ギネスに挑戦！　ワンアワー・猫パンチ！｜リアクション

ギネスに挑戦！　ワンアワー・猫パンチ！

　サキリ・デイジーカッターも、チラシを手にして会場入り。
　受付に居た小山内の顔を見て、サキリはもしや、と尋ねてみた。
「やあ、小山内。参加者じゃなくて、今日はスタッフとしてお手伝いか。暑いけど頑張って」
『サキリくんもがんばって』
『はい、さんかしゃのゼッケンだよ』
　小山内が参加者が着用するゼッケンをサキリに手渡した。
　それを受け取るサキリの顔が期待で綻ぶ。
「ありがとう。それにしても、猫達の健康に配慮したイベントならこのイベントはやる価値あるね。甘い物まで食べられるとは良い企画だ」
『甘いもの、すきなの？』
「意外かい？　甘い物、とても好きなんだ。今日の目的の半分は、それを目当てにしてきたといってもいいくらいだね」
　照れ笑いするサキリ。
　そんな彼が、スタッフとして奔走している三折部を呼び止めた。
「すいません、実はお願いがあるのですが。これを見てください」
　サキリが用意したのは、印字された寝子島の白地図のシートだった。
「スタンプした猫達を元の場所に戻せるよう、連れてきた場所をシートに記録して貰えないでしょうか？」
　三折部はへぇ、と感嘆の声を漏らす。
「すごくいいアイデアだと思います。これ、開会式の時に、参加者の皆さんに周知させていただいてよろしいですか？」
「もちろん。是非、お願いします。猫達にもそれぞれ生活圏がある。いきなり連れてこられてその場で話されるというのも可哀そうだ。全ては難しいが出来るだけ元の場所に戻したい」
　サキリもまた、猫への優しさと配慮を兼ね備えた寝子島の住人のひとりであった。