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【七夕】灯りをつけましょ提灯に☆
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かーちゃんあのさ~、もしかしてなんだけど~。
立花 なつ
のゆったりした口調が、提灯に薄っすら照らされる唇から紡がれた。
正面見据える視線を動かす事無く、次に放たれる言葉を察したか常々そう思っていたか、
千歳飴 楓子
が続きを引き取って口を開く。
「迷ったな」
「……迷ったね」
あまり困っていない声音が、長年培ってきた二人の空気そのままに夜道に呟かれた。
「まあそのうち帰れるだろ。メッチャ暗いけど」
「そうだよね……何とかなるか。メッチャ暗いけど」
どれだけ暗いかが大変よく分かる会話である。描写要らずである。
ひょっこりと道標な竹燈籠の灯りが見えてこないだろうか、とやはりペースはゆっくり道なりに進んでいく。
順路から逸れているからか、時折でこぼことした感触を草履の裏から感じ取れば、なつは楓子の手を取って。
「足元気を付けてね」
「あ、ごめんわたあめついた」
「えー! あーあ……」
ちょうちん散歩に赴く直前に、『小腹がすいた時のために』と遠足のおやつ的な口調で買った綿飴、それが握られていた方の手を引かれた楓子からぽろっと出た言葉に、なつの声がすぐ被さる。
まあ暗いから仕方ないよ……、と諦めた調子で続けられたなつの口から、ん? あれなんだろ? と少しトーンの色が変えられた言葉が響いた。
どうした? と彼の視線の先を追った楓子の、半分くらい大抵下がっている瞼が珍しく見開かれる。
「あれ、もしかしてわたあめ落としたか!? こんなに大量に!? なんてもったいない!
500円もしたんだぞ!」
「わ、かーちゃん待って~」
自身の持つ真っ白なそれと同じような、しかして大きさだけやたらモコモコと大きなそれへと、楓子らしい言葉が至極真面目に叫ばれながら駆け寄る動作に、今度はなつが手を引かれる形で後に続く。
「甘くない……これは……雲?」
「かーちゃん拾い食いはだめだよ~……雲……?」
躊躇わず拾って食べる仕草で口に運ぶ楓子に、さすがにお腹が痛くなったらー、とそれ以上は止めようとなつが寄って行けば、地面スレスレを浮く物体を改めて観察した。
すると、更にそれはモクモク膨らんだかと思うと二人の前で変形し出す。
「わぁ、金魚?」
「金魚? いや……違う……これは……たい焼き……!!!」
「……たい焼きって……かーちゃん、もしかしてまだお腹空いてる?」
クワッ! と放たれた楓子の台詞に、集中線な効果がついているのを見た気がした。
乗り込むようにしてその背びれ部分に食らいつこうとする楓子へ、『そういいながら口に運ぶのやめなさい』とやんわり止めながら続いてなつも雲へと身を乗せた。
まるで『全部食われてしまう前にっ』と焦ったかのように、金魚もといたい焼き雲、中々の速度で上昇し出す。
二人が呆気に取られている間に、尾びれをぴろぴろと必死に振って。
たいやき雲により灰色に覆われていたその向こうの夜空へとご案内。
地上を歩いていた時より、一際明るい夜空と星々が広がれば先に楓子が素直に言葉を紡いだ。
「おお。景色を一望できるな」
「すごい、綺麗だね~。短冊に書くより、ここからの方が届きそうだねぇ、なにかお願い事しようか?」
「そうだな。楓子はやはりガチャの祈願を……」
そういえばそろそろ体力が回復してイベント走れそうな頃合いだな、などと続ける楓子になつは朗らかに笑いかけて。
「じゃあ俺は、かーちゃんの願い事が叶いますよーに」
「なつ氏はそれでいいのか? なつ氏自身の願い事は無いのか?」
「俺の願い事?」
すごく意外だった、な表情で見つめて来る宝石色の瞳を楓子は見つめ返す。
単純な興味半分。
あとの半分は、最近少しだけ分かってきたなつの、自分を想うが故の自分への優しさ。
だからこそ湧き出る、それは本当に自分に向けていいものなのか、なつ自身に使うべきものではないのかという疑問から。
「……ええ~……うーん、それは……、自分で頑張るよ」
天の川の煌めきに、彼の紺地に清涼感漂うしじら織りの浴衣が映えた。その上で浮かべられた苦笑いに似た小さな笑み。楓子はまだじっとその水色の瞳をそこから動かさない。
彼の願い事が全く想像出来ないから。読み取るつもりも読み取れる気もしないけれど、自分に向けられる言葉くらいはちゃんと拾いたいとは思うから。
そんな彼の表情を見ていれば、ふと過ぎった言葉をそのまま淡々と口にする。
「そういえばまったく関係無いが、ホワイトデーでなつ氏が楓子に恋愛のドキドキを教えてくれるって言ったのにまだ教わってないぞ」
「……そっか。えっとね、結構関係あるよ。
俺もどうしたらかーちゃんに伝わるか、分からなくって悩んでたんだ~」
他ならぬ楓子からそれに触れてもらって、どこか安堵したようなへにゃりと頬を緩ませながら。
それでも本当に悩んでいたのだというように、……難しいね? と付け足された彼の言葉に静かに耳を傾けて楓子は思ったままを言の葉にのせる。
「なつ氏がそう言うなら、難しいんだろうな」
正直、女子たちと仲が良く恋愛相談にすら乗っていそうななつならば、あの手この手で説明してくるものだと思っていた。
しかし彼は決して、楓子のペースを乱すような無理強いはしてこない。あの告白の後からは特に。
幼馴染という関係の中で今までもあった、悪戯っぽい笑顔での掛け合いは相変わらずだけれど、それでも予想以上に彼が『他の女子たち』と『楓子』との接し方を変えていたのだと気付いたのは、本当にここ最近。
だから、自分の事を『大好き』だと告げるその言葉は信じてもいいとは思い始めている。
けれどなつがこの調子なのもあり、現状、楓子は未だに恋愛のドキドキというものが全く分かっていなかった。
瞳が思案気に揺れ動いたのを見て、なつは苦笑いと共におもむろに楓子の掌を己の胸にあてさせる。
「俺は今もドキドキしてるよ。伝わったらいいのに。ほら」
「……おお、はやいはやい」
本当だ、と抵抗なくしげしげとなつの胸へ押し当てられる自身の手と、感じる鼓動を見透かそうとするように一心に視線が注がれる。
それはまるで無垢な瞳。Baby blue eyes『赤ちゃんの青い瞳』とも呼ばれるネモフィラの色を、まさに讃えているような双眸が数度まばたきされる。
―― ………楓子も、これくらい早く心臓が動けばいいのにな。
自分勝手な言い分を受け止めてくれたなつに、楓子も気持ちを返したい思いはあった。
けれど、恋を知れていない自分の気持ちを返されたところで、それはなつが求めているものでは無いだろうという事も何となく察していたから。
少々申し訳ないと思いながらも、この今の二人の関係を如何とも変化させるには至らなかったのだ。
「楓子のも触るか?」
ならば、せめて出来ることをしようかと思いついた楓子から、対等だろうとでも含んだような、それでいてあっさりととんでも発言が繰り出されればさすがのなつも肩を落とさずにはいられない。
「女の子なんだからそういう事言っちゃ駄目だよ」
「遠慮するな」
「本気にされたらどうするの」
「本気なのだが」
つまり自分はこれっぽっちも男だと意識されていないと公言されたようで、なつの心に哀愁がそよりと舞った。
……うーん、先は長いけど……。
心臓の上から与えられる彼女の温もりは、やっぱり手放したくないから。
なつは微笑んで告げた。
「またデートしようね」
まだ鼓動を不思議そうに堪能している楓子から、『デートではない』と続くことは今夜は無かった。
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
102人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年09月22日
参加申し込みの期限
2018年09月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年09月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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