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寝子島高校
芸術科:演劇の授業の場合
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フジコ先生はすっと目を細め、次の役者たちに声をかける。
「はい!」
上ずった返事をした彼らは、飛んで跳ねて雑技団のようなパフォーマンスを披露する。
セリフは時折「ローミオー」「ジューリエットォ」謎の節を付けて歌うように繰り出された。
ロミオがバク転をしようとしたその時、パン。乾いた音が場を止めた。
「時間よ。もう結構」
冷たい視線で息を切らせた二人を射抜く。
「動きはいいわ。でもそれハムレットでもマクベスでもリア王でも同じよね」
しなやかに首をかしげ、短く切り揃えられた髪に触れて言った。
「私はロミオとジュリエットをしなさいと言ったはずなんだけど」
すみませんでした。消え入るような声と共に彼らは舞台を後にする。
フジコ先生は相も変わらず表情を変えることなく次の生贄を求めた。
「次は僕たちですね」
スラッとしたズボンとシャツを身にまとったシグレがすっと手を伸ばす。
「研究の成果、見せてあげましょうね」
その先には
音海 なぎさ
がいる。
彼はシグレの手を取り立ち上がる。
「……そうだね」
音海は腰まであるウィッグを着け、被るだけのワンピースを着ている。
ふわり。
スカートの裾を翻す。
(ボクは、女の子)
その行為によって音海は自らを女に仕立て上げる。
(さぁはじめようか)
自然と二人の視線が交差し、彼らの体が舞台へ吸い寄せられていく。
音海はシグレに支えられながら机の上に立つと、シグレはその下で片膝をついた。
パン。
「ああ、ロミオ……あなたはどうしてロミオなの……」
苦しそうに、すがるようにロミオを見下ろすジュリエット。
彼女の手は空をさ迷い、震え、美しいロミオに届くことはない。
ロミオは目を見開き、彼女を、月を見上げる。
見上げ、見つめ、苦悩に顔が歪み――首を振りながら俯いた。
ジュリエットの頬は濡れる。
「おねがい、ロミオ」
消えそうな声。弱々しい叫び。
「私との隔たりをなくして欲しいの」
ジュリエットの願いは夜の帳に遮られたかに思えた。
ロミオは立ち上がり、ジュリエットに触れようと必死に手を伸ばした。
ジュリエットは迷う。
自分で願ったとは言え、本当に彼の手を取っていいのか。
迷いの中にあれども、ゆっくりゆっくり細い指はぬくもりを求める。
まるで重力に逆らえないとでも言うように、バルコニーの下へと手が伸びる。
触れる。触れない。
そんな狭間に揺れる二人。
「お言葉通りに。ただ一言、俺を恋人と呼んでくれ。それでモンタギュー家のロミオは消える。二人を隔てるものは何も、ないっ!」
吐き出すように言葉を浴びせる。
返事は……。
一粒の雫がロミオの指先に降りた。
パン。拍手の音と共に静寂に包まれる空間。
シグレは音海の手を取り、ゆっくりと彼を机の上から下ろす。
ジュリエットの苦悩は床の上では綺麗に消え去った。
(女性を、恋心を表現できたかわからないけど、シグレ君が男性として格好いいからやりやすかったな)
(音海が女性らしい演技をしてくれたお陰で俺も感情移入しやすかった)
互いに思うところはあれど、それを口に出さずに互いの健闘を讃え合ってから静かにありがとうございました。と頭を下げた。
パチパチパチパチ。
合図のそれとは違う拍手が教室を木霊する。
フジコ先生だ。
(先生が拍手……!?)
あまりの衝撃に他の生徒は拍手をすることも忘れる。
「よく練ってある興味深い作品だったわ! もともと当時は全部男性が演じていた。つまり、非常に忠実なジュリエットよ。それに個性の出た台詞がエッセンスになっていて……」
良いものは良い。悪いものは悪い。演劇に関しては世辞も嫌味も全くない。
それが
富士山 権蔵
というおとこ、いや女……指導者だった。
それでも絶賛する姿など誰も見たことがない。
厳しい意見を受けることを覚悟していた二人も反応に困っている。
フジコ先生はそんな周りもお構いなしに続けた。
少しだけ、頬を赤く染めて。
「まぁ、もちろんまだまだよ! で、でも、悪くなかったわ。次はもっと頑張りなさいよね!」
なぜか少しどもるフジコ先生。
なんだろうかと僅かに教室がざわめく。
(なんだ? なんか変じゃないか?)
邪衣も違和感に眉をひそめる。
シグレと音海は困惑しながら客席側へ戻っていった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
つるこ。
シナリオタイプ(らっポ)
イエローシナリオ(50)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月16日
参加申し込みの期限
2013年07月23日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年07月23日 11時00分
参加キャラクター一覧
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