父のやり取りを耳に、一閃は面映ゆげにしている。
その様子に淡く優しく口元を緩めてから、時子は口を開いた。
「道理で、似てらっしゃるはずですね。私は、御巫時子といいます」
「時子ちゃん。君にも、息子が世話になっているんだね」
ありがとう、と、もう一度善が言う。
自分もおでんを頼んだあとで、時子は一閃と善の顔を交互に見比べた。
「あの、ノート、他の頁も見せてもらっても良いでしょうか? 寝子島の不思議なことに興味があるんです」
2人は顔を見合わせて、時子へと、同時にこくりと頷いてみせる。
「ありがとうございます」
と、時子はノートの頁をぱらりと捲った。
その手元へと、一度、興味深げな視線を投げてから、
「僕も……別の時に、一閃さん達みたいな経験、した事あるんだ」
夏朝は、己の体験を語る。
「エイプリルフールに、ウソが本当になった事があってね……」
夏朝が話を終えると、時子が、頁を捲る手を止めて微笑した。
「私も、亡くなった祖母に会ってみたいですね。でも、今会ったら泣いてしまいそうです」
母方の祖母は、時子にとって、とても大好きで、大切な人だ。
その人のことを想うだけで、時子の胸にはあたたかなものが満ちる。
「素敵な方だったんだろうな」
と、一閃がぽつりと零した、その声も柔らかかった。
夏朝も自然と目元を和らげて――「そうだ、」と思いつきに新たな話題を口にする。
「ねえ。一閃さん達は、他にも不思議な事や噂を知ってるの?」
「俺が知っているのは、自分が経験したことが幾らかと、そのノートに書いてあることだけだな」
「で、そのノートに、私が生前見聞きしたことは、全部記してある」
夏朝は、眼差しを時子の方へと顔を遣った。
時子が、こくと頷く。
「まだ実際に出会った事のない不思議も、載っていました」
例えば、三夜湖の底に臨めるという、光の帯で出来た扉の噂。
「扉は寝子島と良い縁のある異世界へ繋がっている、と言われていたようです……」
「良い縁のある異世界へ……」
「何でも、特別な日にだけ、その扉は現れ、鍵を開くのだとか」
時子の口から語られたその話は、夏朝の胸に、ふくふくとした温もりを運んだ。
一方、人が何かを楽しむ心を奪ってしまうという『灰色の宿題』の噂は、
(もし、よくない事に遭う事があれば……少しでも、一閃さん達を守りたい)
と、夏朝の心に、決意の灯を燈す。
やがて、夏朝は、自分の分のおでんを、すっかり食べ終わった。
「おいしかった……ごちそうさまでした。一閃さん、善さん、御巫さんも。本当に、ありがとう」
「恵御納、もう帰るのか。……今日は、ありがとう。声をかけてくれて、嬉しかった」
気を付けて、との言葉に頷き、夏朝は店員にもお礼を言ってお代を払い、そっと店を出た。
(一閃さんとお父さんが、少しでも長く、共に過ごす時間を楽しめますように)
と、光を帯びたような願いを、心の中に呟きながら。
「席が空くと、寂しくなるな。恵御納は陽だまりのような子だから、余計に」
「お前は昔から、寂しがり屋だからね」
「親父、御巫の前で妙なことを言わないでくれ。御巫、親父の言うことは聞き流していいからな」
犬杜親子の会話に、時子は微笑ましいような気持ちで、にこにことして耳を傾けている。
(お二人を見てると、嬉しくなりますね。会話の邪魔にならないようにしましょう)
なんて、時子はそんなほっこり、まったりとした心持ちでいるのだった。
酒を酌み交わす関係というものには、何だか憧れてしまう。と、思っていたら、
「御巫、そういえば、乾杯をしていない」
と、一閃が唐突に言った。
時子のグラスの中身は勿論ただの水だが、杯を交わすのに、早速混ざる形になる。
それにしても、普段の一閃なら、中々口にしないような提案だ。
(すっかりほろ酔い、ですね。初めて見る姿です)
嬉しいと、酒も進み、酔いが回るのも早いだろう。
2人とも、格別酒に弱い様子ではなかったが、一閃の方は特に見ていて少し心配だ。
「あの、一閃さん」
「うん?」
「お水、飲みますか?」
貰っておけ、と、善がからからと笑う。
一閃は、父の方を小さく睨むようにしたあとで「有難う」と時子の手からグラスを受け取った。
(これで、一先ずは安心でしょうか? ……あ、そうだ、)
ふと、時子は、ここにはいない一閃の従妹のことを思い出す。
(連絡を取ってみましょうか)
久々に善に会うのは、彼女にとっても喜ばしいことだろう。……幽霊(?)が怖くないなら。
が、しかし。
「……あら?」
「どうした、御巫」
「携帯が使えなくて……」
「ああ、ここは、特別な場所だからねぇ。……ところで、一閃、」
善は、苦笑交じりの表情で、息子の方を見遣った。
「潰れる前に、そろそろ家に帰りなさい。私は送ってやれないからね」
一閃を何でも屋『いぬもり』まで送っていくことを、時子は申し出た。
そして今は、一閃と連れ立って、夜の街を歩いている。
「大切な人と会えて良かったですね……」
うん、と、一閃はごく素直に零した。
「さあ、帰りましょう。きっと、初さんが心配されてますよ」
言って、時子は、一閃が手にしているノートのことを考える。
(ノートに書かれていた他の場所、他の噂も気になりますね……)
夜の涼やかな風が吹き、時子の髪をしなやかに揺らした。
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3人まで
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日常
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
10人
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8人
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シナリオガイド公開日
2019年02月07日
参加申し込みの期限
2019年02月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年02月14日 11時00分
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