【夏至まつり】キャンドルナイトに星も燈りて｜リアクション

【夏至まつり】キャンドルナイトに星も燈りて

●空の星、海の星

　海にキャンドルの灯りが燈る様子を楽しんでいた優木遥斗は、背後に感じた気配に振り返った。
「優木、お疲れ」
　ラムネの残りを飲み干して、御剣刀がそう零す。
　その眼差しは、すぐに、海の方へと向けられた。
　遥斗も、視線を静かに、星が散ったような夜の海へと戻す。
（悪くない眺めだな）
　遥斗がそんなことを思う一方、刀は、口に放った金平糖の味に瞳を煌めかせた。
（美味い！　金平糖はあいつらにもあげよう）
　頭の中でまた、彼女達の笑顔が光る。
　刀は、ふっと、口元に淡く弧を描いた。

　ラムネを喉に流して、時高クレオは、ほっと一つ息を吐いた。
　そうして、星のように煌めく金平糖を手に、ぼんやりと、うっとりと考える。
（……それにしても、あの変身姿素敵だったなぁ……）
　先ほど見た笑顔が、脳裏にぽわわんと浮かんで、クレオは、ぽっと頬を朱に染めた。

「乾杯！」「かんぱーい！」
　２人の声が重なり、ラムネの瓶と瓶がぶつかって、涼しげな音を立てる。
　ポン！　とラムネの栓を開けて、八神修は七夜あおいへと照れ混じりの笑みを向けた。
「ちび星達を一緒に探せて良かった。有難う」
「ありがとうは、私の台詞だよ」
　あおいが笑う。
　少し考えてから、修は再び、ぽつと口を開いた。
「さっきは、肩を掴んでしまってごめん。あおいが何処かへ行ってしまう気がして、つい……」
「ふふ、確かにちょっとびっくりしたけど、謝ることじゃないよ」
　言って、あおいは、口の中に金平糖を放る。
　美味しい、と、弾む声が漏れた。
「ねえ、あおい」
　呼べば、あおいの顔が、修の方へと向けられる。
「追いかけっこ、楽しかった。星の灯りもキャンドルの灯りも、綺麗だね……」
　見上げれば、星の灯りが。海には遠く、キャンドルの光が瞬く、そんな夜。

「……ふう。運動した後のラムネは、格別ですね」
　岡瀬靖久の言葉に、津止孝道先生が静かに頷く。
「ええ、童心に返るような心地になります」
「確かに」
　応じて、もう一つのお礼の品、不思議に煌めく金平糖を夜空に翳す靖久。
（奥さんと娘に渡したいね。お土産だよ、って）
　自然と細められた靖久の目には、ふわりと、柔らかい色が乗っていた。

　鴻上彰尋は、ラムネを飲みながら、キャンドルの流れる海を眺めていた。
「彰尋くんっ」
　呼ばれて、振り返る。あおいが、柔らかな笑みを浮かべて立っていた。
「探しちゃった。いい場所、見つけたね。キャンドルが流れていくのが、よく見えて」
　静かに言って、あおいは、ちょこんと彰尋の隣に並ぶ。
　そんなあおいへと、彰尋はふっと口元を緩めて、言った。
「夜空も、綺麗だよ。ちび星達が、キラキラと輝いてるみたいに見える」
「あ、ほんとだ。ふふ、困った悪戯っ子達だったよねぇ」
　ラムネの瓶の中で、ビー玉が、きらと煌めく。
（ビー玉、取り出せるタイプかな？）
　あおいの声を耳に聞きながら、彰尋はそんなことを考えた。
　出来れば、取っておきたい。
　この、星とキャンドルが輝く夜の記念に。

このページにイラストを設定する

あとがき

担当マスター：巴めろ
ファンレターはマスターページから！

お世話になっております、ゲームマスターの巴めろです。
まずは、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました！

この度、夏至まつりの夜の部を担当させていただきました！
こういうのがあったら楽しそう！　をガイドにぎゅぎゅっと詰め込みましたので、
おっ、いいじゃん！　と興味を持っていただけたならとても嬉しいですし、
リアクションも、「うおおおおっ！」と熱量たっぷりで執筆いたしましたので、
キャンドル煌めくお祭りも不思議な星追いも、お楽しみいただけましたら幸せいっぱいです！

重ねてになりますが、ご参加くださった皆様に心からの感謝を。
この度も、本当にありがとうございました！

↑ページトップに戻る