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「あーー、疲れた」
木天蓼大学の講義を終えたその足で、そのままメイド喫茶『ねこのて』へ直行し終業過ぎてもなんやかんやと働いて。ようやく自室へ帰宅してくれば、
桧垣 万里
はその辺りに放っていたクッションの海へ両手足を投げ出すように転がった。
いつも、今日こそは部屋の片づけを! と気合を入れて家を出ているわけだけれど。
「……ええっと……うん。明日でいいよね!」
お決まりの台詞、本日も問題無く発動。
メイド喫茶で大変要領よく、きびきびと働いている彼女を知る者がいたら想像出来ない姿である。
メイド服を脱いだ途端スイッチオフ状態となってしまう万里。とはいえ大学とバイトを丸一日フルにこなしていれば、片付けどころか晩御飯を作る気力も無くなってしまうのは当然とも言えよう。
動く気力が湧かず一時寝そべっているも、お腹は正直にぐぅぅと音を立てた。
「そういえば、この間焼いたクッキーが残ってたっけ。ひとまずこれ食べようかな」
クッキー作りはもはや趣味と呼べる程。
(こういう日の為の非常食的役割も担っているのかもしれない)
部屋の中央、テーブルの上に置かれたままになっていた型抜きクッキーに、横になったまま手を伸ばす。
ぱくり。
星型や丸型、長方形など数ある形の中で万里が真っ先に手にしたのはハート型で。
咀嚼し飲み込んだ瞬間、手がぱたりと落ちた。
程なくして、何事も無かったかのようにむくりと上半身を起こす万里。
ただしその瞳は、温かな木目色から雲の向こうより薄っすら覗く月のような錫色に。
「えー……っと、ここは万里の部屋か」
紛れもなく万里の声。けれどもそのトーンはやや下がった男性味を帯びていた。
ハート型クッキーを食べたことによる、万里のろっこんが発動されたのである。
「相変わらずごちゃごちゃしてるけど、女の子の部屋ってこういうものなのかなぁ?」
『彼』は千里。万里と共に生まれてくるはずだった、双子の兄。
外の雨空透かす窓に映った己の姿を、ちらりと一度確かめた後、改めて部屋内を見渡す。
以前も見たことはあるけれど、その時と何も変わっていない。あの時は忙しい時期でたまたまかな、と思ったのだけど。
沢山の物たちに溢れていて、何がどこにあるのかさっぱり分からない景色を苦笑いで見つめた。
「……あれ? なにか植物っぽいものがあるような」
観葉植物でも置いたのかな?と箱から覗く緑へと近寄ってみれば、それはとても風代わりな植物で。
「わー、なにこれなにこれ!? 花? 透けてる!? すごいすごい!!」
万里本来の年の割には、少し幼さ垣間見える純粋なはしゃぎ様を見せてから。
『千里』は何やら動いてさえ見える蔦や葉っぱをツンツンしながら、しかしそこにある花弁に首を傾げた。
「えっと……あじさい? だっけ。
あれ、でもこの花ってこういうものだったっけ? あんまり元気ないのかなー?」
明らかに半透明で、どこか弱弱しく咲いて見えるそれについぞ語り掛けてから。
「それにしてもさー、ここ妹の部屋なんだけど女の子の部屋ってこういうものなのかな?
ねぇ、どう思う? 少しは片付けたほうがいいんじゃないかなぁ……」
植物とはいえ、今、自分以外の存在の前で気にせず話せるのが嬉しかったのかもしれない。
『千里』は箱ごとアジサイを持ったまま、友人相手のように会話する。
相槌を打つように頷く蔦見ては、あっ、でもね! と改めて。
「でもでも、やる気をだした万里はすごいんだよー!
家の片付けもあっという間に終わっちゃうし、料理もパパっと作っちゃうし!
僕の自慢の妹。いいでしょー?」
妹の名誉を少しでも挽回しようと試みる兄心というより、心からの言葉を全力で発揮しているテイで。
責任感もあるし、やるべき努力は惜しまない頑張り屋さんだし、それでいて可愛いしっ、変な虫つかないか心配でさー! などなどと続く熱い語りが暫しアジサイに見守られてから。
ふー、と一息つかれた一瞬の沈黙。
再び窓辺へと向けられる視線。
「……一緒に遊んでみたかったなぁ」
ぽつり。
切ない声色が部屋に落ちる。
どうしようもないって分かってるんだけどさ、と寂しそうな笑顔を浮かべ『千里』は紡ぐ。
それは幾度も描いた望み。
『千里』『万里』、そうお互いの名を呼び合って、手を繋いで歩いてみたかったと。
―― ……ね? “ 千里 ” 。
本来在るべきだった妹の名の方を、そっと心の内にだけ響かせた。
「って、あれ、花に色がついた……?」
寂し気な視線をすぐに切り替えて、『千里』はアジサイをじぃっと見つめる。
茎まで透けて見えた花弁が、今や鮮明な黄色に紅花溶け込んだような梔子(クチナシ)の色へ。
それは不言の表れ、言わぬの色。
互いに決して届かない言葉を、アジサイが写し取ったかのようで。
「元気になったのかな。よかったー」
諦めの気持ちを抱いていても、明るく語れる『千里』の気質か、その色も影など落ちずただただ明るく。
―― 綺麗だし、万里も見れるといいなコレ。
暫し眺めた後、部屋の片隅へと静かにアジサイの箱を下ろしてから。
せめて同じ物を共感できますようにと願いを込めて、『千里』は眠りについた。
取り残されたアジサイ、もう少し誰かに見てもらいたいなとでも待つように、万里の微か笑顔浮かぶ寝顔に寄り添っていたとか。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蒼色クレヨン
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ゲーム
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年06月30日
参加申し込みの期限
2018年07月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年07月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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