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<花浴衣>花衣まとう君へ
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目を開ければ、そこは異変に出会う前。自分が最初にいた場所だった。
御巫 時子
はしばし不思議そうに首を傾げて、巾着の中身を確認してみる。
見れば、きちんと入っている。光ってこそいないが、花火の時の花と、花びら、そしておみくじ。
でも──
「(先生に……会えませんでしたね……)」
今も模様の残るせっかくの素敵な浴衣。これで想いを寄せる
五十嵐 尚輝
先生に会えたならどんなに良かった事だろう──
心に落ちる哀しみに、ため息と共に諦めようとして……
「あ……」
そこで思い返したおみくじの内容。
「瞳を閉じて、十秒──」
時子はその言葉通りに、目を閉じて数を数え始める。
……8、9、10。
「なんて、無理ですよね……」
少し哀しく、残念さを圧して明るく割り切ろうとして、
「おや? その姿は御巫さん、ですか……?
向日葵……素敵な、浴衣ですね。お似合いだと思います」
「──!!」
背後から声が掛かった。
時子が、弾けるように顔を上げて振り返る。
そこには確かに、ススキのくたびれた浴衣を着た五十嵐先生の姿が。
大切な人と、同じ時間を共有出来るのは、まさにこれから先のこと……
ふと気が付くと、
綾辻 綾花
も『ささやかな花と緑の祭』に迷い込む直前の場所で、立ち尽くしている自分に気が付いた。
「夢……?」
急いで巾着袋の中を確認すれば、浴衣の模様からお祭りの花やおみくじ、丁寧にハンカチに包まれた花びらが、きちんと残っている。
──思わず、表情が綻んだ。
「枯れないうちに花びらを栞にしなくっちゃ」
そう呟く綾花の表情は、祭りの名残と共に、とても嬉しそうな微笑みが浮かんでいた。
一際大きな花火の音がして。
恵御納 夏朝
が我に返ると、そこは見慣れた祭り会場への道だった。
辺りを見渡しても、もう植物で構成されているような空間はどこにもない。
「あ、そうだ! 浴衣は──!」
夏朝が思い出したようにハッと自分の浴衣と、手にいるハルくんの姿を確認する。すると、綺麗に開くまたたびの花模様は変化したままになっていた。
もう片方の手のバスケットにも、最初の絵柄だった金蓮花がそのまま収まっている──
「夢じゃなかった……」
呟くと、残された浴衣がプレゼントのように感じられて。そっと心の中で『大切にするね』と言うと、自然と祭りへの感謝の念が湧き上がった。
「さぁ、行こう!」
そんな思いを胸に、夏朝はずっとこの場に立ち止まっていたのかもしれない足を、一歩前へと踏み出した。
八神 修
が元の空間に戻ると、夏朝の姿も見えなかった。どうやらそちらも、元の場所へと戻ったのだろうと確信する。
「……」
見れば、修の浴衣は元に戻っていたが、持ち帰ろうとしていた竹の花はきちんと手元の籠の中に残されていた。
「ああ、これは──顕微鏡を覗くのが楽しみだ。
挿し木して受粉させたら結実しないかなぁ……」
見る限り、不思議な要素は無さそうではあるが、これは存在自体が不思議な花であり、それがきちんと手元に残っている。
修は、その楽しみに珍しく表情を僅かに綻ばせた。
仙藤 蒼
と
仙藤 紫
が、姉妹で心地良く歌を合わせた後。
残り時間をイートインスペースで寛いで、最後真上に上がる大きな花火を目に入れた。
大きく開かれた花火から舞い散る花びらを見て──
気が付けば、二人は見覚えのある道に立っていた。
「あ、あれ? お、お祭りは?」
「……やはり神魂の影響だったようね」
不思議な体験をしたものだ、と振り返れば、気が付けば自分達が来ていた浴衣も、元の柄にも取っている。
ただ、浴衣から落ちたはずの蒼の髪に飾られた朝顔と、紫の手にバスケットごと残った紫陽花は、そこに瑞々しく咲き誇っていた。
結城 日和
は、気が付けば祭に向かう喧噪の中にいた。
「あ、あれ……? 夢、かな。でも、浴衣は──」
そのままだと良いのに、そう思っていた日和の浴衣は、今もまだ可愛らしいノウゼンカズラが咲き綻んでいる。
一緒に歩いた皆はいない。やっぱり不思議な空間に巻き込まれたのだろうと思う。
「ふふ……っ。浴衣、このままだね」
──来年は、どんな浴衣を着ているだろう。
またこの浴衣を着ているだろうか、それとも別のものを着ているのだろうか。
未来はまだ分からないけれども。ただ、それがどちらであったとしても──
「また……褒めてもらえたら嬉しいなぁ……なんて、ね」
一人呟きながら、こそりと恥ずかしそうに微笑んで。日和は、そっと人波の中へと姿を消した。
「………………」
翌日、
タイラ・トラントゥール
の目覚めた枕元には、小さくも存在感ある一輪の向日葵の花があった。
──夢ではなかった。ならば、今相手のところにも、イキシアの花があるのだろうか。
「……」
そう思えば、今手の中にある向日葵は、昨日見た彼の笑顔と被って見える。
今なら可能だろう。夢の続きとして見なかった事にすることも、この存在を無かったことにすることも──
「……──」
自然に口を突いて出た小さな言葉。それは、自分の耳にも届かないような、小さな本心。
それから、しばらく。
その太陽の花は、ドライフラワーとなり。
以降、絶対に他の誰の手にも届かない箱の中に、深く大事にしまわれた。
何よりも大切な、思い出の一つとなって──
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あとがき
担当マスター:
冬眠
ファンレターはマスターページから!
今回はご参加下さいました皆様、そして最後まで読んで下さいました皆様、誠に有難うございました。今回、MSをつとめさせていただきました冬眠と申します。
この度は[花浴衣]という素敵なイラストシリーズのシナリオということで、イラストがあられる方もない方も、とても素敵な浴衣姿をいただけまして、皆様浴衣に物凄く思い入れがあられて素敵だなと、とても嬉しく思いながらの執筆となりました。
会場もせっかくなので、植物一色の不思議空間として書かせていただきましたり、その他にも色々と頭を抱えながらとはございますが、何とか形にさせていただく事が出来まして、ほっとしております。
少しでもお楽しみいただけましたら幸いで御座います。
それでは、この度は改めて有難うございました。
またご縁などがございましたら、お目に掛かれますことを心より願いまして。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
冬眠
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
動物・自然
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年10月14日
参加申し込みの期限
2018年10月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年10月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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