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風鈴の誘い
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空はすっきりと晴れ渡り、穏やかな朝陽が旧市街を照らす。暑い午後に備えて道に水を撒く老爺の傍らを
菊地 まな
が走り抜ける。灰がかったヨモギ色の髪はサイドテールに結えられ、大気の中で勢いよく踊る。
あずき色の目は朝陽を受けて輝いていた。プリントされた花柄のTシャツに半ズボン姿で大きな公園を目指す。
どこかで風鈴が鳴っている。気にすることなく近道となる路地に突っ込んでいった。
「……!!!?」
辺りは一瞬で夜になった。狐の面を被った人々が櫓から聞こえる歌に合わせて盆踊りに興じていた。まなはその輪の中に入っていて同じくらいの背丈の子供に後ろから押された。
「踊らないと進めないよ」
「……ぅー」
迷うような手付きで立ち止まっていると、まなはやんわりと輪から押し出された。不安が表情に出る。助けを求めるような目を周囲に向けた。
石畳の道を挟むようにして屋台が並ぶ。多くの人々が笑顔で行き交う。楽しげな会話が聞こえてきた。
賑やかな通りに、まなは引き寄せられた。
「涼しげな音がしたと思えば……ここはどこでしょう」
アケーチ・タッマーキ
は前髪に隠れていない紫色の左目で妖しく笑う。周囲は純然たる闇に支配されていた。
眼前には赤い鳥居で囲まれた石段があった。その先から明かりが零れている。
「楽しそうな音が聞こえてきます」
一歩を踏み出した格好で視線を下に向ける。黒地に青と黒の二色の薔薇が大輪を咲かせていた。
「スーツが和装になっていますね、ふふ」
怪異を楽しむ様子で石段を上がっていく。自然に口角が上がった。
最上段に辿り着いた。石畳の両側にはずらりと屋台が並んでいる。
アケーチの目は前を見詰めていた。長い髪を振り乱しながら、まなが小走りでやってきた。
「あぁ、このような場所で、まさか愛らしいまな様に出会えるなんて! 迷えるド変態が嬉しさのあまり昇天してしまいそうです、ふふふ…!」
「……ぁ!」
まなはいつも以上に目を丸くして足を速めた。どこか嬉しそうな表情で手を挙げた。
「……ぃ」
「私はいつの間にか、ここにいました。まな様もそうなのですか?」
「……ぅー」
「やはり、そうでしたか。ですが、もう、心細い思いはさせません。ここで会ったのも何かの縁、この明智と一緒に今を楽しみましょう、ふふ…!」
まなは大きく頷き、反動で少しよろけた。急いで顔を上げる。頬がぷっくりと膨らんでいた。
目にしたアケーチは自身を抱き締め、足を交差させて仰け反った。
「ああ、まな様の聖女の力に明智は天国の住人になるところでした、ふふふ…!」
「……ぅー」
まなはアケーチの袖を摘まんで引っ張った。
「そうですね。行きましょう」
二人は並んで歩き出す。まなが少し遅れた。
「……ぅ」
その声にアケーチが振り返る。まなの姿をじっくりと眺めた。
「確かに動き易い格好ではありませんが、その浴衣姿、とても似合っていますよ。白地に金魚が鮮やかです。ピンクの帯は優しいまな様をよく表していると思います、ふふ…!」
「……ぇ」
まなはモジモジしながら前を指差す。その場で両腕を振って歩く真似をした。
「二人が離れ離れにならないように手を繋いではいただけないでしょうか」
「……ぇー」
アケーチは手を差し出す。まなは掌の一部を摘まんだ。指先をちょこちょこと歩くように動かして、しっかりと握る。
「まな様、キュン死するような愛らしさをありがとうございます。お気に召すものがあれば、この明智にお申し付けください。喜んで買って参ります、ふふ…!」
アケーチはまなに向かって深々と頭を下げた。
二人はゆっくりと歩き出す。まなはかき氷の絵柄の屋台を見つけた。アケーチに向かってそろそろと手を挙げる。
「……ぃ~」
「かき氷ですね。何味にしましょうか。はい、メロン味ですね」
アケーチは狐の面を被った店主にメロン味のかき氷を注文した。まなはわくわくした表情で身体を揺らして待っている。
「まな様、どうぞお召し上がりください」
アケーチは笑みを絶やさず、かき氷を手渡した。まなは氷の山に刺さっていたスプーンを手に取った。
「……ぅ~」
小難しい顔を氷の山に近付ける。スプーンは突き刺すところをうろうろと探し、最後は緑の頂をパクッと口に収めた。口の中の甘さに笑みが零れる。
その表情が崩れた。酸っぱい物を食べたような顔でプルプルと震えた。
「急いで食べたせいで頭がキーンとしているのですね。あぁ、なんて愛らしい。痛みに耐える表情が、この上なく愛くるしい。意識が空の彼方に飛んでいきそうになります、ふふふ…!」
アケーチは下ろしていた両腕を軽く開き、左目を潤ませる。
「……ぁ」
まなは親指を立てて見せた。スプーンに少量を載せて口に運ぶ。着実に山を崩し、空になった容器を自慢げに掲げた。
アケーチは拍手で讃える。
「小さい身体でよくがんばりました。まな様、次は何を致しましょうか」
まなはキョロキョロとして手を引っ張った。
「そうですね。もう少し見て回りましょう」
二人で歩いているとポンという軽い音が聞こえてきた。
「……ぁー」
射的屋の屋台にまなが強く反応した。アケーチを引っ張るようにして連れていく。
「射撃ですか。面白そう、はう! あ、あれはゼリンたん…!」
数ある景品の中に
ゼリン
の縫い包みが混ざっていた。
「……ぁ!」
まなは興奮した様子で緑色のゼリンを見詰める。
「まな様が出会われたゼリンたんですか。では、二人で手に入れましょう、ふふふ…!」
最初にアケーチがライフルを手にした。銃身のレバーを引いて銃口にコルクを詰める。まなのライフルにも施し、撃てるようにした。
隣のアケーチの姿を見て、まなはライフルを構える。重さでふらふらしながらも撃った。大きく外れた。少し怒ったような顔で足を踏み鳴らす。
まなは見よう見まねで新しいコルクを詰める。重さに耐えるように口を引き結んでトリガーを引いた。
狐の面を被った店主に当たった。椅子に座ったまま、笑い声をあげる。
「お嬢ちゃん、おじさんは景品じゃないよ」
「……ぅー」
微笑ましい目で見ていたアケーチは白い羽の付いたゼリンを引き続き狙う。
まなは急いでコルクを詰めた。何度も撃った。最後の一発は掠めたが落とすことはできなかった。
頬を膨らませて悔しがる。側ではアケーチが白いゼリンを帯の間に挟んでいた。
「まな様、ゼリンたんの獲得に成功しました…ふふふ!」
「……ぃ!」
潤んだ目で両手を祈るように組み、身を震わせた。
「愛しさが胸から溢れてダダ漏れです! わかりました、緑のゼリンたんが欲しいのですね! この明智にお任せください!」
数十発を費やし、遂に緑のゼリンを手に入れた。
「真円に近いゼリンたんは手強かったです…ふふ!」
「……ぁ」
まなは緑のゼリンに頬擦りして、ぺこりと頭を下げた。
「感謝の言葉をありがとうございます。まな様のお役に立てたこと、この明智、一生の宝として記憶にとどめておきます」
「……ぃ」
まなはアケーチの手を握った。
二人は仲の良い兄妹となって屋台を楽しむのだった。
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年08月22日
参加申し込みの期限
2018年08月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年08月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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