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夜の女帝号、洋上の宴
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●選ばれたモデル:
桃川 圭花
の視点2
モデル控室に戻ると、拍手が沸き起こっていて驚いた。
「おや、どこに行っていたんですか? 今、トリのモデルの選考が行われていたんですよ」
三日月のイヤリングをした
岩国 ソワカ
が話しかけてきた。髪はいつものツインテールではなく、品よく一つに巻き上げて赤のコサージュが飾ってある。ドレスは白が基調だが、赤と黒のアクセントがどこどなく小悪魔っぽさを演出していた。
「誰になったの?」
尋ねると、ソワカは表情を歪めて鏡の前を指差した。
その人物はすでに、シブカワはじめ、大勢のスタッフに取り付かれ、純白の豪奢なウエディングドレスを着せられていた。色素の薄い長い髪はウィッグだろうか。瞳の色は、赤だ。
逆巻 天野
がそのモデルの傍を通ってこちらへやってきて、ソワカの隣に寄り添うように立った。
「おや逆巻さん。私のエスコート役のはずなのにどこに行っていたんです?」
「ごめん。あまりこういう賑やかな場所は慣れなくてねぇ……外の空気を吸ってきたんだよ。ついでに今宵の顔ぶれや船内の構造などもも少し、ね……そうだ、時間を確認するかい?」
そういうと彼はポケットから懐中時計を取り出した。蓋を開くとそこには三日月の刻印。――彼も、仲間だ。
普段は結い上げている灰色の髪を低い位置で束ね、スーツにサングラスという出で立ち。
彼はトリのモデルの選考が終わったことを聞くと、ソワカを慰めるように言った。
「トリに選ばれなくて残念だったね」
「まったくです。このソワカちゃんを選ばないなんて。ククク……あのピンク頭、私じゃ身長が足りないなどと抜かしやがりましたよ」
「審査基準は身長だけだったのかい?」と天野が静かに訊ねた。
「あとは、手の美しさ、とか言ってましたね。<巨大な月の指輪>のお披露目も兼ねているから、トリのモデルは手美人で、というところでしょうか。もっとも、このソワカちゃんの手だって捨てたもんじゃありませんがね。伊達に蝶よ花よと育てられたわけじゃありません」
ソワカは自分の手をひらりと翳してみせた。天野は苦笑いしながら答えた。
「あのモデル、ピアノをやっているんじゃないかな。さっきシブカワさんが『ピアニストの手ね!』って褒めたとき頷いていたから」
「誰なんです、あれ」
「わからない。傍を通ってみたけれど、名札を上手い事隠すんだ。なんだか怪しいよ」
「そういえばこの部屋に来てから一度もしゃべっていませんね。……少なくとも仲間ではない、と」
「そうだね。……ああ、そうだ。これ、加瀬から帝王にって預かってきたよ」
ソワカは天野が差し出した小さなメモを確認すると、きゃはは、と笑った。
「監視カメラですか……なるほど、すばらしい情報です。しかし、私たちに情報をくれるなんて、あちらはどうなっているんです? 一枚岩ではないのでしょうかねぇ」
「さてね」
「まあ、構いません。
シグレさん
からモノはちゃんと預かってますし、私たちは私たちの作戦を遂行しましょう」
そのとき、わあっと再び歓声が上がった。
黒服を着たガードマンらしき男が、シブカワの隣で姿勢を正して立っている。
シブカワの手には、美しい細工の宝石箱があった。いましも、その宝石箱を開こうとしている。
「おや……どうやら<巨大な月の指輪>のご登場のようですね。さあ、行きましょう! ――きゃはは!」
◇
シブカワが宝石箱を開いた。
そこには、噂の<巨大な月の指輪>が収められていた。
巨大な、というだけあって、大きい。直径3センチメートルほどあるのではないだろうか。
月を模しているのか、美しい球形にカットされている。それだけの大きさがありながらひびや濁りはなく、澄んだ透明感の中にほんのりと青白い揺らぎが見て取れた。
ソワカは顔を近づけると、しれっと指輪の真贋確認を行おうとしていた。
「うわぁ、とっても素敵な指輪ですね。でも……すごく言いにくいんですけれど、私たち、ちょっとおかしな噂を耳にしているんです。この指輪を狙っている人たちがいるとか……。その指輪、実は偽物だったり……しないですよね?」
シブカワはソワカの思惑には気づかなかったのだろう、自信たっぷりに言った。
「それは心配ないわ。この指輪は今日のショーの目玉よ。偽物じゃあ意味がないでしょ? この指輪は今日、本社から運ばれてきたもの。それまでは本社の金庫に厳重に保管されていたし、運んできたガードマンはジガント・ルアの所属で、身元のしっかりした信頼できる者よ。そして、この夜の女帝号に乗せられてからたった今まで、この宝石箱に触れた者はこのガードマンしかいなかったことは確認済み。それに私は今日のために、何度かこの指輪に月光浴をさせてきたの。ムーンストーンは月の光を蓄えて力を増すと考えられているのよ。月の光をたっぷり蓄えたこの輝きは、確かに<巨大な月の指輪>に間違いない。ええ、私が保証しましょう。これは、間違いなく本物よ」
なるほど、現時点であの指輪が本物だということは確かなようですね……というソワカの小さな呟きは、私以外の誰の耳にも届かなかったに違いない。
ソワカはわざとらしく口調を変えると、シブカワに頼んだ。
「あのぅ。<巨大な月の指輪>の噂は前々から聞いていました。こんなお願い聞いてもらえるかわからないんですけど、記念にちょっとだけ、トリ以外のモデル達にも指輪をつけさせてもらえないでしょうか? こういう機会はめったにないですからねぇ」
ソワカは大仰にモデル達を見回すと微笑んだ。
「皆も『興味』……あるでしょう?」
さすが、ソワカだ。その一言が、モデル達の心を掴んだ。「うんうん」「つけてみたい!」そんな無邪気な声があちこちから上がる。
「身に付けるのはさすがにだめよ。でも、見るだけなら構わないわ」
指輪を取り囲むモデル達。
けれど、私たちの作戦を実行するためには手に取るチャンスがなければ……。
幸運というものが、たしかにあるのだとこのとき思った。
「きゃあっ」
控室の奥の声で、叫び声が上がったのだ。そして上がる白い煙。「爆弾!」の声!
皆の視線が、いっせいにそちらに向けられた。
シブカワの視線も。トリに選ばれたモデルの視線も。
ガードマンが事態を収拾しようと煙に向かって駆けだす。それは、ガードマンとしては甘い行動だったかもしれない。けれど私たちにとってはラッキーだった。
私は確認した。
ソワカがこの機を逃さず動いたのを。
ソワカに付き添っていた天野が、その身体でソワカと監視カメラと思われる火災報知器とのラインを遮った。
そしてソワカは、一瞬の早業で、ハンカチとハンカチの間に宝石箱の中の<巨大な月の指輪>を挟み込む。
刹那、ハンカチとハンカチの間は何もなくなったかのように見えた。
しかし次の瞬間には、また、同じ場所に<巨大な月の指輪>が出現していた。何事もなかったかのように。
ガードマンがかけた消火剤によって、煙は収まっていた。
「いったい何があったの!?」
シブカワが泣きだしたモデルに尋ねる。
「プレゼントの中にぬいぐるみがあって……この前発売したばかりの、おしゃべりするモグラのぬいぐるみです。どんなおしゃべりをするのかなって手に取って見ていたら、おなかのところから急に白い煙が……!」
ガードマンが、ぬいぐるみのお腹を乱暴に開いた。おしゃべり機能のための装置が入っているはずのそこには、なにか焼け焦げた跡があった。
もう大丈夫だとガードマンが言った。爆弾ではなかった、とも言った。ただ煙を出すだけの花火のようなものが挟まっていただけらしい。少々悪質ないたずらだ。そう思いつつも、無意識に感謝もしていた。
誰の仕業か知らないが、お蔭で、私たちの作戦は上手くいっている。
スタッフが、シブカワを呼びにきた。会場での挨拶回りの仕事があるらしい。
シブカワは、指輪をしっかり確認する間もないまま、慌ただしく控室を出て行った。
<巨大な月の指輪>はその後、ガードマンが見守る中、トリのモデルの手に嵌められた。
そのとき私は、ソワカが仕掛けた次の瞬間にポケットの中のハンカチの隙間に現れた硬い塊の感触を、ドレスの上からそっと確かめていた――。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
推理・サスペンス
神話・伝説
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年07月17日
参加申し込みの期限
2013年07月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年07月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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