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【夏至まつり】キャンドルナイトに星も燈りて
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●ちび星を追いかけて(4)
キャンドルの灯りだけに照らされた街並みを、
シーナ・キュクノス
は灰色の双眸で見回す。
「お星さますくいがあるなんて、不思議な世界に迷い込んじゃったなぁ……」
ここは《寝子島》のはずなのに、まるで別の世界のようだ。
そういう場所に、シーナは今ひとりきりだけれど、でも。
「きっと師匠なら助けるから、僕も手伝うんです」
ぐっと、拳を握る。
と、建物の陰から、追いかけていたちび星がとび出してきた。
「あっ、見つけた!」
わっ! とばかりにちび星が跳ねる。
そのまま再び逃げ出そうとするちび星を、シーナはすぐに追い始めた。
(結構すばしっこいな……けど、ベルラとの修行で色々鍛えてるんです)
僕の戦い方にも合うし、負けませんよ! と、ちび星の軌道を読んで、その目前へと回り込む。
(捕まえた!)
と、手を伸ばさんとした、その瞬間。
ちび星が一層眩く光ったかと思うと――そこに、懐かしい人影が立っていた。
『可愛い可愛い、俺のシーナ』
シーナと同じ、黒髪の男だ。
かっこいい、と評することに微塵の差し障りもないかんばせに、愛しげな色を乗せている。
『そんなに急いでどうしたんだい? もっとよく、顔を見せておくれ』
「……っ!? 大兄様!?」
なんで? と頭に混乱が射して、衝撃に、寸の間動きが止まった。
けれどすぐに、シーナは気付く。
(……違う、さっきまで星だったから、これはきっと化けたんだ)
本物じゃないのが、寂しくて、悲しい。
それでも、もう見ることすら叶わないと思っていたその笑顔が、胸にあたたかかった。
ちび星が化けた《大兄様》は、優しい顔をしてシーナを見つめている。
(……もう一度捕まえかけたら、今度は別の兄様になるのかな)
残る、2人の兄の顔を思い出すシーナ。
心臓をとくんとくんと鳴らしながら、シーナは、《大兄様》へと手を伸ばした。
ちび星が、また、姿を変える。
しかしその相手は、シーナの記憶にない誰かだった。
(違うのか……)
幾らかの落胆を抱えながら、現れたマントの男の顔を覗き見る。
これはいったい誰だろう……? と考えていたら、男の口元が吊り上がった。
途端、水面に石を投げ落としたように、記憶の波紋が広がり、蘇っていく。
(ああ……)
どうして忘れていたんだろう。忘れていられたんだろう。
(燃え盛る屋敷を背に立つこの男を、僕は……確かに見たことがある)
男は、シーナの家を襲った、言わば《仇》だった。
理解した瞬間、湧き上がったのは、激しい憎悪と怨讐。
衝動が強く背を押すままに、シーナは、男へととびかかった。
首に手をかけ、そのまま押し倒そうと――、
「あ……」
そこで、シーナは我に返る。
男の姿は消え、代わりにシーナはちび星を、飛んで逃げることも叶わないほどの力で両手に握り締めていた。
まだ強張りの残る手の力を、緩める。
ちび星は、慌てたように点滅しながら、屋台の方角へと飛んで帰った。
シーナはそれを、ただただ見送る。
頭の中がぐちゃぐちゃで、気を抜いたが最後、その場に崩れ落ちてしまいそうだった。
(僕は、忘れちゃいけない事を忘れていたんだ。でも、忘れていたかった事を)
唇を、小さく、音が揺らした。
「ベルラ……」
殆ど無意識に呼んだのは、今この場にはいない、師の名前。
「……ベルラ。ベルラ、ベルラ……ッ」
何度も、何度も。同じ名を、呪文のように繰り返す。
それだけが、吹き荒れる暴風のような感情を収めることができる、只一つの方法のような気がしたから。
今のシーナにとっては、その言葉は間違いなく、この世で唯一の《呪文》だった。
キャンドルの灯りが、嘘みたいに鮮やかに、さやさやと揺れている。
(明るいのに、真っ暗闇の中にいるみたいだ)
色とりどりの光がさざめいているのが、シーナには、遥か遠い世界の光景のように思えた。
キャンドルが照らす不思議な街並みを、
岡瀬 靖久
は、険しい顔をして見渡した。
(妻と娘と夏至まつりに来ていたはずなのに……はぐれてしまったようだね)
愛しい妻と可愛い娘と共に過ごすはずだった時間を思うと、唇を、細い息が揺らす。
「それに……ここはどこ、かな。何だか、不思議な世界だ」
妻子を探すうちに、気付けば知らない場所に立っていた靖久だ。
街の様子に、全く覚えがないわけではない。
けれど、シーサイドタウン一帯がキャンドルナイト一色だなんて、妙な話ではないか。
と、そこまで考えた、その時である。
「……ん?」
建物の陰から、ぴかぴか光る星のようなものがとび出してきた。
そして、それを追いかける《誰か》の姿。
(えぇと、僕と同年代くらい? かな?)
何か事情がありそうだ、と思った。
話を聞こうと、息を切らせて立ち止まってしまった様子の《誰か》の傍へと歩み寄る。
そして、靖久は気付いた。
(なんだか見覚えが……あ、娘の学校の教頭先生、だったかな)
膝に手を付いていた《誰か》改め
津止 孝道
先生が、靖久の気配に顔を上げる。
「教頭先生、お手伝いします」
「……ちび星の変身、か?」
「ちび星? あ、さっきのか……僕は、岡瀬と申します。只の父兄です」
靖久の名乗りを聞いて、津止先生は、ハッとしたように姿勢を正した。
「これは、失礼しました。その……随分と、あのちび星に翻弄されたもので……」
「さっきの光ですよね? あれを追いかけて、捕まえればいいんですか?」
こく、と、津止先生が頷く。
靖久は、不機嫌そうな印象を与える眼差しで、ちび星の方を見遣った。
少し距離を取ってこそいるものの、ちび星はこちらをからかうように、ふわふわと浮いている。
「さて、と……」
一歩踏み出し、靖久は、言葉通り舞うようにしてちび星へと迫った。
年齢を一切感じさせない、軽やかなステップ。
ちび星が、素早く、軌道の読めない動きに翻弄される。
(ここで、ターン!)
靖久の手がちび星を掴もうとした、その瞬間。
ちび星が眩く輝き――眩んだ目が視界を取り戻した時、そこには、
「…………え?」
靖久が10代の頃付き合っていた女性が、にこやかに微笑んで立っていた。
思わず、動きが止まる。
冷たい汗が背中を伝って、靖久をぞわりとさせた。
(美人だけど、押しが強く我儘だった。それすらも可愛いと思っていたけれど……)
そう、当時の靖久は《彼女》が大好きだったのだ。
けれど、《彼女》は二股をかけていて、しかも、靖久は《彼女》の二番手だった。
『信じて。貴方が一番よ』
うっとりするような笑みが、靖久へと向けられる。けれど。
「いやいや、もう騙されないよ。それに……」
「今の僕には、愛する娘と奥さんがいる」
変身が通じていないと悟ったちび星が、《彼女》の姿のまま身を翻す。
靖久のろっこんが発動したのは、それとほぼ同時。
ちび星を追いかけようとした靖久の足に、こちら側に迷い込んだらしい黒猫が、そっと身を擦り寄せたのだ。
17歳ほどの姿に若返った靖久は、
「なんか僕、こういう力があるみたいです」
と、靖久の奮闘を半分は呆気に取られて見守っていた津止先生へと声を向けると、
「逃がさないよ」
先ほどまでよりも更に俊敏な動きを以って《彼女》へと肉薄し、遂にその腕を捕まえた。
元の姿に戻ったちび星が、遠く、海岸の方角へと飛んでいく――。
「……お見事、としか言いようがありませんな」
津止先生が言うのに、靖久は気難しく見える顔に淡く笑みを乗せて、「ありがとうございます」と応じた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年08月06日
参加申し込みの期限
2018年08月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年08月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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