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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【七夕】灯りをつけましょ提灯に☆
★.。.:*・゜
「ありがとね、由枝君。屋台で美味しい物いっぱい食べよ！」
「こっちこそありがと。高校でのお祭りの時もそうだったけど、環ちゃんが誘ってくれたの嬉しかった」
何があるかな、楽しみだね、と微笑む瀬名 由枝は隣りのクラスの男の子。
環 的子とはギアバトルで共闘して以来、一緒にちょくちょく遊ぶようになれば、呼び方もギアマスター時と日常時でお互いに使い分けるのも慣れた頃。
「私、誰かと一緒なら行っていいってお母さんに言われてたから本当に有り難いんだ！」
「お母さん、環ちゃんのこと可愛くて心配なんだよきっと。オレも夜に出歩くなんてあまりしたことないし」
「だから今日はいーっぱい楽しまなきゃね！ 賑やかな方へれっつごー！」
嬉しさで輝く空色に誘われるように、駆け出す的子の後へ由枝もにこやかに続く。
私チョコバナナ食べたい！ と早速屋台に捕まった的子が買う姿を、興味深げに見つめてから由枝も倣うように購入してみる。
「へー、本物ってこういう感じで売ってるんだ……チョコバナナ……」
「チョコとバナナって相性抜群だよね。最初に考えた人、天才だと思う」
緩んだ顔でもぐもぐ噛み締めている的子の横で、まだ口をつけずしげしげと由枝はチョコバナナを
眺めていた。
どうにも馴染みが無く、不思議そうな表情を浮かべるも、その花曇りの瞳はどこか懐かしいような温かいような色を映して。
―― 母さんも連れてきてあげたかった、な。
賑やかで色々なにおいが入り混じっている場所。普段とはちょっぴり特別な食べ物たち。
大人びた顔をしていても、心はまだまだ幼さ帯びていればそんな思いが顔を上げたり。
すぐ耳の横から、『あ、由枝くんは何食べる？ 私も同じの食べたい！』と掛けてくれた的子の声にハッと我に返れば、
「え、あ、うん。んー……あ、たこ焼きいいなー。よければ半分こしない？」
「わーい♪ するー！」
なんでもないふうを装って、お小遣いに限りがある者同士、まだ気になるものが沢山あること考えれば
仲良く半分こ作戦がこの後も大活躍である。
ﾟ･*:.｡..｡.:*･ﾟﾟ･*:.｡..｡.:*･ﾟ･*:.｡..｡.:*･ﾟ
木天蓼の花と白梅が袖振り合えば、暖色の光に浮き上がりまるで今にも喜びの花びらを降らせそうで。
カランコロンッと、のんびりしたリズムが打ち鳴らされる中に、親愛の音が籠る言葉たちが交わされている。
「一緒に散歩できるの、嬉しい……！」
「うん、私も。夏朝ちゃんの浴衣、可愛いね。ハルくんともお揃いだね」
「わ、ありがとう……！」
遠野 まほろから控えめに、でも温かく、贈られた言葉に恵御納 夏朝は照れた表情を浮かべてから。
じっ、とまほろの浴衣へ視線を注いだ。
「遠野さん、の、浴衣ってもしかしてー……」
「あ。うん……和裁は初挑戦だったけど、何とか出来たみたい」
「自分で作ったの！？」
「その、私……浴衣来てお祭りって、ずっと行ってなかったから。
夏朝ちゃんと行けるの本当に楽しみで……新しく、仕立ててみちゃった」
「す、すごい、ね！ 色合いがその猫さんのぬいぐるみと、すごく、お似合いだと思う！」
お友達からの真っ直ぐな言の葉たちに、きょとんとすれば次第にほんのりとまほろの頬は色づく。
家で作るのは専らぬいぐるみさんばかりだったため、きちんと服を作るのが課題以外では無く不安もあったものの。
実際作り出すと、それはぬいぐるみさんとは違った新鮮さがあって楽しかった。
そんな気持ちごと汲んでくれたような夏朝へ視線を向ければ、心から言ってくれてるのだと伝わって。
褒めてもらえたよスプーン、なんてぬいぐるみの緑の瞳覗き込んで微笑みを浮かべるまほろを、橙色した猫さんパペット・ハルくんと一緒にほんわか見つめる夏朝。
ありがとう。ぽそりと、猫さんぬいぐるみ越しに聞こえた呟きに、またニッコリと浮かべた夏朝はまほろへと手を差し出した。
焼きそばにラムネ、射的……は猫さんの置時計を狙ったけれど惜しくもハズレて、残念賞の駄菓子詰め合わせ。
それでも、楽しそうにそれらを手に持つ夏朝の横顔を、まほろも満足そうに時々見つめながら、さて自分もそういえばお土産を買いたいのだと思い至る。
浴衣作りは裁縫得意なまほろでも、さすがにいきなりは難しくておばあちゃんにちょっぴりお手伝いしてもらったのだ。
―― おばあちゃん、何がいいかな。天津甘栗かな？ それともベビーカステラ……。
「遠野さん、なにか気になるの、あるかな？」
「えっと……まだ悩んでて。うん、帰るまでに考えることにしようかな」
「そうだね、まだまだお祭り、これからだから……いっぱい回ろう！」
「うん」
手に手を繋いで。ハルくんとスプーンを見つめ合わせて。
木天蓼の花と白梅の袖が楽しそうにひらめいていた。
「ありがとね、由枝君。屋台で美味しい物いっぱい食べよ！」
「こっちこそありがと。高校でのお祭りの時もそうだったけど、環ちゃんが誘ってくれたの嬉しかった」
何があるかな、楽しみだね、と微笑む瀬名 由枝は隣りのクラスの男の子。
環 的子とはギアバトルで共闘して以来、一緒にちょくちょく遊ぶようになれば、呼び方もギアマスター時と日常時でお互いに使い分けるのも慣れた頃。
「私、誰かと一緒なら行っていいってお母さんに言われてたから本当に有り難いんだ！」
「お母さん、環ちゃんのこと可愛くて心配なんだよきっと。オレも夜に出歩くなんてあまりしたことないし」
「だから今日はいーっぱい楽しまなきゃね！ 賑やかな方へれっつごー！」
嬉しさで輝く空色に誘われるように、駆け出す的子の後へ由枝もにこやかに続く。
私チョコバナナ食べたい！ と早速屋台に捕まった的子が買う姿を、興味深げに見つめてから由枝も倣うように購入してみる。
「へー、本物ってこういう感じで売ってるんだ……チョコバナナ……」
「チョコとバナナって相性抜群だよね。最初に考えた人、天才だと思う」
緩んだ顔でもぐもぐ噛み締めている的子の横で、まだ口をつけずしげしげと由枝はチョコバナナを
眺めていた。
どうにも馴染みが無く、不思議そうな表情を浮かべるも、その花曇りの瞳はどこか懐かしいような温かいような色を映して。
―― 母さんも連れてきてあげたかった、な。
賑やかで色々なにおいが入り混じっている場所。普段とはちょっぴり特別な食べ物たち。
大人びた顔をしていても、心はまだまだ幼さ帯びていればそんな思いが顔を上げたり。
すぐ耳の横から、『あ、由枝くんは何食べる？ 私も同じの食べたい！』と掛けてくれた的子の声にハッと我に返れば、
「え、あ、うん。んー……あ、たこ焼きいいなー。よければ半分こしない？」
「わーい♪ するー！」
なんでもないふうを装って、お小遣いに限りがある者同士、まだ気になるものが沢山あること考えれば
仲良く半分こ作戦がこの後も大活躍である。
木天蓼の花と白梅が袖振り合えば、暖色の光に浮き上がりまるで今にも喜びの花びらを降らせそうで。
カランコロンッと、のんびりしたリズムが打ち鳴らされる中に、親愛の音が籠る言葉たちが交わされている。
「一緒に散歩できるの、嬉しい……！」
「うん、私も。夏朝ちゃんの浴衣、可愛いね。ハルくんともお揃いだね」
「わ、ありがとう……！」
遠野 まほろから控えめに、でも温かく、贈られた言葉に恵御納 夏朝は照れた表情を浮かべてから。
じっ、とまほろの浴衣へ視線を注いだ。
「あ。うん……和裁は初挑戦だったけど、何とか出来たみたい」
「自分で作ったの！？」
「その、私……浴衣来てお祭りって、ずっと行ってなかったから。
夏朝ちゃんと行けるの本当に楽しみで……新しく、仕立ててみちゃった」
「す、すごい、ね！ 色合いがその猫さんのぬいぐるみと、すごく、お似合いだと思う！」
お友達からの真っ直ぐな言の葉たちに、きょとんとすれば次第にほんのりとまほろの頬は色づく。
家で作るのは専らぬいぐるみさんばかりだったため、きちんと服を作るのが課題以外では無く不安もあったものの。
実際作り出すと、それはぬいぐるみさんとは違った新鮮さがあって楽しかった。
そんな気持ちごと汲んでくれたような夏朝へ視線を向ければ、心から言ってくれてるのだと伝わって。
褒めてもらえたよスプーン、なんてぬいぐるみの緑の瞳覗き込んで微笑みを浮かべるまほろを、橙色した猫さんパペット・ハルくんと一緒にほんわか見つめる夏朝。
ありがとう。ぽそりと、猫さんぬいぐるみ越しに聞こえた呟きに、またニッコリと浮かべた夏朝はまほろへと手を差し出した。
焼きそばにラムネ、射的……は猫さんの置時計を狙ったけれど惜しくもハズレて、残念賞の駄菓子詰め合わせ。
それでも、楽しそうにそれらを手に持つ夏朝の横顔を、まほろも満足そうに時々見つめながら、さて自分もそういえばお土産を買いたいのだと思い至る。
浴衣作りは裁縫得意なまほろでも、さすがにいきなりは難しくておばあちゃんにちょっぴりお手伝いしてもらったのだ。
―― おばあちゃん、何がいいかな。天津甘栗かな？ それともベビーカステラ……。
「遠野さん、なにか気になるの、あるかな？」
「えっと……まだ悩んでて。うん、帰るまでに考えることにしようかな」
「そうだね、まだまだお祭り、これからだから……いっぱい回ろう！」
「うん」
手に手を繋いで。ハルくんとスプーンを見つめ合わせて。
木天蓼の花と白梅の袖が楽しそうにひらめいていた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2018年09月22日
- 参加申し込みの期限
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- 2018年09月29日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2018年09月29日 11時00分
