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【甥っ子と叔父さん】
望めばなんでも叶うわけではありません。思いを伝えることの、なんと難しいことでしょう。
朝。
津島 直治
はぱちりと目を覚まし、布団にくるまったまま、壁にかけてあるカレンダーを見上げます。
(……ああ。そういえば、そうですね)
今日は彼の、誕生日なのです。自分でもスッカリ忘れていたけれど。
実家にいた頃なら、両親や兄妹たちがお祝いをしてくれたかもしれません。けれど今、彼が寝ているのはそこから遠く離れた、叔父の家。彼は居候の身です。
(自分から、言うなんて……図々しいですよね)
誕生日をお祝いしてほしい。14歳の少年なら、当然の願いであったことでしょう。要求する権利だってあって然るべしというものです。
けれど、直治は。
「おはようナオ。今日は早いな?」
「うん……おはよう、叔父さん」
古書喫茶『思ひ出』
の店内へ顔を出すと、
柏村 文也
はすでに開店の準備を始めていました。いつもと変わらず、何気ないふうで。
直治もいつもと変わらず朝食を食べ、身支度を整え、出かけることにします。
「いってらっしゃい。気をつけてな」
自分にとっては誕生日。でも世間の人たちにとってはなんの変哲もない、単なる一日です。この叔父さんにとっても。
「……いってきます」
普段と変わらない一日を過ごそう。自分は居候なのだから。直治は心にそう決めました。
……決めたまでは良かったものの。
(別に……なにも期待してないですし)
学校の教室に入れば、カレンダーのひとつも飾ってあることでしょう。嫌でも目に入ってしまいます。
「ねえ、昨日あのアイドルの誕生日だったんだってー。ほら、月9に出てるあの子」
「あーあの子。へぇ~、そうなんだ!」
「芸能人って、どんなふうにお祝いされるんだろうね? 誕生日」
「そりゃもうとんでもなく豪華で、こーんなでっかいケーキが出てきて、プレゼントだって……」
なんてクラスメートの話もまた、嫌でも耳に入ります。
(私には、関係ないですし……)
意識の外へ追いやろうとしても、気にしてない振りをしようとしても、ついつい考えてしまうのです。
あるいは実家から電話でもかかってきて、あのひと言を言ってくれないだろうか、と。
プレゼントはいりません。大きなケーキだって必要ありません。
お誕生日おめでとう。ただそのひと言があれば、それだけで……。
(考えてても仕方ないですね)
ぷるると頭を振って、忘れることにしました。居候しているあの部屋に帰って、早々に寝てしまえば、いつもと変わらない日が戻ってくるでしょう……なにもかも忘れて。
そうして学校が終わり、やけに長く思える道を悶々としながらも歩き、ようやく帰宅して『思ひ出』の扉を開けた……そのときに。
「ただい、ま……? え?」
直治は思わず、目を見開いてしまいました。
文也も正直に言って、失念していたのです。こりゃあしまった、と思ったのです。
思い出したのは、甥っ子がなんだかちょっぴり沈んだ様子で出かけていった、その直後のことでした。日めくりカレンダーをめくったところで、
「あ」
気づいたのです。
「今日、あいつの誕生日じゃないか……」
その日は文也にとっても、特別な日となりました。さあ、忙しい一日の始まりです。
「あいつ、自分で言わないんだもんな~。さて、どんなふうにお祝いしてやろうか♪」
なにか、プレゼントでも贈る? でも、あいつはモノで喜ぶタイプでもないだろうしなぁ。ふ~む……なんてしばし迷い、考えて、決めました。
「俺の料理は嫌いじゃない、みたいなこと言ってたもんな。よし!」
そこからの文也は、実にフル回転です。
まず、お店は臨時休業としました。いつもひいきにしてくれる常連客には悪いけれど、なにしろ今日は特別な日なのです。準備に専念しなければなりません。
「旅館で出てくるような和食フルコースを出してやろう。あいつ、驚くかねぇ」
くすくすと笑み、まずは材料の買い出しへ。ちょっぴりお高い食材も、今日くらいはと贅沢に買い込みました。
必要なものを揃えたら、彼の帰宅に備え、次々に料理をこしらえていきます。彼の得意とするのは本来もっとシンプルな料理でしたけれど、今日は特別です。嫌いなワード第一位、第二位の『努力』『頑張る』を駆使して、見た目にも豪華な、まさしく懐石料理のようなメニューを作り上げていきました。
「もちろん、ケーキも用意しないとな!」
リンゴをすり潰して生地に練り込んだ特製スポンジケーキに、ホイップクリームをこれでもかと乗せて、ふんわりふわふわデコレーション!
「うん。俺にしては頑張ったほうじゃないか? むしろ頑張りすぎたくらいだな」
とは言いつつも、感じる疲労感は心地よく、甥っ子の喜ぶ顔を想像したなら、胸は躍りました。
扉が開く音が聞こえたのは、そんな時です。
「おっと、帰ってきたな。さて」
文也は足取り軽く、きょとんとして驚いた顔の直治を出迎えました。
見慣れたテーブルの上の、見慣れない光景。
「……なに? この豪華な料理」
ぽかんとした直治は、まったく予想だにしていなかったようです。思わずぽかんとして、漏れるように尋ねました。
「誰か、お客さんでも来るの?」
「なに言ってる。可愛い甥っ子の誕生日なんだぞ? 当たり前じゃないか」
「たん……じょうび」
忘れてしまおう、なかったことにしてしまおう。今日一日、そう胸に言い聞かせてきた言葉でした。それをこの叔父は、あっさりと口にするのです。当たり前だなんて言って。
直治がそれを実感することができたのは、文也がはっきりと、彼の目を見て言った瞬間でした。
「お誕生日おめでとう、直治」
時間が止まったような気がして、直治は立ったまま、何度もその響きを反芻してしまいました。
本当は、そう。ずっと誰かに言ってほしかった。そのたったのひと言が今、直治の耳へと飛び込んで、身の内を駆けまわっています。
お誕生日、おめでとう。その言葉こそが、ずっと。
「……ありがとう。叔父さん……」
「はは、感動した? なんてな、ま、座れ座れ。食べよう……っと、そうそう。これもお前にあげる」
手渡されたのは、なんとも手触りの良い一品です。
それは、布製のブックカバーでした。
「モノで喜ぶタイプじゃないと思ったけどな。なにもないのも寂しいと思って、作っておいた。プレゼントだよ」
「作ったの? 叔父さんが?」
「ああ、そうだよ」
なにげなく言って、料理を取り分けてくれる文也。その仕草と手の中のブックカバーを見比べて、直治はなんだか、
(……ああ)
胸が熱くなってしまいました。
「たくさん食えよ~。お前はどうも遠慮がちだからね。今日くらいは好きなだけ、たらふく食べるといいさ」
「うん。そうする。ありがとう、叔父さん……いただきます」
「いただきます!」
お箸を口に運べば、そのお味は言わずもがな。直治の口元は緩みます。文也はそれを見て、にやり! してやったりと笑うのでした。
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担当ゲームマスター
墨谷幽
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
24人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年08月04日
参加申し込みの期限
2018年08月11日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年08月11日 11時00分
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