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新月の夜に ~熱々おでんと、もう会えない筈のあの人と~
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旧市街での用事が長引いて、帰りが遅くなった日のこと。
青山 絢
は、ふと気が付くと、見知らぬ店の前に立っていた。
店の名前は、『星灯亭』。
夜空を切り取ったような青の提灯と暖簾が印象的な店だ。
店の方からは、ほわほわと出汁の良い香りが漂ってきていて、
「う……」
絢は今にも鳴き出しそうなお腹を、ぎゅうと押さえた。
ステッラ・デッラ・コリーナにコンシェルジュとして勤務する従姉は、今日は宿直で家にはいない。
そして、ちょうど、お腹もぺこぺこに空いている。と、くれば。
「……ちょっと、入ってみようかしら」
青の暖簾を潜り、店内に足を踏み入れる絢。
出汁の香りが、腹の底まで染みる。
その時、「絢ちゃん」という声が、透き通るような響きで絢の耳を揺らした。
ハッとする。
それは、一度とて忘れたことのない、忘れようもない声だった。
テーブル席に、柔らかで優しい雰囲気を纏った、一人の美しい女性が座っている。
年の頃は、20代後半、といったふうの若々しさ。
けれど、それでは計算が合わない、ということを、絢はよく知っている。
彼女は、39歳でこの世を去った。
「お母さん……」
自然、唇から音が漏れる。
掠れた小さな呼びかけを確かに聞き留めたように、女性が微笑んだ。
絢に向かって、「こっちにおいで」と笑いかけているのだ。
緩やかに絢へと手を振る女性は、彼女が13歳の時に他界した母親・
青山 涼子
だった。
お母さん、と零したきりその場に縫い付けられていた絢に、
「絢ちゃん、ほら、一緒に食べましょう?」
と、涼子はもう一度声をかけ、手招きをした。
テーブルに着くと、涼子と向かい合う形になった。
間近で見ても、綻びは微塵もなかった。
目の前に座っているのは、紛れもなく涼子、絢が亡くした母親だ。
「絢ちゃん、元気だった?」
慈しむように目を細めての涼子の問いに、絢は、
「うん」
と、ごく短く応じて、頷いた。
母がいる。笑っている。懐かしい声で、絢を呼ぶ。
けれど、涙は出なかった。
絢は、涼子が死んでから今日まで、泣くことができないでいる。
じきに、涼子が注文した、小振りの鍋がテーブルに届いた。
鍋の中では、綺麗に取り分けられたおでん達が、ふつふつと、美味しそうに揺れている。
絢と涼子は、それを、2人で分け合って食べた。
(お母さんは、しらたきとこんにゃくが好きだったな……)
そんなことまで、絢は確かに覚えている。
だから絢は、自分の分のそれらを、そっと、母の皿によそった。
「あら? ……絢ちゃん、私の好きな具、覚えててくれたのね」
「……うん」
「私も、絢ちゃんの好きな具、ちゃんと覚えてる。ほら、」
言って、涼子は、絢の皿にがんもどきと牛筋をよそう。
どちらも、母の言葉通り、絢の好きなおでんの具だった。
「ね、当たりでしょう?」
「うん。ありがとう」
ふふ、と、涼子が嬉しげに、穏やかな笑い声を漏らす。
それから暫くの間、2人は、おでんをつつきながら他愛のない話に興じた。
「絢ちゃん、学校はどう?」
「うん、何とかやってる。今は、演劇をやってるの」
「そうなのね。絢ちゃんの演技、私も見てみたいわ。生活は? 楽しい?」
「良く言えば退屈はしない、かも。ここ――寝子島っていつも……何と言うか、賑やか、だから」
「賑やか……ふふ、そうよね。それで、私もこうして、絢ちゃんにまた会えたわけだし」
ぽつぽつと絢が語る話を、涼子は、表情を華やがせて聞いている。
(お母さん、嬉しそう。……もし、これが夢だとしても、)
(私にとっては、幸せな一時だわ)
そう思いながら、絢は、まだほんのりと熱いがんもどきを、はふはふとして口に運んだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
8人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年02月07日
参加申し込みの期限
2019年02月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年02月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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