this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
風鈴の誘い
<< もどる
1
2
3
4
5
…
9
つぎへ >>
寝子島中学校に午後の授業を告げるチャイムが鳴る。
昼食を終えて最初の授業。三年三組には気だるげな雰囲気が漂っていた。
仙藤 蒼
は前後に揺れる頭で黒板を眺めている。机の上に広げたノートは真っ白であった。
日差しの強さで何人かは教科書を使って顔に風を送る。
蒼は机の上に腕を交差させた。ゆっくりと額を載せる。
チリン、チリリン。
「風鈴が……」
蒼は抵抗することなく瞼を閉じた。
賑やかな声が聞こえる。蒼は不思議そうな顔で目を開けた。
「あれ? 屋台よね、これって」
石畳の両側には屋台が並ぶ。浴衣を着た人々が気軽に立ち寄った。
「なんで私まで浴衣なのよ」
軽く両手を広げる。青地に朝顔と金魚が描かれていてシューズは青い鼻緒の草履になっていた。
「どうしよう」
それ以上の言葉が出て来なかった。
木天蓼大学のカフェテリアは人で賑わっていた。
「あのさ、話は変わるんだけど、今年の浴衣と水着はどこで買う?」
テーブルにいた三人組の一人が二人に新たな話を振った。その一人、
仙藤 紫
は聞き役に徹していた。
別の一人が気恥ずかしい笑みを浮かべる。
「地元が楽なんだけど、たまには遠くで買うのもいいかなーって」
「え、どこどこ」
二人の様子を紫は微笑ましい目で見ていた。その表情が軽い驚きに変わった。
「……風鈴?」
紫は聞き入るかのように目を伏せた。
緩やかな風が頬を撫でる。
紫はゆっくりと瞼を開けた。石畳を挟むようにして並ぶ屋台は人々の笑顔と明かりに包まれていた。
「浴衣の話をしていたから?」
胸元から帯に目を下ろし、草履を履いた状態でくるりと回ってみた。
白地に薄紫のアジサイの花が清らかな美しさを湛えていた。
「あれは……」
少し前に小柄な背中が見える。青地の浴衣を着ていた。
紫は早足で向かう。
「蒼なの?」
「え、お姉ちゃん?」
振り返った蒼は紫の姿を見て固まった。ほんのりと頬を染めた。結んでいた口が僅かに開く。
「どうしたの?」
「な、なんでもないよ。こんなところで会って、少しびっくりしちゃった」
「私も驚いたわ。急に夜になったと思ったら、夏祭りの会場みたいなところにいて」
「お姉ちゃん、長い髪も良いけど、緩いお団子も似合うね」
蒼の言葉を受けて紫は緩く巻かれた髪に触れた。
「首筋が涼しいと思ったら、髪型まで違うのね」
「それよりお姉ちゃん。お祭りを楽しもうよ」
蒼は紫の手を握り、先頭で歩き始めた。
「あ、お姉ちゃん、射的があるよ」
「人気があるみたいね」
三人の子供が真剣な顔でライフルを構えて撃っていた。一人は父親のような人物に後ろから支えられていた。
「私も挑戦してみようかな。ゲームは得意だからね。お姉ちゃんも一緒にやろうよ」
紫は景品に目を向ける。目ぼしい物を見つけたのか。柔らかい笑みを浮かべた。
「そうね、蒼には勝てないと思うけれど」
二人は少し待ったあと、並んでライフルを構えた。
蒼は狙った景品を次々と落としていく。狐の面を被った店主は椅子に座ったまま、あー、と悲痛な声を上げた。最後は一言もなく項垂れていた。
紫は蒼にそっと話し掛ける。
「そんなに持って帰れるの」
「ちょっと取り過ぎたみたい。少し返そうかな」
耳聡い店主はガバッと顔を上げた。
「青いゼリンの縫い包みとカプセルギア以外は引き取って貰おうかな」
「喜んでお引き取り致します!」
店主は揉み手をして立ち上がった。
二人は射撃屋を後にした。
「色違いね」
紫は景品で獲った紫色のゼリンを掲げて見せた。
「私は青色」
二人は笑って石畳を歩く。
「お姉ちゃん、金魚すくいがあるよ」
「金魚以外もいるのね」
小さなゼニガメが水面を泳いでいた。黒いデメキンは金魚よりも大きく、幅広の尾びれをしなやかに振って泳いでいた。
蒼は紫に挑むような顔を向ける。
「お姉ちゃん、金魚の数で勝負しようよ」
「集中力が勝負の鍵になりそうね」
紫は二人分の紙製のポイを購入した。一つを蒼に渡す。
二人は少し離れたところにしゃがんで金魚すくいに挑んだ。
蒼は手早く金魚を掬い、水面に浮かせた器に入れていく。二匹を同時に器に流し込む技術も見せた。
紫は観察するような目で水面に近い金魚を狙った。大物のデメキンは遣り過ごし、着実に数を増やしていく。
二人は無言で金魚を掬い続けた。
「あー、破れたよ」
蒼の声の数秒後、紫は破けたポイを見せた。
二人は成果を見せ合う。どちらの器にも大量の金魚がびっしりと収まっていた。目で数えると三十二匹と三十三匹であった。
「一匹の差で私の勝ちね」
紫は控え目に勝利を口にした。隣では髪をガシガシと掻いて悔しがる蒼の姿があった。
「乱暴にしたら髪が傷むわ」
紫は蒼の髪に手櫛を入れる。優しく撫でるように髪を整えていく。
「……お姉ちゃん」
「どうかしたの?」
「……恥ずかしいよ」
小さな声で蒼が返した。いつの間にか、二人は若い男性の目を惹き付けていた。
「集中力があるのも困りものね」
紫は笑って蒼の髪を仕上げた。
景品の金魚は大量なので二人は遠慮した。
「なんか、動いたらお腹が減ってきたよ」
「私も少し。たこ焼きはどうかしら?」
「いいね、あとリンゴ飴も」
二人は食べながら他の屋台も見ていく。会話を楽しんでいると御囃子が耳に届いた。互いに笑みを交わし、足を急がせる。
星空の下、提灯の明かりに照らされた櫓が見えてきた。その上では狐の面を側頭部に取り付けた人物が伸びやかな喉を聞かせる。やや後ろに控えた狐面を被った二人が横笛と太鼓を担当していた。
その櫓を多くの人が囲み、ゆったりとしたリズムに合わせて踊っている。
蒼は歌に合わせて身体を揺らす。
「踊りもいいけど、あの櫓の上で歌ったら気持ち良さそう。お姉ちゃんも、そう思うよね」
「私はどうかしら。かなり目立つと思うから、少し恥ずかしい思いをするかもしれないわ」
紫は会場の規模を見て言った。
御囃子が和やかな間に終わると、歌っていた人物がいきなり飛び入り参加を口にした。
「そこにおられる麗しき二人に歌を披露していただきます。皆様、盛大な拍手でお迎えください」
蒼と紫は拍手に包まれた。
「お姉ちゃん。行くよ」
「急に言われても」
紫は蒼に背中を押されて櫓に連れて行かれた。待ち構えていた者の案内で紅白幕に包まれた中に導かれ、階段を上って櫓の上に出た。
目を細めた人物が二人にマイクを渡す。
「お好きな歌をどうぞ。私達は全力でサポートさせていただきます」
「ありがとう。明るくてお祭りに合いそうなポップスにするわ」
「蒼、それって私が歌える曲なのよね?」
「もちろんよ」
軽い打ち合わせを済ませ、二人は歌い始めた。狐面の二人は太鼓と横笛で対応。糸目の人物はショルダーキーボードで場を盛り上げた。
蒼は歌いながら紫に簡単な振り付けを教える。間奏の時には目に力を込めて言った。
「リズムゲームみたいなものだから」
紫は儚い笑みを浮かべた。
蒼は顔を上げた。三年三組の教室にいた。気だるげな授業が何事もなく続いている。
窓の方に目を向けた。青い空が見える。
――夢を見ていたみたい。そう言えば去年に買った浴衣、まだ着られるかなあ。
取り留めのないことを思いながら机の中に手を入れる。
――ひんやりとして、ん?
触れた物を掴み出す。カプセルギアと青いゼリンの縫い包みであった。
「……夢じゃない?」
そっと机の中に戻し、にんまりとした。
「紫は浴衣と水着、どこで買うの?」
「……そうね、私は地元で買うつもりよ」
答えた直後、強い瞬きをした。目は周囲を窺う。木天蓼大学のカフェテラスにいた。
「そうなんだ」
他の二人は夏の過ごし方について話し始めた。
その時、紫はスカートのポケットの膨らみに気付いた。取り出して手の中で回す。紫色のゼリンの縫い包みが円らな瞳を向けてきた。
微笑み掛けてポケットに入れ直し、二人の話に耳を傾けるのだった。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
9
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
風鈴の誘い
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年08月22日
参加申し込みの期限
2018年08月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年08月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!