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【夏至まつり】キャンドルナイトに星も燈りて
<拡大版>閉ざされた記憶の中
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●ちび星を追いかけて(2)
今宵のシーサイドタウンは、幻想の中に沈んでいる。
「っと、追い詰めたぞ、ちび星」
ベルラ・ガーネブラッディ
が、ようやっと行き止まりに追い込んだちび星に手を伸ばそうとした、その瞬間。
ちび星は一層眩く輝くと、見る間に、その姿を変じさせた。
「……ッ! 爺、さん……?」
ちび星が消え、代わりのように現れたのは白髪の老人。
老人とは言っても、その体格には一切の衰えは無く、その目元は、力強い、厳格な色を湛えている。
風にはためくマントは、彼の、西洋の戦士を思わせる衣装をより誇り高く見せた。
「あぁ、なんと凛々しいお爺様……!」
なんて、
アケーチ・タッマーキ
がうっとりとするのをちらとだけ見て、
『再び星が廻るとはのぅ、ベルラよ』
白い髭を撫でながら、老人――ベルラの祖父は、孫へと呼びかける。
ペガサスの獣人である祖父は、ベルラに最初に剣を教えた師。
任務に当たっていたが為に彼の死に際に立ち会えなかったことが、ベルラの心にしこりを残していた。
「……爺さん」
声が、勝手に上擦り、震える。
幻でもいい、この人の言葉が聞きたかった。
「爺さん、俺は、あんたから譲り受けた剣を振るうに相応しい主になれただろうか」
『……あれを託したのは、おんしなら正しく使いこなせると思った故』
儂に聞かずとも、そちが指し示しておるじゃろ、と、祖父は言った。
『進め、ベルラ。さすれば、道は開かれん』
「道……俺の往く茨道は、正しかったのか……」
細く、息が漏れた。
そうしてベルラは、祖父――祖父の姿をしたちび星の元へと、ゆったりと歩み寄る。
「……貴方が俺の祖父である事を誇りに思う、有難う」
逞しい腕を掴めば、ちび星は本来の姿を取り戻して、海岸の方へと帰っていった。
「家族の絆……素晴らしいですね」
ちび星が描いた軌跡を見遣っていたベルラへと、アケーチが柔らかく声を投げる。
ベルラは、そんなアケーチへと微かな苦笑を向けた。
「俺の自慢の祖父だったからなぁ。稽古は、厳しかったが」
ベルラの声を耳に微笑みながら、アケーチは静かに思う。
(私も、自分の家族とやらに会えるのでしょうか?)
アケーチの心の声に呼応するかのようにもう1匹のちび星が現れたのは、その時だ。
輝きを増すや、ちび星は、アケーチそっくりの人物へと姿を変えた。
瞳の色はアケーチと同じ紫色だが、髪は銀色、肌の色は褐色、背を彩るは黒い羽だ。
それでも男は、あまりにもアケーチによく似ていた。だから、
「あぁ、私の生き別れのお兄さんでしょうか? ふふ」
なんて、アケーチが零したのも無理はないのだが、男の方は、
『……やはり、何も思い出さないか。……ベルラも、か?』
と、無愛想な印象を与える顔に懐かしむような色を乗せて、ベルラの方をふっと見遣った。
「おや、ベルラさんのお知り合いでしたか」
なんて、アケーチが常の調子で零すも、その声は、ベルラの耳には届かない。
「アレス……アドゥレス……! 何故お前が……」
覚えていてくれたか、と、男が仄かに、そしてどこか切なげに目元を和らげる。
胸を引っ掻かれたような心地がして、ベルラは、ざり、と後ずさった。
男の姿がベルラに運んだのは、例えようもないような驚愕。
「覚えていたかだと? 忘れようがない。あの時、お前の手を掴めていたら……」
「――アレス、何をぼうっとしてるんだ?」
声を掛ければ、友人は、ハッとしたように顔を上げた。
「……何だ、ベルラか。何、少し考え事をしていただけだ」
「考え事?」
「私の、在り方について」
難しいことを考えるもんだな、と呆れたようにベルラが零せば、彼は、少しだけ笑った。
「アレス……?」
「……ベルラ」
何もかもを諦めたような声、何もかもを諦めたような顔。
闇の中、友人の身体は、血に塗れていた。
全て、返り血だ。
目の前には、国の要人だったはずのものが糸が切れたように崩れ落ちている。
息はもう、ないだろう。
ベルラが声を失っているうちに、辺りに満ちているものよりも濃い、どろりとした闇の気配が現れた。
その闇が、意思を持った化け物のように、彼の身体を飲み込もうとする。
闇に包まれていきながら、彼は、どこか泣きそうな顔でベルラへと手を伸ばした。
「例え罪人になろうと。この世界で、ベルラと共に過ごしたかった」
身体の硬直が解ける。
ベルラもまた、一心に彼へ向かって手を伸ばしたが、
「……アレス……」
彼は、消えてしまった。
ベルラの目の前で、幻のように。酷い悪夢を思わせる余韻だけを残して――。
「俺は諦めが悪いんだよ。罪償わせて、以前のように……!」
そこまで音を紡いで、ベルラは不意に、霧が晴れたみたいに気付いた。
がば、と、アケーチの方へと向き直る。
感じていた違和の正体を確かに掴んだと、確信に似た思いが湧いていた。
(あの羽、隠れた右目……雰囲気は全く違うが、まさか……)
じぃと注がれる眼差しに、アケーチが、頬に手を遣って身を震わせる。
「ベルラさん、そんなに熱く見つめられては、私、身体が火照ってしまいます……!」
至っていつも通りのアケーチだ。
しかしそこに、ベルラは消えた友人の面影を、間違いなく見留める。
(本当に、アケーチは知らないんだな……。郷愁の糸の導き……輪廻か)
ベルラは、男の方へと歩を進めた。
「もう一度だけ言っておこうかね。俺は、諦めが悪いんだ」
『……覚悟、しておこう』
手を伸ばして、今度こそ、相手の手を掴む。
男の姿は掻き消え、ちび星は、夜空をびゅーん! と飛んで、すぐに見えなくなった。
ベルラの祈りだけが、手のひらの中に残る。
キャンドルが照らす夜闇の中に、ぱちぱちと、拍手の音が響いた。
「流石ベルラさん。ミッションコンプリート、ですね、ふふ……!」
「……ああ」
「私によく似たあの方のこと、今度詳しく教えてくださいね」
是非お話をお伺いしたく……! と、一切の邪気なしにアケーチが言う。
ベルラが眼差しを上げれば、カーマインと紫の視線が絡まった。
(……おや?)
瞬間、アケーチの胸を掠める、微かな違和。
(ベルラさんは、今までこんな目で、私のことを見ていたでしょうか……?)
明確な答えは、与えられない。
海岸へ戻る道を辿り出したベルラの後ろ、アケーチは、星の瞬く夜空を見上げた。
(『やはり、何も思い出さないか』)
自分によく似た男が零した言葉を、頭の中に繰り返す。
星が巡るように何かが動き出す音が、どこかで、聞こえたような気がした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年08月06日
参加申し込みの期限
2018年08月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年08月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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