this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
寝子島の風にのって、ぱたぱたぱたぱた
<< もどる
1
…
7
8
9
10
11
…
12
つぎへ >>
妖精たちが丹精こめて育む豊かな大地をとんと蹴ればふわりと浮き上がってどこまでも飛んで行けそうにも思えるくらい、澄み渡って明るい青空が広がっている。
「いーい天気ー」
空の青を掴むようにすらりとした両腕を伸ばし、
真境名 アリサ
は鮮やかな空を写し取った瞳を笑みに細めた。そうして手にするのは、青空ではなく、それよりもずっと近く、虹の色して実ったレインボーベリー。
摘み取ったままに一粒口に含めば、甘酸っぱい苺の味。瞬きつつ食んだ二粒目は甘い葡萄の食感。
「わお、ふっしぎー」
妖精杜の畑に伸びるレインボーベリーを採るための足場に腰を下ろし、アリサは心底楽し気に足をぱたぱたさせる。水着ガールズバーという仕事柄、スタイルには細心の注意を払わなければならないけれど、いつもならば食欲には厳正にブレーキを掛けているけれど、今日はここでたくさん農作業に励んでいる。
(ちょっとくらいなら)
自分にご褒美をあげたっていいかもしれない。
「別の階層では高値で取引されているそうです」
「そうなの? 農場主に融通頼んじゃおうかしら」
畑の傍に広がる妖精杜から出て来た
都府楼 暦
にそう教えられ、金銭にシビアなアリサはうっかり愉悦にも似た笑みを浮かべる。
両腕で大切に抱えた籠をそっと揺すりあげ、暦は不思議そうに首を傾げた。
(確かに綺麗だし美味しそうではありますが……)
深い森の色した瞳で愛おしそうに見下ろす籠の中には、妖精杜で採って来た色とりどりのキノコたち。赤地に白のドット模様、紫と赤紫のストライプ模様、蛍光色に白灰色。豊かな森の奥には、朽ちゆく大樹を床としたキノコの楽園が存在していた。
妖精杜の奥に見た、正に楽園の景色を瞼の裏に思い出しつつ、植物を愛しその中でも特に茸類を愛する少女は楚々と微笑む。
「良いところですね」
「そうねー、いいところよね!」
真っ白な雪を冠して聳える遥かな山脈まで見渡す限りに広がる星幽塔第三階層の大農場を見晴るかし、アリサは快活に笑った。
「……ん?」
モグラ妖精に翼持つ馬、さまざまの妖精がくるくると遊ぶように働く畑の一角、清水流れる水路の横に白いテーブルクロスを敷いた丸い卓と華奢な椅子のテーブルセットを遠目に見つけ、アリサは眉間に皺を寄せる。あれはいったいなんだろう。
縦ロールの銀髪を青いリボンで結い上げ、白い首と胸元にはきらきらと輝くチョーカーネックレス。降り注ぐ太陽の光にも怖じずに肩の柔肌をさらした上品な薄紫のドレスの裾を優雅に揺らし、
マーガレット・ライカー
は用意した椅子にふわりと腰を下ろす。
真っ白なテーブルクロスの上には、銀色のアフタヌーンティースタンドに薄い陶器のポットとカップアンドソーサー。
スタンドには、朝採れ卵をふんだんに使ったふわふわ生地で果物のコンフィを巻きこんだロールケーキ、風味豊かなバターの香がする焼き立てのスコーン、自家製カカオのチョコレートクッキーに果物をふんだんに使ったプチケーキ。
「完璧ですわ」
切れ長の青い瞳を細めて微笑めば、マーガレットお嬢さまの要望を受けて畑の脇にアフタヌーンティーの場を用意した小人妖精たちはキャッキャと無邪気に喜んだ。
いただきますわね、とハーブティーを満たしたカップを手に取る。
(イングリッシュティーではありませんけれど)
ふわりと漂う香は、これはこれで悪くはない。
「あっ、マガレちゃーん!」
軽快な足音と元気な声に、マーガレットは清楚に伏せた銀の睫毛を上げる。
「あら、タルトさん」
高く結った黒髪ポニーテールをぱたぱたと揺らして駆けて来る
響 タルト
の手には、レインボーベリー満載の果物籠。
「見て見て、いっぱい採れたよー!」
「まあ、良いですわね」
栗色の瞳をきらきらと輝やかせ、今にも跳ね飛びそうなほど楽しそうな一学年先輩の姿に、マーガレットは優しく笑う。
「お裾分け、どうぞ!」
ハーブティーのカップの隣にレインボーベリーを置いてから、タルトはこそり、マーガレットの耳に唇を寄せる。
「ところでマガレちゃん」
至極真剣な声音で口にするのは、大っぴらにはあんまり口しない類の話題。
「溶岩窟に行ったふたり、どう思う?」
いわゆる腐女子な匂いを普段から感じ取っているタルトから水を向けられ、腐嬢様を自覚するマーガレットは思わず口元を緩める。実在の人物を妄想の糧にしてしまうのは知られてしまえば危険でもありそうでなくともちょっぴり申し訳なくもあるのだけれど、
「そうですわね――」
「っきし!」
「ん、大丈夫か?」
全身を覆う金色の毛並を震わせてくしゃみする
ショート・K・トーニャ
に、
楢木 春彦
はオリーブグリーンの瞳を向けた。
「平気なんよ」
頭頂からぴょこんと飛び出した金色のアホ毛をぱたぱた、ふさふさの金色の尻尾もぱたぱた、宝石じみた翠の瞳でショートは笑う。
「つっても風邪引くよーなとこじゃねぇケド」
溶岩流の流れる脇の畑で収穫した炸裂イモを慎重に詰めた肩掛け鞄の蓋を閉ざし、春彦も笑う。熱せられた空気は湿気をも含み、拭っても拭っても汗が噴き出す。
「ぁあっちー……」
雨に降られたように汗で濡れた髪をかき上げ、春彦は視線を溶岩洞の出口へと向けた。外に出たら、農場のそこここに流れる清水で行水させてもらった方がいいかもしれない。
「頼まれた分の収穫もしたし、帰るか!」
「そうするんよ!」
よいしょー、とショートが一抱え程もある炸裂イモを両腕で持ち上げる。
「にしてもそれ、デッカく育ったよなー」
「大物なんよ!」
背中に生えた小さな純白の羽を上機嫌に羽ばたかせて歩き出した瞬間。ぱん! 大物を抱えて見え辛くなった足元、うっかり踏んづけた小さな小さな炸裂イモが爆竹のような音で爆ぜた。
「ひょ?!」
ショートの小柄な身体が僅かに宙に踊る。
「うお?!」
慌てて振り返る春彦が手にした鞄の蓋の隙間から、ぽろぽろと炸裂イモが零れて落ちる。
「溶岩洞で採れる炸裂イモは衝撃を与えると爆発を起こす、」
星の力を帯びた牧草を肩に担ぎつつ、
多喜 勇生
は妖精たちから教わった第三階層の作物の知識をおさらいする。
「テルミツ唐辛子は、――ん?」
透き通る青空の向こう、どかーん、だの、ばーん、だの、派手な爆発音が聞こえたような気がしたけれど。ふわふわと浮かぶ羊雲の空に一筋白煙が立ち昇ったようにも見えたけれど。
「んー?」
最近新調した薄型レンズ眼鏡越しの三白眼をこらすものの、一緒に星の牧草を刈っている妖精たちは何事もない様子で黙々と仕事をこなしている。
気のせいかな、と首を捻って、
「ん?」
「今、何か……」
隣の星型の薬草畑で同じように首を傾げる
吉住 志桜里
と眼があった。
「今日は」
爆発音に鋭く細めていた瞳を瞬きの間に柔らかく和ませ、志桜里は清楚な仕草で会釈する。
「うん、こんにちはー」
志桜里の挨拶におっとりと応じ、勇生はもう一度溶岩洞の畑の方角を見遣る。溶岩洞にも誰かが収穫に向かっていた。怪我人が出たりしていないだろうか。
「大丈夫ですよ」
心配気な様子を見せる勇生に、志桜里は栗色の瞳をどこまでもたおやかに優しく細める。
「こちらの皆さんに動揺がありませんもの」
それに、と小さく付け出す。
「万一何かありましても、私が助けに向かいます」
同い年ほどの少女が垣間見せた意志の強さに勇生は瞠目し、そうしてふわり、笑う。
「その時は僕も手伝うよー」
強靭な芯をふうわりとした笑みで丸く包んだ少女と少年の足元、藍染のバンダナを首に巻いた茶トラ猫がすばしっこく走って行く。
にゃー、と一声鳴くなり、茶トラは星の牧草畑に飛び込んだ。星の力を受けて健やかに育った薬草の根元を飛び跳ねるように駆け、
「わ、にゃーくん?!」
妖精たちと一緒に薬草を収穫していた
桜庭 円
の丸めた背中をひょいひょいと身軽によじ登った。定位置な肩に落ち着き、円の頬にぐいぐいと鼻先を寄せる。
「何か面白いことあった?」
夏草色の髪にも頬にも頬ずりしてはごろごろと喉を鳴らすにゃーくんに、円は思わず笑う。笑顔のまま、負けじとにゃーくんに頬を寄せる。
お陽さまをいっぱいに浴びて小さな身体ぜんぶがぽかぽかになったにゃーくんは、星の牧草畑と同じ匂いがした。
「うー、寒ッ!」
結い上げた黒髪を小さく揺らしながら
詠 寛美
が呟く度、唇から真っ白な息がふわりと生まれる。
氷結谷の畑は、年中氷と雪に包まれている。
不機嫌そうに眉間に縦皺を刻んでいても、かたちの良い黒い瞳をしかめていても、彼女はとても、
(……綺麗だ)
市橋 誉
は唇から思わず零れそうな言葉を心中に押し込める。きゅ、と唇を引き結ぶ。
そうして心を隠したはずだったのに、不意に寛美が黒曜石の瞳を上げた。横顔を見つめる視線に気づかれてしまったらしい。
自然と視線が絡まって、途端、寒さに白く凍えていた寛美の頬が一瞬で桜色に染まる。
「何見てやがる」
寛美は喚いた。猫のようにその場から飛び退き、戦闘体勢を取ってみせる。熱を帯びた頬をごしごしと手袋の手で擦り、怒ったような眼で睨んでみせる。
こちらは喧嘩腰だというのに、誉は柔らかな眼差しばかりを向けて来る。どうしたものかとほんの数秒途方にくれてから、片手に抱えた収穫用の籠からサファイア・リリーがはらはらと落ちるのを目に留めた。
「ああもう、花が零れちまった」
誉の視線から逃れ、雪の積もるその場にしゃがみこむ。雪の上に散らばって落ちる、水晶のように透き通った花をそっと拾い、籠に入れ直す。
「くそ、冷えるな」
手袋をしていてもかじかむ手に息を吹きかけたとき、ふと、周囲に舞う雪片が途切れた。冷たい背中にふわり、温かな気配を感じた。肩越しに見遣ってみれば、自身の防寒着を脱いで両手で頭上に掲げ、傘代わりに広げる誉の姿。
「バカ、それじゃお前が寒いだろ」
「大丈夫」
何でもないように誉は微笑む。弾む心臓を隠してどこまでも穏やかに、優しく。
「大丈夫だ」
たとえば、炸裂イモが誘爆する溶岩洞からショートを脇に抱えて飛び出して来た春彦の姿に腐女子ふたりが密かに胸をときめかせたことも。
擦り傷だらけでも元気な少年ふたりに勇生や志桜里がそっと胸を撫で下ろしつつ、爆発見物に向かおうとする円とにゃーくんを必死になって引き止めたことも。
結局あとで皆で見に行って派手な爆発音の割に溶岩洞の畑にさしたる被害がないのを確かめたことも。
たとえば、妖精杜の奥で茸の胞子を採取したいと熱く語る暦とレインボーベリーの他階層での販売経路について深謀巡らせるアリサに農場主が目を白黒させたことも。
それから、ダイヤモンドダストの氷結谷で密やかに奏でられた片恋の旋律のことも。
他階層と同じく第三階層での物語もまた尽きないけれど、――それはまた、別の物語。
<< もどる
1
…
7
8
9
10
11
…
12
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
寝子島の風にのって、ぱたぱたぱたぱた
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿瀬春
KAN
蒼色クレヨン
巴めろ
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
グリーンシナリオ(0)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
1000人
参加キャラクター数
112人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年11月25日
参加申し込みの期限
2018年12月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年12月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!