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せんせいといっしょ:樋口先生のろっこんお悩み相談室
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【
志波 拓郎
の場合】
「高野先生や、浅井先生……には、相談できない……内容、だから……
樋口先生、いま……ちょっと、いいですか……?」
ある雨の日の放課後、廊下で樋口先生を呼び止めたのは、陸上部の
志波 拓郎
だった。雨天とはいえ、体育館で筋トレはできる。彼が練習にすぐ向かわず、こんな所でぐずぐずしているのは珍しい。
「ええ、じゃあこれ持ってくれるかしら?」
その言い方から相談内容を察した先生は、荷物を運ばせる口実で、彼を音楽準備室に招き入れたのだった。
「キッカケ……最初の部活だったかな?」
ゆっくりと言葉を選びながら、やがてポツポツと拓郎が話し出した。初めてろっこんを自覚した時の話なのだろう。
「いつも通り、頬を叩いて飛んだら……思い切りとんだ。
それこそ大会新記録なんて余裕な位に」
サァ……と合間合間の沈黙に、雨の音が混ざる。とくに先を促すこともせず、黙ってただ耳を澄ましている樋口先生。
「色々試して、頬を叩いて5秒以内に走って跳ぶ、っていうのは分かったんですけど……
問題は、『頬を叩いて走り出す』のが、今まで跳んできたときの癖だってことで……
今も意識しなきゃ、条件満たして……その時はこけたりでごまかしてますけど……」
無意識なのだろう、擦りむいた膝を制服の上から撫でている仕草を、ちらりと先生が見る。
「『ひと』の前では弱くなるみたいだけど、それでも跳んだ記録は自分の物じゃない。
競技では使わないように意識すれば、跳ぶのに集中できない……
力になってるのは分かってるけど、障害にもなってる気がするんです。
先生、どうやってこの力とつき合っていけばいいんでしょうか……」
しばらくの沈黙と……雨音、拓郎もじっと答えを待つ。
やがて、樋口先生が口をひらいた。
「跳んだ記録は自分の物じゃない……つまり志波くん、
あなたはそのろっこんを、自分の力じゃない……
自分の一部だとは思っていないと、そういうことになるのかしら?」
「ああ……。そう……かも、しれません。
ろっこんは、ある日突然与えられた力……何と言えばいいか」
できるだけ、自分の気持ちに正確な、言葉を探そうとする拓郎。
「そう、自分が……努力して手に入れた力、じゃない……から」
「なるほどね……あなたらしい答えだと、先生思うわ。
でも……難しいわね。先生はスポーツは素人だけど、癖なら簡単には治らないでしょうし、
意識すればするほど競技に集中できないというのも、分かる。困ったわね……」
悩み始めた先生を見かねて、拓郎が席から腰を浮かせた。
「いえ、聞いてもらえただけでも……大分楽になりました。ありがとうございます」
「そうだわ、2年生のあなたのお兄さん。確か同じ体育科だったわよね?
スポーツの悩みなら、身近な人に相談してみたらどう?」
「兄貴……いや、その、苦手で……」
「あら、そうなの? いつも廊下でイチャついてて、とっても仲良さそうに見えるけど」
「イチャ……ついてないです(ショック)……邪魔にしてるん、です……」
ずーーん、とうなだれて退室しようとする拓郎に、「あ」と短く声を上げて先生が呼び止めた。
「そう、じゃあ、志波くんのろっこんって──」
え……と振り向く拓郎に浴びせられたのは、衝撃のひと言だった。
「あなたのろっこんって、もしかしたら、あなたのお兄さんみたいな存在なのかもね」
「ハ……?」
あんぐりと口を開けて凍りつく拓郎、ようやくうめき声のように、
「な、なん、何で……」
「あら、だって。あなたの一部じゃないのに、いつもあなたの側にいる。
普段は邪魔に思うかもしれないけれど、いざという時にはきっとあなたの力になってくれる。
わりと似てると思わない?」
「…………ち、違うと思う、思います」
ようやくそれだけを絞り出すように言う拓郎に、
「あら、違うならそれでいいの。
ごめんなさい、ふと思い付いたことを言ってみただけだから。
あんまり気にしないで、ね?」
念を押すように先生がそう言って、
「ろっこんとも、お兄さんとも、うまく付き合っていけるといいわね」
笑って閉まったドアの向こうで……まだ呆然としている陸上部員が、いつまでも、1人。
【
八重崎 五郎八
の場合】
ある昼休み、音楽準備室を訪れた
八重崎 五郎八
は、競技かるたの練習相手になってほしいのだと樋口先生にお願いした。
そのいきさつは、こうだ。
「私と対戦を?」
熱いお茶をお盆から五郎八に渡しながら、少し驚く先生。
「はい、ぜひ先生に。今度、昇段のかかった公式大会があるんですけど。
自分のろっこんが競技中に、発動してしまわないか不安で不安で」
「あなたのろっこん、って?」
「ええと、論より証拠ですかね……先生の一番好きな和歌って何ですか?」
「そうね。オウコ──」
「ええっ。せ、先生? それ、失恋の歌ですけど」
「あら、何かおかしいかしら?」
「い、いえ……」
とたじろぎながらも、脳内でその一首、
──逢ふことの絶えてしなくはなかなかに人をも身をも恨みざらまし
を詠み、先生を見据えて念じる五郎八。これでろっこんが発動すれば、先生がこれから言うことを先んじて言い当てられるはずだったが、しかしこれは上手くいかなかった。実演をあきらめ、
「ええと……私のろっこんは、最初の1文字を聞いただけで、
次に相手がしゃべる内容を、瞬時に31文字まで先読みできるという能力なんです」
「まあ……まるで、百人一首のためにあるようなろっこんね」
「そうなんですよ!」
我が意を得たりとうなずく五郎八。能力の発動条件も説明し、
「競技かるた中に何かの拍子で発動して、
読手の読む札を先読みしてズルしてしまわないか、不安なんです」
「それで……私に練習相手になってほしい、と?」
「お願いします。慣れればきっと、制御出来るとは思うんです……。
こんなこと頼めるの、ろっこんのことを知っている先生しかいません」
などと神妙な顔をしてみせる、五郎八なのだったが。
実のところは、違う。
(フフフ……ろっこんでズルしたくないというのは、あくまで口実……)
段位昇格を控えて強い練習相手が欲しい、というのが彼女の本音なのだ。
その点、
先日の百人一首大会
で五郎八と互角の勝負を繰り広げた先生なら、大きな大会を想定しての練習にはもってこい、と考えたのである。
「ええ、分かったわ。私でよければお相手しましょう」
「やった! ありがとうございます!」
跳び上がって喜ぶ五郎八、一方で先生の方は音楽準備室の室内を見回し、
「でも、ここじゃ畳が無いから、対戦は無理ね。
先生着物だけど、袴までは持ってきてないし。
そうだ、それに読手は誰に頼むのかしら?」
「えっ、ええっとそれは……」
細かいところまでは、まだ考えてなかった五郎八なのだった。しかし、先生の机の上にあるPCを見つけて、
「あ、そうだ。PC使わせていただければ、読み上げソフトとかもありますから」
「でもそれじゃ、あなたのろっこんの制御の練習にはならないでしょう?
八重崎さんのろっこんは、人間を相手にしか先読みできないんだから……あら? 変ね」
そこでふと、考えこむ樋口先生。
「相手を見据えて念じることが、ろっこんが発動する条件なら……
読手の方を見なければ、それで誤発動することなんてないんじゃないの?
ううん、むしろ競技中に、ぼんやり読手を見ていることなんてありえないわ。
読み上げの最初の1文字目だけで、瞬時に札を取りに行かなきゃならない競技なんだもの、
そんな時に余所見をしているはずがない。
──八重崎さん?」
「あー……ばれちゃいましたかぁ」
うん、バレるのは時間の問題だったけど、予想外に早かった。
「すみませんでした、仰る通りです」
とさばさばと詫びつつ、
「でも、段位昇格に向けてどうしても、強い練習相手が欲しかったんです。
改めて真剣にお願いします。どうか私の相手を……」
「ふう、ろっこんの相談にかこつけるなんて、ちゃっかりしてるわね」
と苦笑する先生。
「でも、あなたのそういうしたたかな所、かるたでは武器になると思う」
はっと顔を上げる五郎八、
「このあいだ、お着物を頂いたでしょう。あれを明日、持ってらっしゃい。
着付けてあげるから」
「えっ、先生、じゃあ」
「本番は着物、練習でも着物で今から特訓よ」
そう言って樋口先生は、にっこり笑ってみせるのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
鈴木二文字
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年08月01日
参加申し込みの期限
2013年08月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年08月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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