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【夏至まつり】キャンドルナイトに星も燈りて
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●ちび星を追いかけて(3)
「ちび星ー! どこだー!」
呼びながら、
源 竜世
は常とは纏う雰囲気の違うシーサイドタウンを行く。
タイラ・トラントゥール
は、まだ、追い付いてきていない。と、その時。
――がさっ。
不意に、少し向こうの茂みが揺れた――と、思った時には、
『こんな所にいたのか、竜世』
その傍に、竜世の、ずっと会いたかった相手が立っていた。
「兄、ちゃん……?」
『お母さんが心配してるよ、帰ろう』
足を地面に縫い付けられたみたいに動けずにいる竜世へと、《兄ちゃん》が言う。
優しい顔をして、《兄ちゃん》は、竜世の家が位置する方角を指で示していた。
硬直が解ける。竜世は、兄の元へ駆け寄ろうと一歩踏み込んで、
(――あ、)
綻びに、気付いた。気付いてしまった。
『どうしたんだ? 帰ろう、竜世』
足を止めた竜世へと、《兄ちゃん》がまた声を投げる。
けれど竜世の本能は、目の前の相手は兄ではないと、よく響く声で叫んでいた。
目の前の相手は、竜世を呼ぶだけだ。
抱き締めても、手を握ってもくれない。
(この人は、兄ちゃんじゃないんだ……)
深く呼吸をして、一歩踏み出す。相手の目の前まで、歩み寄る。
困ったように微笑んでいる《兄ちゃん》に向かって、竜世は、迷うことなく手を伸ばした。
「ちび星つかまえた! ダメだろ、おっちゃん困ってたぜ。だから……」
――お前の帰るとこは、おっちゃんの店。
兄の形をしていたものの姿が揺らぎ、光の塊になって、屋台の方へと飛んでいく。
それを見送りながら、竜世は、拳をぎゅっと握った。
そうしていないと、今にも、目の奥から熱いものが溢れ出てしまいそうだ。
(泣くな、オレ。大丈夫。絶対見つける)
その後ろ姿を、タイラはじぃと、睨むようにして見つめていた。
竜世が偽物の兄と対峙していた時には、既に、タイラは竜世に追い付いていたのだ。
しかし、手出しをする暇はなかった。
竜世はタイラの目の前で、あまりにも呆気なく、ちび星を捕まえたから。
(コイツは、自分ひとりでも勝手に解決出来るんだろう)
そう思えば、胸がざわめいて――けれどその感覚は、すぐに、剥ぎ取られた。
ちび星を見送っていた竜世が、ぱっと拳を開いて笑顔で振り返った、その瞬間に。
「よっし! ちび星もちゃーんとゲットしたし、帰ろうぜタイラ!」
にっと白い歯を零した、明るい笑顔。
それを目に留めた途端、タイラの胸には、苛立ちが射した。
「さっきのがお前の兄の姿か」
「……ん? よくわかったな」
「……探しているんじゃなかったのか」
普段なら、絶対に口にしなかっただろう言葉だ。
けれど今、竜世の元につかつかと歩み寄りながら、タイラは思い出していた。
暗闇の中で聞いた、竜世の兄の話を。
屋根裏部屋の一角に掻き集められていた、その人の私物を。
竜世が、風邪で弱っていた時の姿を。
タイラの目の前で、《今》の竜世が、「んー……」と顎に手を宛がい、軽く首を傾ける。
「本物じゃないってすぐわかったし、全然大丈夫」
「…………」
「それに、あの星に頼らなくたって、オレも……リューセー、流れ星だから。自分で叶えてみせるんだ」
字は違うけどな! と、にぱっと笑った竜世の頬を、
「ひゃひっ!?」
タイラは眉根を寄せに寄せて、力一杯に引っ張った。
「……ふん、良く伸びるな」
「いひゃいって! 何すんだよタイラ!」
大きな声で、竜世はタイラに文句を叩きつける。
不意に触れた手は、あまりにもあたたかかった。
温もりが、痛みに構っていられないほどに、竜世の《気持ち》を込み上げさせる。
大声を出したのは、それを誤魔化したかったから。それなのに、
「間抜け面のお前が悪い」
と、タイラは、竜世の頬を抓るのを止めようとはしない。
「思い切り引っ張っているんだ、痛くないはずがないだろう」
ぶすっとした顔をして、タイラが言う。
我慢していたものが、じわ、と、また目の奥から滲みそうになった。
――タイラだから、やっぱり泣いてるとこなんか見せたくないけど。
――タイラだから、泣きそうになる。
「っ、タイラのばか……いたすぎて、涙でてきたじゃんか……」
琥珀の瞳が、堪え切れずに潤む。
タイラは竜世の頭を、殴り付けるような乱暴さを以って、自身の胸に押し付けた。
そのまま、手に力を込めて、竜世の頭を押さえつけるタイラ。
「お前のトリ頭が邪魔で、ボクには何も見えないからな」
竜世の微かに震える手が、タイラの背に回される。
その背にぎゅうとしがみ付いて、竜世は、涙に詰まる声で訴えた。
「らんぼーだ。痛い。ばか」
バカはどっちだ、と、タイラは胸の内に言い返す。
(あんな顔で、大丈夫な訳があるか。あんなふうに笑うくらいなら、泣いてすっきりすればいいんだ)
泣かないのなら無理にでも泣かせてやると、そんなふうにタイラは思ったのだった。
痛みを言い訳に、泣けばいい。
噛み殺さんとしていた嗚咽が、段々と、溢れる感情のままに漏れ出でる。
タイラは竜世の泣き声を耳に、彼の頭を押さえていた力をそっと弱めた。
(コイツの泣く姿は苦手だし、見たくなどない)
けれど、関わらなければいいだけだと頭では分かっていても、切り捨てることはできなかった。
(さっさと余計な物を全部外に出して、いつもの竜世に戻ってこい)
抱き締めてやる、なんてことは、竜世がしたみたいに簡単にはできない。
それでもタイラは、気付けば不器用な手つきで、竜世の頭を撫でていた。
「……タイラ、ありがと」
泣いて、泣いて、泣いて、ぎこちなくも優しい手に、心を委ねて。
やっと少し息が整ってきたところで、ぽつり、竜世が零す。
けれど、タイラはそんな呟きなんて聞こえないフリをして、ただ、竜世の頭を撫で続けるのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
巴めろ
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年08月06日
参加申し込みの期限
2018年08月13日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年08月13日 11時00分
参加キャラクター一覧
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