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風鈴の誘い
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燃え盛るような夕陽は落ち着いた。
茜色に色付く街を
岡瀬 靖久
と
岡瀬 千聖
は並んで歩く。前者はカジュアルなスーツで後者は半袖のワンピースを身に纏っていた。
千聖が遅れ始める。気付いた靖久が足を止めた。
「ちぃちゃん、もしかして疲れた?」
「そんなことないよ。二人っきりのデートだから、少しはしゃいだかもしれないけど」
「じゃあ、どうしたの?」
靖久は心配そうな顔で千聖の足首を気にした。捻挫が頭に浮かんだのかもしれない。
「デートの時間を終わらせたくないのかもね」
にっこりと笑って靖久の右腕に抱き付いた。
「ち、ちぃちゃん、あの……ここ、外だから……」
千聖は茶色の瞳を向けて、だから? と拗ねたような声を出した。
「か、帰ろうか」
「ゆっくりね」
二人は寄り添って歩き出す。
チリン、チリリン。
呼び止めるように涼しげな音が聞こえてきた。
千聖が辺りを見回す。
「これって風鈴の音よね?」
「どこからだろう」
二人は気にしながらも歩いた。
ほぼ同時に二人は足を止めた。
辺りは一瞬で暗くなった。空には明滅する星々が見えていた。
「え、夜? ここ、どこよ」
千聖は周囲の闇に身構える。
その中、服装の変化に気付いた。空色の生地に淡いピンクの花梨の花が散りばめられた浴衣になっていた。パンプスはピンクの鼻緒の草履となって情緒を醸し出す。
側にいた靖久は苦笑いで状況を受け入れる。
「僕のスーツは甚平になっているね」
灰色の生地に白抜きの千日紅が雪洞のようにあしらってあった。革靴は黒い鼻緒の下駄となっていた。
千聖は思案顔となる。靖久は気軽に声を掛けた。
「二人で一緒に見る夢みたいなものだよ。安心していい。ちぃちゃんには僕が付いているから」
「ありがとう。ただ、柄が少し気になって。あたしが花梨で靖久さんは千日紅かな。これって小説の関係で調べたことが、確か……誕生花よ! あたしが十一月一日で花梨! 花言葉は……」
艶っぽい目になって靖久を見詰める。本人は照れた様子で頭を掻いた。
「『唯一の恋』よ。靖久さんは八月十四日の千日紅だから、花言葉は『色あせぬ愛』ね。本当かしら?」
「も、もちろん本当だよ。僕はちぃちゃんのことを」
人目がないことを確認して、愛している、と小声で言った。
「嬉しいわ。あたし達は強い絆で結ばれているのね」
喜ぶ千聖の手を靖久がしっかりと握る。目の前の石段に目を向けた。
「ちぃちゃん、行こうか」
「そうね、靖久さん」
二人は赤い鳥居の連なりを潜り、石段を上がっていった。
着いた先で広がる光景に千聖は興奮した。
「お祭りみたい! ほら、靖久さん、みんな浴衣を着て楽しそうよ」
「そうだね。懐かしいなぁ。ビールに合いそうな焼きそばがあるね」
「あ、あそこ見て! 射的があるよ」
千聖は先の方を指差した。
「行ってみようか」
「腕が鳴るわ」
千聖は靖久を半ば引っ張るようにして連れていった。
狐面を被った店主に料金を払ってコルクの弾を受け取る。千聖は手早く用意を整え、堂に入った姿でライフルを構えた。
靖久は傍らで見惚れたように突っ立っていた。
標的を狙う眼光は鋭い。千聖は無言でトリガーを引き続けた。
「ま、こんなものね」
涼しげな顔が急に苦笑に変わる。唯一の景品を摘まみ上げた。サイコロのイヤリングであった。
「可愛いと思うけど。それと射的の腕も中々だったよ」
「大物を狙い過ぎたわ。当たっても落ちないし」
千聖はイヤリングを帯に挟んだ。
二人は笑って歩き出す。
「あ、懐かしい!」
靖久が声を上げた。千聖が制止する間もなく、お面を購入した。
「それ、何のお面なの?」
「え、知らないかな。昔の特撮で人気があったヒーローのブルーじゃないか。陰のあるキャラなんだけど、実は熱い心の持ち主で病弱な妹の為に戦っている、って背景が泣けるんだよ。いやー、本当に懐かしいなぁ。決めポーズもカッコよくて、よく真似したんだよね」
眼鏡の上からお面を被り、切れのある動きでポーズを決める。間近で見ていた千聖は軽く拍手を送った。
「あたしは知らないけど、ちょっと感動したかも」
「本当に当時は凄かったんだよ」
お面を横にずらした。靖久は無邪気に笑って熱く語った。千聖は目を輝かせて聞き入った。
喉の渇きを覚えた二人は目にした屋台で冷えた缶ビールを購入した。飲みながら石畳を陽気に歩いてゆく。
明るい提灯に照らされた櫓が見えてきた。太鼓と横笛を従えて伸びやかな歌声が広場に響き渡る。狐面を被った人々が調子を合わせて踊っていた。
千聖は櫓の上に目を向けた。銀髪の糸目の人物がマイク片手に歌っていた。
「あら? あの歌っている人は」
「ん、ちぃちゃんの知り合い?」
「前にアロマキャンドルを買ったことがあるんだけど、他人の空似なのかな」
千聖は櫓に近づいて目を凝らす。すると目が合った。歌いながら軽く手を振ってきた。
「やっぱり! あの時のノリの良いお兄さんよ! 歌もこんなに上手いのね!」
興奮した様子で手を振り返す。
「へー、そうなんだ」
愛想のない声で言った。眼鏡の奥の目に軽い嫉妬の炎が揺らめく。手の中にあった缶ビールを一気に飲み干した。
「ちぃちゃん、悪いんだけど、これ」
空の缶を渡すと、靖久は踊りの輪の中に向かった。
直後に曲調が変わった。少しテンポが早くなり、歌声には熱が籠る。空いた手はピストルの形を作って靖久の胸に架空の弾を撃ち込んだ。
「負けてられないな」
片足を真っ直ぐに上げた状態で回転した。伸びやかな声に合わせて仰け反った姿で前に跳ぶ。着地と同時に下駄を鳴らし、タップダンスの要素を取り入れたダンスを披露した。
歌声とダンスは競い合うようにして共に高みを目指す。
「ありがとう」
靖久は清々しい顔で言った。櫓の上の人物は深々と頭を下げて見せた。
「ああぁ、靖久さん、大好きっ!」
千聖が横から飛び付いてきた。抱き締められた靖久の目が泳ぐ。
「あ、あの、ちぃちゃん、ちょっと落ち着こうか、ね」
「テレビで観た靖久さんと同じ! 昔のキレのまま、ううん、男の色気も加わってあたしだけのヒーロー、ブルーなのよ!」
「うん、まあ、嬉しいんだけど」
靖久は千聖の頭を撫でる。困ったような笑みで櫓の方に目を向けた。
糸目の人物は親指を立てて歌っていた。
「……少し恥ずかしいけど、まあ、悪くないよ」
抱き合うようにして二人は移動した。
少し櫓から離れたところで、いつか終わる夢を共に眺めていた。
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年08月22日
参加申し込みの期限
2018年08月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年08月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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