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月に喚ばれし悪魔の群と、とある落神の願い
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聞こえて来た歌に胸を掴まれ、
初瀬川 理緒
は横を向いた。
隣に座り込む
佐和崎 紗月
と目が合う。彼女もこちらを見ていたことに気づいて、胸に生まれたどうしようもない寂しさが癒えるのを感じる。
堪らなく嬉しくなって笑えば、紗月もほとんど同時に柔らかく微笑んだ。
恋人と同じ気持ちであることに、歌と声の切なさに苦しくなった胸が優しく弾む。――とはいえ、
(こんな格好、撮影でもしたことないわよ?!)
大好きな恋人と一緒に縄で縛られている状況は控えめに言ってよろしくない。しかも現役グラビアアイドルである理緒も経験したことのないくらいはしたない縛られ方をしている。
(良くない、良くないわ……!)
自分よりふんわりとした体つきの紗月の身体にぎゅっと食い込む縄のエロチシズムに理緒はムムムと唇を引き結ぶ。背に翼が生えているのも何だか背徳感を煽る。同じように縛られて動き辛い身体を何とか動かし、紗月の前に移動する。恋人と同じに背に生えた翼を大きく広げ、恋人が誰の目にも触れないようにする。
「理緒ちゃん……」
「紗月」
不安そうな声で身を寄せて来る紗月の冷たい手を、縛られた手でどうにか握りしめたところで、自分たちを閉じ込める檻の戸が開いた。
女悪魔の手下らしい球体関節人形たちに縄を解かれ、あれよあれよと舞台の上に立たされスポットライトを浴び、少女ふたりはどうしたものかと顔を見合わせる。
先に歌い始めたのは、大人し気な顔でずっと震えていた紗月だった。
(この歌)
理緒の視線を受けて、紗月は楽しそうに微笑んだ。
一度はピアニストを目指したこともある紗月の安定感のある歌声に導かれ、理緒も声を合わせる。それはいつだったかに気まぐれでふたりで入ったカラオケ屋でデュエットした恋の歌。
明るく軽やかに片思いを歌い、想い続けることを誓うその歌の最後、
(……キス、したっけ)
小鳥がついばむような軽いキスをして笑い合った。そのことを思い出し、理緒は自分の唇を抑える。その瞬間に同じ仕草をした紗月と目が合い、理緒はその場でぴょんと跳ねた。
揃って翼を広げて、歌はお終い。拘束もお終い。
ふたりのセイレーンは翼を羽ばたかせて仲良く飛んで行く。
「……マジか」
鳥籠の中から舞台を眺め、鳥籠の内側を眺め、
駿河 風雪
は頬を引きつらせた。
違和感を覚えて確かめれば、己の腰のあたりからも翼が生えている。
「マジか……」
その上更に己の身の酷い拘束のされ方にも顔を歪める。とにかく状況把握につとめようと視線を巡らせて、
「え? あんな格好にされるって?」
今正に連行され、檻の外側から蒼褪めた顔で檻内の己を見つめる同居人、
駿河 隼斗
と目が合った。腕の一部が樹木と化してはいるものの、想いを寄せながらも喪った想い人の子を、父親代わりとなって育てて来たかわいい義息を、見間違えるはずもない。
冗談じゃない、と呻いた隼斗は、その上更に信じられないことを口走った。
「風雪は顔がいいから似合うだろうけど」
「いや似合うわけねえだろ隼斗」
突っ込んでくる同居人の風雪から隼斗は目を逸らす。
男盛りな三十五歳の義父が、荒縄で芸術的に縛られているその様は、
「いかがわしいビデオみたいでこれはこれでおいしいけど」
小さく呟く。静かに想いを寄せる、己を育ててくれた男の破廉恥な姿はとんでもなく艶っぽかった。とはいえ自分がそこに加わるのは御免こうむりたい。
(風雪に見られるとか死んでもごめんだし)
となればやるべきことはただひとつ。
「せっかくだから今日の余興を映像に残したり、どう?」
隼斗は女悪魔に撮影の交渉を試みる。
「俺撮影するから。編集もするし。しかもフルHD画質で……!」
それに何より風雪が舞台に立つ姿をカメラで、16:9の四角で切り取りたかった。きっと、何時もより綺麗だ。
「あら、いいわねえ」
必死の交渉があっさり受け入れられ、安堵の息を吐く隼斗を風雪は一睨み。逃げやがったなと恨めしく思う気持ちが半分、義息のとんでもない姿を見ずに済んだ安堵の気持ちが半分。
撮影機材を喜々として用意し、自分の腕から蔦を伸ばして俯瞰の位置取りをする隼斗を眺める。カメラを構える真摯な横顔は、亡くした想い人によく似ていた。
鳥籠の戸が開く。舞台の央に立たされ、現在の職を小説家とする元俳優はさてそうだな、と翼を広げる。翼がついているのであれば――
「――耳元に、蝋の翼が陽の熱に溶ける音」
台詞に情景描写を混ぜるスタイルで語るは、蝋の翼で太陽を目指したイカロスの物語。
(太陽を求めて求めて、手が届かなくても諦められなくて)
こんなところまできた。
視線の先には、己だけにカメラを向けて来る隼斗が居る。そこにかつての己の太陽を見た気がして、風雪は硬く瞼を閉ざした。
崩れ落ちるように床に倒れ込む。それはイカロスの最後。太陽に焦がれ太陽に焼かれて落ちた男の死にざま。けれど、結末が落ちるだけでも、
(俺も)
きっとイカロスも、後悔はないのだろう。
結城 日和
は花と茎に変化した髪を揺らす。
(恥ずかしかった! 恥ずかしかった……!)
出番が回って来たお陰で解かれた縄の痕が薄く残る手首を擦り擦り、小さき俯く。うろたえることしかできないくらい、恥ずかしい格好をさせられてしまった。
(うう)
舞台袖から恨めし気な視線を向けるのは、安楽椅子に寝そべる女悪魔。彼女が元凶であるのは明白で、だからこそ彼女を満足させなければこの事態は改善しない。
(私の音楽が役に立つなら……!)
息を弾ませ舞台から引いた風雪にお疲れさまですと明るい笑顔を向け、日和は続けて舞台に飛び出す。手にしているのは、いつも持っているヴァイオリン。
「あの、私のヴァイオリンでよければ聞いてください……っ!」
奏でるのは、最近練習していた恋愛映画の楽曲。
(気に入ってもらえるように頑張らないと)
振り向いてくれない恋人に語り掛けるように、優しく切なく、そして情熱的に日和は音を奏で始める。
(この曲……)
いつか見た恋愛映画で聞いたことのあるヴァイオリンの音に、
夢宮 瑠奈
は閉ざしていた瞼をもたげた。途端、身体を戒める首輪と腕輪が目に入って、鳥と化した足と耳元に揺れる羽耳も目に入って、もう一度目を閉ざしたくなる。
(これじゃ鳥籠の姫君みたい)
なりたいものは、それじゃないのに。
「……こいのうたがいいの?」
ぽつり零す。瑠奈の言葉を耳にして、女悪魔は振り返った。
「ええ。聞かせてくれる?」
恋する少女の瞳で頷く女悪魔のリクエストを受けて、瑠奈は鳥籠の中から出された。縛めを解かれて舞台の上に立つ。
(あたしの歌による表現はどこまで通用するだろうか)
浮かんだ不安を振り払い、少女は歌う。
空は飛べなくても 抱きしめてくれるなら
わたしはいつだって がんばれるから
海を泳げなくても 手を取ってくれるなら
わたしはどこだって むかっていける
だからずっと見守っていて 大きなあなた。
きっといつかおいつくから 小さなわたし。
精一杯背伸びをして、精一杯わかるようにしたつもりで、
(それでもわたしより何歩も前を進んでいるあなたに追いつくために)
少女は歌う。
恋にもなりきっていないものを歌いたいと、願う。
「んー……」
頭に違和感を覚え、
倉前 七瀬
はリボンでぐるぐる巻きにされた両手を持ち上げる。欠けて瘤状になった角二本を頭に触り、首を捻る。教室で本を読んでいたはずなのに、奇妙な球体関節人形がわらわらとやってきて、あれよあれよとリボンやら拘束具やらで縛められた。そうして気づけば鳥籠の中。
(まあ、一芸披露すればいいらしいけん)
舞台の上に繰り広げられる歌や劇をのんびりと眺めていて、
「のわぁー!? ナンなんだよー!」
やたら賑やかな声を聞いた。女悪魔の手下達に担がれた
楢木 春彦
が、籠の中にぽいと投げ込まれる。
「いッ?!」
タンクトップから覗く妙に蒼白い肌を床に擦り、春彦は短い悲鳴をあげた。起き上がろうにも後ろ手に縛られている。あとなんかとんでもなくエロティックな感じに縄が巻かれている。
「あ、春彦ー。なんしよーとですか?」
場にそぐわぬおっとりとした声に顔だけを上げて、
「く、く、倉前先輩ーっ!?」
裸の方がまだマシな感じにリボンと拘束具を付けられ、その癖平然とした顔の七瀬の姿に思わず頬を赤らめる。
「あ、春彦も一緒にやりますか?」
春彦の恥ずかしい姿を見た途端、七瀬は女悪魔に見せる一芸に思い至った。もそもそと身体を動かし、懐から取り出した健全ではなさそうな表紙の小説を口に咥えて示す。
「いッ、……先輩、状況受け入れてねーで逃げるっすよー」
身体をぐいぐい締め付ける縄の感覚に顔をしかめ、春彦はもぞもぞ動く。縄を解こうと身体を捻り、ぽろりと取れた腕に目を瞠る間に上着がべろりと大きくはだけた。
「あんま、じっと見ねぇで欲しー……っす」
鳥籠ストリップ状態になりつつある己の状態に思わず声が掠れるも、逃げることを理解した七瀬はこともなげにリボンを千切り拘束を解いている。
「でも」
自由を得た七瀬は芋虫状態な春彦のほとんど裸な上半身を軽々と抱き上げ、剥き出しの胸に官能小説を乗せた。
「鳥籠からどうやって出……」
春彦に言いかけ、七瀬はちらりと首を傾げる。
「やっぱりやります? 僕と朗読」
「うっ、それは……」
七瀬の腕からもがいて逃れようとした背中に鉄格子がぶつかった。胸から落ちて開いた本の頁の冒頭にいわゆるア行な台詞を目にして、春彦は首を激しく横に振る。
「いや、」
拒否を示して気が付いた。格子にかじりつく勢いで女悪魔が観ている。
「いや、いや……」
ひ、と息を呑む。前方に七瀬、後方に女悪魔。退路は断たれた。
檻の中、しかも亀甲縛りな倒錯した状況で、アレでソレな朗読劇を終え、乱れた息でぐったり伏せる春彦とシレッとした顔の七瀬を満足気に見つめて後、女悪魔はヒールの踵をカツンと鳴らした。
「あー! 楽しかったー!」
キラキララメな仮面の奥の瞳をきらきら輝かせ、女悪魔は手下の小悪魔達を一ヵ所に集める。
「来れるならさあ~、ネコフェスもおいでよ」
自分たちの舞台が終わって後も残っていたオルカがひらりと手を振り笑う。
「その時は縛ったりしないでくれると嬉しいけどね!」
「ありがとねー!」
オルカに手を振り、他の人々にも手を振り、女悪魔はワンツースリー、と手品師のような掛け声をあげた。煙と共に一瞬でその場から消える。
安堵や疲弊の表情を見せる人々が多い中、
「嗚呼、行ってしまわれた……」
アケーチばかりが心底から残念そうに呟いている。
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担当ゲームマスター
阿瀬春
シナリオタイプ(らっポ)
ホワイトシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
冒険
バトル
神話・伝説
定員
1000人
参加キャラクター数
165人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年01月19日
参加申し込みの期限
2019年01月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年01月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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