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維都月 茉菜
は黒い布に覆われた細長い台を一人で押していた。キャスターが付いてはいても右左と方向が安定しない。
「持って運ぶよりは楽でいいよね」
清々しい顔で寝子ヶ浜海浜公園の見えるところまでやってきた。
一度、大きな息を吐いた。水色のチュニックの胸元を何度も引っ張る。
「なんか涼しいー」
海に向かって両手を広げた。すぐに我に返り、急がなくちゃ、と台を押し始めた。
公園の出入り口の僅かな段差に手間取ったものの、茉菜は無事に目的地に到着した。周囲に好奇の目を向けながら奥に入っていく。
「噂は本当だったんだね」
周辺を走り回る子供達に釣られて茉菜も笑顔となった。
「どこがいいかな」
活発な子供に注目して、無理かな、と呟いて他を探す。自然にベンチに目がいった。子供の姿が多く見られた。中心には二人の男性がいた。
「あそこがいいかもね」
台を押す手にも力が入る。数人の子供が振り返る。一人の女の子が台を見て言った。
「それ、なに?」
「人形劇の台だよ。カメとウサギが登場するよー」
茉菜は喜びを隠し切れない様子で答えた。その遣り取りに作業の手を止めて、あやめが反応した。
「……どのような、劇なのですか。少しは、お役に立てるかも、しれません……」
「あ、ちょっと待ってくださいね。台を運んじゃうんで」
茉菜はベンチの前に回り込んだ。台の位置の微調整を終えて、よし、と声を出した。
その後、隆弥を含めた三人は顔を突き合わせた。身振り手振りで茉菜が物語の概要を説明した。
あやめは小さく手を上げた。
「あの、僕が悪者のカメを、やってもいいですか……」
「いいんですか? こっちは助かりますけど」
「俺はウサギをやろうか」
隆弥の言葉に茉菜は喜んで、数瞬で考えるような顔付きになった。
「あの、時間が無くて。ウサギは一つしか作ってないんですよ」
「そうなると俺の出番はないか」
「折り紙の兎なら、ここに、作ってあります……」
あやめはベンチに置かれた兎を摘まんだ。
「うんっ、私は折り紙のウサギでやりますね」
「僕は登場の前に……カメの使う銃を、折り紙で作っておきます」
「グッドアイデアですよ。あまり子供を待たせちゃ悪いので、細かいところはアドリブでよろしく!」
即興で集まった三人の人形劇の開演である。
台の上にはフェルトで作った人参が山積みにされた。その隣ではピンクの大きな兎と小さな兎が言い合いを始めた。
「この俺様の身体は大きいのだ。そのニンジンを全部よこせ」
「そ、そんな無理ですよ。私の食べる物が無くなってしまう」
小さな兎が震えながら訴えた。その演技に触発された子供達が、そうだ、そうだ、と声を揃えて言った。
「ええい、黙れ。この畑は俺様のものだぞ」
「そうですよ。だから、約束の量のニンジンを持っていったじゃないですか」
「黙れ、黙れ。今日から値上げになったのだ。ここにあるニンジンを全部よこすのだ」
子供達は口々に文句を言った。幼い女の子は、小さなウサギさんがかわいそう、と涙ぐんだ。
そこに銃声が轟く。あやめの迫真の声であった。
台には緑色の亀が颯爽と現れ、折り紙の銃を構えた。子供の目を一斉に集める。台に隠れた二人も例外ではなく、衝撃を受けた表情であやめを見つめた。
「ぐっはははは、ウサギ共! このカメんじゃーが全てのニンジンをいただく! おっと下手に動くんじゃないぞ。この銃がおまえたちの心臓を撃ち抜くぞ」
「わ、わかった。撃たないでくれ。おい、チビウサギ。カメんじゃー様にニンジンを差し上げろ」
「な、なんで私が。あ、痛い。やめて、蹴らないで」
小さな兎は一本のニンジンを押すようにして亀の前に差し出した。
「ぐっへへへへ、これでニンジンはカメんじゃー様のものだ。ん、なんだ? このニンジンから、カチカチという音がするぞ」
亀は置かれたニンジンに耳を寄せる。瞬間、ドカーン、という声で吹き飛んだ。その影響で持っていた銃を失ってしまった。
「ま、まさか、ニンジンに似せた爆弾を渡すとは。や、やるではないか、チビウサギよ」
「ま、まいったか、カメんじゃー。私は小さくても、勇気は大きいんだ」
「あの、さ。チビウサギ、ありがとう。助かったよ」
ピンクの兎に小さい兎は、いいよ、と一言で許した。亀は仰向けに倒れたまま、小刻みに動いている。
「カメんじゃー死なないで」
誰かの声は全員に引き継がれた。励ましの声に亀は、許してくれるのか、と問い掛ける。子供達のほとんどが大きく頷いた。
小さな兎は別のニンジンを亀の側に持っていった。
「カメんじゃー、このニンジンを食べて元気になりなよ」
「い、いいのか。俺様は、酷いことをしたんだぞ?」
「みんなで美味しいニンジンを仲良く食べようよ」
亀は泣き声で、ありがとう、と感謝を口にした。
子供達の拍手が沸き起こる。台の裏側では三人が握手を交わした。
「でも、驚きましたよ。ほとんど豹変じゃないですか。もちろん、良い意味ですよ」
茉菜の言葉に隆弥が、俺も思った、と同意した。
「……所属している、その、劇団の舞台に……立つのと重なって、このように、なりました……」
視線を合わさないで呟くあやめに、そのようですね、と二人は微笑むのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月15日
参加申し込みの期限
2013年07月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年07月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
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