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【七夕】灯りをつけましょ提灯に☆
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「これ二人で持たねぇとダメなのかよ……?」
「ペアが基本のようなので、きっと趣旨は男女なのではと」
「そうだったのか!?」
「楢木さんってしっかりしてるけどうっかりも多そうですよね」
「おう、しっかりしてるなんて言ってくれんの弦月くれぇじゃねーかな」
「それ、いいんですか?」
歩きづれぇな、などと溢しつつもちゃんと自分が持ちやすいよう、歩きやすいよう、提灯の柄を傾けてくれている
楢木 春彦
へ時折錫色の視線をやりながら。
呉井 弦月
も持つ手に力込めて暗い道の先を見据える。
「なんかこうやって暗いトコ二人で歩いてっと、弦月とあって間もなかった頃の扉の事ちっと思い出すな」
「そういえば、確かに。あそこも暗かったですもんね」
「あの家出少年がこんなに大きく」
「なにしみじみ言ってんですか。変わってないですよそんなに」
大袈裟な程に感慨深げなトーンで言う春彦へツッコミながらも、弦月も『懐かしいな……』と一瞬過去へと思い馳せた。
まだ兄と壮絶に仲違いしていた頃だったな……と、提灯に照らされる柔らかそうなミルクティブラウンの髪が、彼が笑う度揺れるのを見つめたり。
お互いに同じ人物を思い浮かべたからだろうか、想像の中の後ろ姿が現実に見える気がして。
「あれ? あそこにいるのは……」
「ん? アレは……」
声が被った。
オリーブグリーンと錫色のそれぞれの瞳が、自分たちの数m先を歩いている二つの人影の内一つへと集中する。
―― 陽太と……女の子が一緒にいるな……あの雰囲気は、もしかして……。
―― っておぃ! 呉井のヤツマジでデートだったのかよっ!?
心の声も同時に放たれた。
どこか複雑そうに見つめる弦月の隣りで、春彦の心の声がまだスネたように続いていたり。
俺の周りはなんだってこうリア充ばっかなんだ……あんにゃろー今度会った時にぜってー揶揄ってやるから覚悟しとけっ。
「デートですね……」
「デートだろー」
我に返った春彦と、ぽつり弦月の口をついた言葉も合わされば、互いに視線交わして。
「すみません……鉢合わせになるのは避けたいですし、少し時間を置いてから先に進みたいです」
「ん? あぁ、そうだな。俺も今邪魔するつもりねーしここでちと休憩すっか」
散策コース上ではまずかろうかと、逸れた林の中へと移動すればちょうど良さそうな切株二つ。
順路離れてる時は平気かと、一旦提灯を置いてそれぞれ腰かける。
流れていく雲の隙間に、微か星や月が見え隠れしているのを見つければ、春彦は両目細め微笑んでから。
座った時に聞こえた微かな溜息。それが弦月の口から吐かれたものだと当然分かる。
―― なんか弦月元気ねぇな。
兄貴の彼女(かどうかわかんねーけど)、見たのが衝撃的だったかとか?
「どうした、疲れたのか?」
真っ直ぐに向けて来る言葉へ、弦月が視線を上げた。
一瞬躊躇われた唇の動き。しかし相手が他ならぬ春彦であったことを、改めて思い直せば弦月はもう一度唇を動かす。
今度はちゃんと声となって外へ吐き出された。
「はぁ……なんでしょうね、この気持ちは」
前に陽太が年上の人と付き合って別れたというのを、陽太の先輩から教えてもらった時は怒りがわいたのに。
小さな、小さな声でそう続けられるのを春彦は黙って聞いている。
無理に先を促すでも無く、それでも『吐き出した方が楽だぞ』という空気を自然と纏うこの兄の友人に、今までどれだけの話を、己が気持ちを聞いてもらっただろう。
今までは、ずっと抱え続けていたモノ、原因や理由といったものも自分の中で具体的に言葉に出来るものが多かった気がするけれど。
今日のような、唐突に湧いた感情を説明するのは正直難しい。
ただ、怒りでは無いことは分かった。
掴めそうかと思うとはじけて消える泡の様なモノ。
そういうものでも、彼と居ると何か見える気がして。弦月はたどたどしくも言の葉を続けた。
「びっくりしたのと……ほっとしたのと寂しさが出てきて、うまく言えません……なんですかこれは……」
不安そうに、窺うように見つめて来る瞳がとても純粋で。
溜め込む性格の中に埋もれて見えにくいけれど、吐き出す息が真っ白な時も、桜の花びら舞う中での時も、結局は誰かを想い過ぎて自分が分からなくなっているのがこの兄弟なのだと、もう春彦は知っている。
片手を伸ばせば、その月のように淡い髪を撫でるように軽く叩いた。
きょとりとした視線を受けながら、春彦は口を開く。
「弦月は心配性だな。弟に心配ばっかかけてる兄貴には、今度俺が報復しといてやるよ」
答えになっていないけれど、それはとても優しくて春彦らしい言葉だったから、弦月は思わず噴き出した。
心配性……そう、かもしれない。胸に手を当てて考える。
―― あの女の子は、どんな人なんだろう……前の人みたいに……陽太を傷つけない人だといいな。
素直にそう願っている自分に気付けば、少し気持ちが持ち直した気がした。
「報復はしないでいいですよ。……楢木さん、いつも励ましてくれてありがとうございます」
「お、元気出て来たか? それにしてもヤッパ弦月、呉井のこと大好きだろ?」
「……そこはノーコメントです」
最後の陰りを吹き飛ばすように、ニッと笑ってあっさりと言い放ってくる春彦へ、弦月の調子取り戻した言の葉が返された。
笑顔向け合えば、同時に立ち上がる。
「んじゃまたのんびり歩くとすっか」
「はい。ところで……楢木さんから彼女とかの単語を聞いたことが無い気がするんですが」
「さ―――ぁって! 次の灯りはあっちだっけかなー!」
「(……聞いちゃ駄目なんでしょうかね)」
再びの散歩の雑談がてら、軽い話題のつもりであったのだけれど。
提灯持って歩き出す背中が、どこか物哀しさ纏っているのをなんとなーく察しては、弦月はそれ以上追い込むもとい尋ねることはせず、
また同じ柄を掴んでは、無難な話題はー、なんて考え始めるのだった。
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担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
1000人
参加キャラクター数
102人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年09月22日
参加申し込みの期限
2018年09月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年09月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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