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月夜に届く笑い声
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夏神神社には霊の類いの相談事がよく舞い込んでくる。今回は複数の声が寄せられた。
――寝子ヶ浜海浜公園を中心にした一帯に数多くの子供の幽霊が出没する、と。
正式な依頼ではなかったが、
夏神 零
は動いた。寝子島の歴史が書かれた本や文献を読み漁った。しかし、大規模な事故や災害の記述は見当たらなかった。
「海難事故の記録は残されておるが……決め手とするには数が少ない。やはり、現地に足を運ぶ必要があろうな」
白い狩衣に袴の姿で零は神社を後にした。
月の光を浴びた零は、どこまでも白い。海岸沿いを歩く姿は宮司の霊にも見えた。
「かなりの子供がおるでござるな」
赤い瞳で遠くを見やる。残念なことに近くに子供の姿はなかった。
零は、そぞろ歩くような姿で寝子ヶ浜海浜公園に訪れた。出入り口の手前の歩道で立ち話に興じていた二人の子供に目が留まる。
「そこの童よ。拙者と話をせぬか」
黒目勝ちな男の子が顔を左右に振った。側にいた一人は腰が引けた格好で睨んできた。
「ボクたちはワラビじゃないよ」
「そうだ、そうだ」
不思議そうな顔をした零は、なるほど、と口元を緩めた。
「言い直すでござる。そこの子供よ、なにをしておる?」
「お兄ちゃんを待ってるんだよ」
「ほう、お兄ちゃんとな。約束でもしたのでござるか」
「うん、遊ぶ約束をしたんだ」
男の子は元気に答えた。残る一人も、そうだよ、と背筋を伸ばして言った。
「遊ぶのは良いが、家の者は心配しておらぬか?」
零は柔和な顔を作った。ほんの少し過去に触れて男の子の反応を窺う。
「わからないよ」
「お主、寝間着であろう。心配しておると思うが」
男の子は自分の服装に目を向けて、降り始めの雨のような言葉を呟いた。
「……ボクは、たくさん、寝てた。なんか……悲しくて、わからなくなって……。今はお兄ちゃんと、いっぱい遊びたい」
返す言葉は無く、零は優しい眼差しで接した。
そこに赤い髪の若い男女がやってきた。色は黒とピンクで、どちらも動き易いジャージを着ていた。
黒いジャージの
佐々 藤寿
は左右の肩を回しながら声を上げた。
「ちゃんと来てやったぞ、ガキども。身体を動かす遊びなら、なんでもやってやるぜ」
「みんな、こんばんは! 目つきの悪い人の妹を十六年もやっている、あたしが寿美礼だよー、よろしくね!」
八重歯を覗かせた笑顔で
佐々 寿美礼
は周囲に愛想よく手を振った。隣りにいた藤寿は顔を逸らして軽く舌打ちした。表情は満更でもなかった。
「お兄ちゃん、忘れないできてくれたんだね」
男の子が笑顔で側に駆け寄る。
「だから言っただろ。この俺が忘れるかよ、ってな」
出会った時と同じように男の子の頭を乱暴に撫でた。
「他のガキはどこだ? さっさと公園に行くぞ」
公園に入る間際、藤寿は零の耳元で囁いた。
「勝手に成仏させるなよ」
「わかったでござるよ」
「侍かよ、お前は」
藤寿は苦笑した。後続の寿美礼は、藤兄は口が悪いんで、と笑って言った。
二人の兄妹に続いて零も公園に入っていった。
公園を一望できる場所に立った。逸早く、藤寿が周辺に目を向けた。
「なにをするにしても、まずはガキを呼び集めねぇとな」
「あたしに任せてよ!」
寿美礼は大きく息を吸い込んだ。
「かけっこする人、この指とーまれっ!」
頭の癖毛と人差し指をぴんと立てて、その場で勢いよく飛び跳ねた。
「かけっこする!」
「わたしも」
「ぼくだって」
方々から声が押し寄せた。寿美礼を中心に季節外れのおしくらまんじゅうが始まった。渦中の人物は、負けないからねー、と張り切る。
「おいおい、寿美礼。かけっこするんじゃなかったのかよ」
「そうだよ、もう、なにさせるかなー。ほら、みんな横に並んで」
子供を整列させている間に藤寿が目で道をなぞる。
「走るコースだが、池を大回りするぞ。桜川の方はカーブがきついから無しな」
細かい質問には藤寿が指で道を示した。
子供達は二列に並んだ。少し押し合う場面はあったが、大きな騒動にはならなかった。真剣な眼差しは道の先のゴールに向かっている。
「俺の実力を見せてやるか」
ストレッチ運動が本気を思わせる。寿美礼はそれとなく近づいて囁いた。
「藤兄は手加減してよね。相手は小さい子供なんだから」
「この俺が、ガキ相手に本気になれるかよ」
二人は子供達の後ろに付けた。
「準備は整ったようでござるな。僭越ながらスターターを務めさせていただく。よろしいであろうか」
零は道から外れたところに立っていた。頼むぜ、と藤寿は横手を見て言った。
「――位置について、用意」
零は右手を高々と上げた。一切の私語は無くなり、前傾の姿勢で瞬間に備える。
「ドン、でござる」
手刀の如き一閃を振り下ろした。
一斉に子供達が飛び出した。最初の緩やかなカーブを一丸となって通過していく。
「ござるにやられた!」
やや出遅れた藤寿が大きな腕の振りで猛追した。直進で距離が縮まり、カーブで引き離される展開となった。
「こんなチビッ子に大学生の俺が負けるかよ!」
余裕のない表情で直角のカーブに挑んだ。踏み込んだ足が滑る。勢いは止まらず、身体は道の外に投げ出され、宙を回転して見事に後頭部で着地した。
「石が、石の粒が下に!」
両腕で頭を抱えた藤寿が転げ回る。
間近で見た寿美礼は爆笑した。目尻に涙を溜めて途切れ途切れにいう。
「そ、そんな転び方は、反則だよ。あ、頭から落ちるなんて。藤兄ったら、お、おちゃめなんだから」
早々とゴールした子供達と一緒になって笑った。
「お前ら笑い過ぎだ。そこのガキ、指差してんじゃねえよ、ったく」
後頭部を摩りながら藤寿は立ち上がった。試すように頭を振ると、ようやく表情に余裕が生まれた。
「こんな無様な終わりがあるかよ。今度は鬼ごっこだ。俺が鬼をやってやる。ほら、逃げろ逃げろ」
手で追い払う真似をした途端、子供達は笑顔で逃げ出した。追い掛ける藤寿は、お前ら、ちんたら走るな、と口の悪さを見せつけた。その目は優しく、吐く息には微かな笑い声が含まれていた。
「あんなに楽しそうな藤兄、久しぶりだなあ」
寿美礼は三つ編みを留めていた猫の髪飾りに触れて、そっと手の中に収めた。
「これ、藤兄がくれたんだよ。優しいんだから、いつも笑ってたらいいのに」
しんみりとした言葉を振り払うかのように寿美礼は走り出した。子供に混ざって笑顔を振り撒く。
邪魔にならない位置に零は佇んでいた。
「……このような成仏の仕方も悪くはないでござるな」
零は星々を見上げて呟いた。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月15日
参加申し込みの期限
2013年07月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年07月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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