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<花浴衣>花衣まとう君へ
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その頃、アクセサリーを受け取った
八神 修
は、改めてジューススタンドの前で思案に暮れていた。
目の前にある蜜の種類の数は、多すぎて企業秘密だという。
思わず、胸に至る感嘆に独りごちる。その思考の色は一つ。
『味比べしたい』
「これらを──是非、味比べがしたいのですが。花の蜜だけで、水で割らずに出してもらうことは……」
「お、おう。少しずつなら構わねぇが……どのくらい入り用だい?」
「ひとまず『選べる花の蜜オプション』の端から端までを一通り」
──こうして修は、ジューススタンドからいくつも並べてもらった花の蜜、口直し用の水、香りを楽しむ為のお湯。味見用の匙を複数受け取り、それを手に持てる範囲でイートインスペースに運搬し始めた。
植物園らしき通路を抜けた先。そこでは、テーブルやベンチには植物図鑑には絶対に載っていない大きな花で出来ていた。よく見れば、椅子も巨大なフキの葉のように出来ている上に、時折上がる打ち上げ花火の後には、雪のように色とりどりの花びらが降ってくる──
「すごい……!」
「……ええ」
植物が視界に入らないところが一区画もない、花と緑で埋め尽くされていると錯覚しそうな空間に、
仙藤 紫
と
仙藤 蒼
は立っていた。
どんどんおかしな事になっているような気がしたが、蒼のその瞳は見れば見るほど一気に輝いていった。
「あ、お姉ちゃん! あそこに飲み物屋さんがある!」
「ええ。行ってみましょうか」
「うんっ!」
こうして二人は、ジューススタンド『MI・TSU』と看板がある方へ歩き始めた。
「花の蜜のジューススタンド……こんなにあると目移りしちゃうね」
「私は、氷水割り。花の蜜シロップはお任せで」
「お姉ちゃん早いっ!
私は……っと。うん、お任せジュース割りで」
こうして注文を終えた二人の元に、店主の手により二つのカップが勢い良く置かれた。
「あいよ! お待ちっ!!」
「ねえ、花の蜜って種類どのくらいあるの?」
「そうさなぁ、企業秘密だが数え切れないなぁ」
そのような話をした蒼が、紫と共にイートインスペースに行く間までに、じっと手元のカップを見て考える。
「数え切れない中からの、お任せの一種類ってとこね。
他のも少しだけ味見してみたかったも……でも、さすがに一人で飲むのは無理か──」
蒼の何気ないそんな一言。するとそこに、
「──先輩!
仙藤先輩! 丁度良いところに!」
──声が掛かった。
「花の蜜のドリンク……」
それより少し前のこと。修が運搬作業の側らで、花の蜜ジュースに手を出そうか悩む
恵御納 夏朝
の姿に気付いたのは、しばらく経ってからのことだった。
「恵御納じゃないか。来ていたのか」
「あ、八神君! こんばんは、来ていたんだね」
夏朝が、パペットのハルくんと一緒に修に向かって挨拶と会釈をする。
「これから花の蜜ジュースを頼むのか?」
「うん、でもたくさんあるからまだ何も決まってなくて」
「それなら、これから各種類の蜜の味見をしようと思っているんだ。
さっき少しだけ味見したら、予想以上に美味しかった。
無駄にはしたくないし、恵御納もお裾分けに是非どうだ? 一緒に」
修の誘いに、味に悩んでいた夏朝の顔が一気に晴れた。
「うん! 八神君が味見させてくれるなら喜んで!」
「それじゃあ、ジューススタンドから運ぶのを手伝ってくれないか。一人で運ぶのにも少し難があって」
これはまさに互いにとって渡りに船。二人でイートインスペースまで運べば、種類が多くともあっという間。
そしていくら大きいと言えど、テーブルに並べば、その紙コップの数の威圧感ときたら。
「……二人でこれは、少し、多かったか……?」
「多いか、も──? あ、ちょっと待って!
──先輩!
仙藤先輩! 丁度良いところに!」
「……恵御納さん?」
飲み物に悩んでいた蒼とそれを聞いていた紫が、掛けられた声に振り返る。
すると、そこには紫の後輩である夏朝が期待と不安を込めた眼差しで見つめていた。
側の修が花の蜜についての事情を説明すれば、
「……どうしましょうか」
今丁度、味の話をしていたばかり。蒼に紫が問い掛ければ。
「──うん、丁度良いかもっ。蜜の味そのままならお腹もいっぱいにならないわね! 賛成!」
元気に広がる蒼の同意の言葉が、弾けるように響き渡った。
花と葉で出来たイートインスペースに、
源 竜世
と
タイラ・トラントゥール
の二人は、それらを目にした驚きを伴いながら、花のテーブルの一つに腰を落ち着けた。
そしてタイラが一息つく間もなく、目の前の竜世は、テーブルの上に置いた花の蜜ドリンクの炭酸オレンジジュース割りを、躊躇うこともなく、元気よく一気に煽り飲んだ。
「シュワシュワ甘くてすげーおいしい!」
「だからお前は──!!」
いくら叫んでも、まだ繰り返したいこの思い。
この良く分からない世界で、タダで出された飲み物の安全性など、誰も保証してはくれないというのに。それでも、躊躇いなくそれを飲む目の前の存在は──
「へーきへーき! タイラもこれ飲んでみろって!」
「誰が飲──!」
タイラが強く突っぱねようとしたところで、ふと、気が付けばこちらを緊張気味に凝視している竜世の視線とぶつかった。
「……。少しだけだからな」
──相手の顔に花が咲く。
いつの間にか、ほんの少し相手に甘くなっている自分に、一時の気の迷いだと思い込みながら。タイラは完全に根負けして、竜世に差し出されたジュースを喉に通した。
ぱちぱちと音を立てながら、柔らかく甘く、そして優しく、喉に花の香りが広がっていく──
「味は、悪くない……な」
「だろだろー! そんじゃタイラのもちょーだい」
「おい──!」
そう言うと、竜世が今度はタイラの目の前に置かれていたカップを、あっという間に手に取って。断られる前に躊躇いなく、こくんと一口喉に通した。
「これもいいなー!!」
ジュース割りとは異なる、ピュアな炭酸水で割られた味も捨てがたい。
タイラが唖然としたまましばらく経つと、味の堪能が終わったのか、誘拐されていた自分のドリンクが手元に戻って来た。
「(……本当に、せわしない奴)」
そう、今まで何度も、きっとこれから先も繰り返す感想を、タイラは小さく心に置いた。
「それにしても、広場の中も色々な花があって綺麗ねぇ」
飲み物を片手に、
早坂 恩
が辺りを見渡す。
目に入るのは、瑞々しい緑と鮮やかな花々の数々。
「おうよ、咲いている花を土産に持って帰る客もいるな!」
「あら、素敵かも。良かったら皆で少し見て回らない?」
その提案を受けて、見渡しながら離れない程度に、いったん皆で思い思いに歩き始める。
神嶋 征一郎
も入口側の植物園にあったバスケットに、いくつかの花を入れながら歩いていく。その中でふと咲いていたアネモネの花を目にして、征一郎は立ち止まった。
数輪咲いている中でも、瞳に映ったアネモネは、他の花よりも花びらが桃色じみており、とても柔らかい色合いをしていた。
「………………」
『ディアナの風』──征一郎には、そう名の付くアネモネの花を模したイヤリングを贈った少女がいる。
『可能性とほんの少しを望み待つ意味も込めて』そう、想いを込めて。今目の前にあるアネモネの花は、まさにその彼女の──日和の姿を思わせた。
「……」
これも、持ち帰れたら。そっと、征一郎はその花弁に手を伸ばしかけて、やめた。
持ち帰るには、まだその時ではないような。そもそも、自分からこの花に触れられる身ではないような、とても不思議な気持ちに駆られる。
ただ一つ言えるのは──その花は何故か、目にしているだけでも幸せになれた。
「あれ? 神嶋ちゃんどうしたの──何だか、別人みたいな顔してるけど……」
立ち止まり、ただ目を細めてその花を見つめていた征一郎に気付いた
御庭 凪糸
が、不思議そうに声を掛ける。
「何だ、その別人みてぇな顔っていうのは」
「いや、なにかもう『見るからに幸せです』っていうか……本当に、神嶋ちゃんもそんな顔するんだって──あ、待ってよー!」
その言葉途中で、征一郎は俯き大きな歩幅で凪糸を放置して歩き出した。
己の顔が、僅かに熱いのは気のせいだと思った。
「たくさん話を聞いてしまいました……」
切っ掛けは少し残念ではあったものの、同時にジューススタンドの店主から、
綾辻 綾花
はこの祭りの様々な事について教わる事ができた。
一緒に無料で配っていると渡されたろうそくや花火など、想定外の手荷物が増えてしまったので、綾花はイートインスペースに一旦足を向けて荷物をそっと花のテーブルの上に置く。
「花のテーブルは、少し不思議な感じ」
その不思議さに綾花は思わず微笑んで、側に据え置かれた弾力のある葉っぱの椅子に腰掛けた。
「──えっと、おみくじ付き花火と、あそこに見えるのがステージ。後は──」
大きな音を立てて、会場の真上に打ち上げ花火が上がった。
とても近い位置の花火。その降り注ぎそうな火花の代わりに、会場に仄かな雪のように、色とりどりの花びらが揺れながら落ちてきた。
綾花の目の前にも、はらりと。自分の花浴衣と同じ、桔梗の花弁を思わせる紫の花びらが滑るように目に映り込む。
綾花が半ば無意識にそれに手を伸ばせば、花びらは、必然とばかりにその手の平に収まった。
「……地面に付く前に拾えれば、幸せになれる花びら……」
ジューススタンドの店主に言われた内容を反芻する。
綾花の手の中で、花びらは仄かに光を放っているようだった。
「栞にして保存出来たら素敵かも」
そうして、見ているだけで満ち足りたような不思議な感覚を味わう花びらを見て思う──
幸せになれたらいいな。
綾花は湧き上がる嬉しさを隠すことなく、その表情に浮かべて微笑んだ。
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3人まで
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SF・ファンタジー
動物・自然
オールジャンル
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15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年10月14日
参加申し込みの期限
2018年10月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年10月21日 11時00分
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